ヴィーグリーズ – Wikipedia

巨人と魔物の軍勢を迎え撃つ神々。

ヴィーグリーズ[1]ウィグリド[2]とも。古ノルド語: Vígríðr)は、北欧神話において、神々と巨人との最終決戦(ラグナロク)が行われる場所とされている[3]

『古エッダ』の『ヴァフスルーズニルの言葉』第17 – 18節において、その場所が100平方ラスタ[3](1ラスタは約12kmもしくは6.4 – 8km(4 – 5マイル)。研究者により異なる[4])だと語られている。

『スノッリのエッダ』第一部『ギュルヴィたぶらかし』第51章では、ラグナロクの日、ムスペルの子らが馬でヴィーグリーズに進むと語られる。前後が炎に包まれたスルトに従い、虹の橋ビフレストを砕いてムスペルの子らヴィーグリーズに到着する。遅れて、フェンリル、ヨルムンガンド、ロキと彼に従うヘルの軍勢、そしてフリュム以下霜の巨人が続々と到着する。神々は武装してヴィーグリーズへ向かい、巨人の軍勢と激突するとされる[5]

なお、『古エッダ』の『ファーヴニルの言葉』第14 – 15節においては、スルトとアース神が戦う場所はオースコープニル(古ノルド語: Óscópnir。「醜い物」「異形の物」の意[6]。)という島だとされている。そこへ行くにはビルレストという橋を渡る[7](「ビフレスト」も参照)。

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  1. ^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』にみられる表記。
  2. ^ 山室静『北欧の神話 神々と巨人のたたかい』(筑摩書房、ISBN 978-4-480-32908-0)にみられる表記。
  3. ^ a b 『エッダ 古代北欧歌謡集』46頁。
  4. ^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』50頁。
  5. ^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』275-276頁。
  6. ^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』143頁。
  7. ^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』139頁。

参考文献[編集]

  • V.G.ネッケル他編『エッダ 古代北欧歌謡集』谷口幸男訳、新潮社、1973年、ISBN 978-4-10-313701-6。

関連項目[編集]

  • ラグナロク