大日本帝国憲法第3条 – Wikipedia
大日本帝国憲法第3条(だいにほん/だいにっぽん ていこくけんぽう だい3じょう)は、大日本帝国憲法第1章にある。この条文では「天皇の神聖不可侵」(天皇の尊厳や名誉を汚してはならないこと)を規定している。また天皇の尊厳や名誉を汚してはならない為に55条において「国政は国務大臣が輔弼し、その責任を負う」となっている。 法解釈としては、無答責の法理の根拠とされ、不敬や身体を害する行為が不敬罪として刑罰の対象になり、また、天皇はあらゆる非難から免れることを意味している[1](君主無答責)。 天皇ハ神聖ニシテ侵スヘカラス 現代風の表記[編集] 天皇は、神聖であって、侵してはならない。 帝国憲法は、その第1条において天皇の統治権を、第2条において皇位の継承をそれぞれ定めている。 第3条はそれを受けて、憲法に定められた統治大権[注釈 1]に基づいて天皇が日本を治める、という日本古来の国制のありかたが今後も永久に続く目的で定められた。具体的には、統治権の行使による結果責任が天皇に及ばないように、国務大臣等による輔弼の制度が設けられる根拠とされた。 帝国憲法の定めた国家のありようは、天皇が国民の協力を得て国家を統治する「君民共治」であり、その側面から解釈すると、本条は統治権に関わる立場としての国民(特に、国務大臣をはじめとする輔弼者)に対する憲法擁護義務であるといえる。 語彙について[編集] 「天皇」[編集] 本条の定められた「天皇」が指すものについて、学説上は以下の三通りに大別される。 皇位についている天皇本人(自然人としての天皇)を指すとする説(自然人説) 皇位そのものを指すとする説(皇位説) 皇位を継承してきた歴代天皇の血統(皇統)を指すとする説(神種説) 「神聖」[編集] ここでいう「神聖」とは、古来国民が歴代の天皇に対して、その人格を仰ぎ、精神的に尊崇してきたという歴史的事実を指し、歴史的な根拠に根差した、国家の軌範としての「神聖」観念を明示的に確認したものである。 帝国憲法の制定に枢密院議長として関わった伊藤博文は本条について以下のように解説している。
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