異常者の愛 – Wikipedia

異常者の愛』(いじょうしゃのあい)は、千田大輔による漫画作品。『マンガボックス』にて、2017年4月3日から[1]2018年9月8日まで連載され、単行本は講談社より発売された。

あらすじ[編集]

一之瀬一弥(カズミ)は小学5年生の時、クラスメイトの三堂三姫に告白されながらも、片思い相手の二海二美香(フミカ)の存在から断るが、三堂の問いに曖昧に答えてしまったことから、三堂にフミカをカッターナイフで殺害されてしまう。「これで私と付き合ってくれる?」との三堂の言葉に現場を見たカズミは戦慄を覚える。この事件以降、カズミは三堂によって人生を狂わされていく。

登場人物[編集]

一之瀬一弥(いちのせ かずみ) / カズミ
本作の主人公。
小学5年生の時に三堂に告白された際、フミカへの想いから断るも曖昧に断ったことが災いして、フミカを殺害されてしまう。後に進学した高校では美術部に所属しながらも、過去のトラウマを再現するかのようにグチャグチャな絵を描くようになっていた。
フミカの死から11年後、女性に溺れつつも、全ての元凶である三堂への復讐の準備を開始していた。つかめなかった三堂の居場所を突き止めるも、三堂の手玉にとられてしまう。絶望するが、シノたちの凌辱動画SDカード奪取のためにあえて「三堂を愛している」と、三堂と生活を共にする。身体中に愛の証として、無数の傷を付けられもしたが、その後あらゆる手段を尽くし遂に三堂を拘束、拉致・監禁する事に成功。
三堂三姫(みどう さき)
本作のヒロインの1人で、アンチヒロイン。
普段は内向的で大人しいが、本性は偏執的なサイコパス。好きな食べ物はりんごといちごとカレー。好きな教科は書写。好きな本の類は王子様系。
小学3年生のときに消しゴムを拾ってくれたことがきっかけでカズミに恋心を抱くようになり、5年生の時に告白。そのときのカズミの曖昧な答えを曲解し、フミカを殺害する。
事件後は児童自立支援施設で育ち、生活態度が良かったことから中3で自宅への帰宅を許されるが、自宅はフミカ殺害事件を知る者たちからの嫌がらせだらけになっていた。嫌がらせは止まらず引っ越し、転校を繰り返していた。紹介された仕事に就くも、三姫を見送った直後の母の自殺のショックで記憶を失う。後に三扇三咲(みおう みさき)と名前を変え、幼稚園の先生をしながら平穏な日々を過ごしていたが、復讐のために現れたカズミとの再会が引き金となり記憶を取り戻し、以前にも増して誰も止められない知略的かつ残忍な行動に走るようになる。
自身が倒錯的に「愛している」カズミに遂に捕獲・監禁され、怒り狂うカズミとは結ばれないことを察した後は彼に殺されることで愛を成就しようとする。
四谷四乃(よつや しの) / シノ
本作のヒロインの1人で、メインヒロイン。
高校受験の日にカズミと出会い、彼の優しさに触れたことから恋心を抱くがカズミとの初デート後、三堂の手で心身ともに深い傷を負ってしまい、カズミと別離。事件後、不登校と引きこもりになり中退。独りでいることに激しい恐怖心を抱くようにもなり、外出先でパニックを起こしたあげく事故による外傷を負ってしまい、心身ともにハンデを負った生活を送るようになる。
事故後、三堂が撮影した凌辱動画のSDカードをカズミが自身の身と引き換えに取り返してくれたことを知り、勇気を出してカズミと再会。三堂を殺そうとしている最中のカズミを説得しつつ、三堂にも立ち向かった。
二海二美香(にいみ ふみか) / フミカ
カズミの小学校時代のクラスメイト。本作の最初の犠牲者。
明るい性格の持ち主で、クラスの人気者になっていた。カズミの想い人でもあり、自身も満更ではなかったが、放課後の教室で三堂にカッターナイフで殺害されてしまう。
五条五樹(ごじょう いつき)
カズミの高校からの友人。
フミカ殺人事件以降、心に影を落とすようになったカズミの数少ない友人になっていた。高校では同じ美術部に所属。
三堂への復讐を決意したカズミのスマホからの、三堂のフェイクメールを読んでカズミの身に何か起こったことを察知、救出。カズミと三堂の深い因縁を知ったことから、カズミを支援する。
四谷四穂(よつや しほ)
シノの妹。優しい姉と異なり、所謂ギャルで勝気かつ攻撃的な性格。
姉が異常をきたした事情を知るカズミに接触。カズミが三堂の居所を突き止めたと知り、共に三堂のもとに向かう。「ぜひ記憶を取り戻したい」と懇願し二人を欺く三堂に、単身同行するも拉致監禁され、シノと同じく凌辱を受け映像を撮られてしまった上、自身にとってもっとも耐え難い苦痛を与えられ、三堂に精神的に支配されてしまう。その後、イツキと共にカズミを救出し、カズミと三堂の最後の戦いも見届けた。
保健室の先生
カズミの高校時代の保健室の女医。カズミのセフレの一人。
ある秘密を三堂に握られてしまったことから、高校時代から三堂の協力者にされてしまう。三堂の強い精神的呪縛に逆らえず「犬」と扱われ、事あるごとに利用される。そんな立場でカズミ達とも内通していたことを悟られ、三堂から拷問も受けた。
三堂三姫の母
三姫の実母。
三姫がフミカを殺害したことで迫害されるようになり、夫も姿を消してしまうが、三姫への愛は変わらず、独り待ち続け施設から帰ってきた三姫を受け入れる。かつてのフミカ殺害事件に対する世間の迫害から逃れるべく、亡き両親(三姫の祖父母)が残した家のある東北に三姫と共に引っ越し、幼稚園で働くも、迫害は止まらず、自分の代わりに三姫を幼稚園で働けるようにして、「元気でね」と見送った後、自宅で自殺する。
三姫は母親に関しては明確に罪悪感を抱いていた。自分のせいで母を苦しめたことを知った際には涙を流し、母の死が記憶喪失を起こすきっかけとなる。
四谷姉妹の母
四谷姉妹の母親。
明るい人柄で、シノとカズミとの交際にも寛容であった。シノが三堂の手で人生を狂わされて以降、シホと共にシノの介護をするうちに自身は心身ともにやつれていく。

書誌情報[編集]