子宮脱 – Wikipedia
子宮脱 (しきゅうだつ、英: uterine prolapse) とは骨盤臓器脱の一形態で[1]、子宮が陰門外へと脱出した状態。 二足歩行のヒトにおいて、本来なら子宮は、靭帯や筋肉により骨盤中央に支持されている。ところが、加齢や妊娠・出産の繰り返しによりこの支えが緩んでくると、重力に従って子宮が膣の方へと垂れ下がり、体外への脱出が起こる。膀胱脱(膀胱瘤)や直腸脱(直腸瘤)を併発する場合もあり、尿道のねじれを伴って排尿困難をきたす可能性がある。 なお、下記の家畜の例のように、出産に際して、靴下を脱ぐような原理で子宮が裏返しに陥没・下垂・脱出した状態は、人間では「子宮内反症」と呼ばれる。 子宮下垂 体外へ脱出してはいないが、膣内で子宮の位置が下降してきているもの 部分子宮脱 子宮頸部など、子宮の一部が腟口からのぞいているもの 完全子宮脱 膣壁が反転し、子宮の全部が腟口から出てきて垂れ下がっているもの 好発条件と予防[編集] 子宮下垂・子宮脱は、出産回数の多い女性が高齢になってから起こしやすい。また、産後の早いうちから力仕事などをしているとなりやすい。出産直後の女性で一時的に子宮下垂・子宮脱の状態が見られる場合もあるが、腹部に無理な力をかけないよう注意して過ごしていれば、子宮が元の大きさへ縮小してくる頃には(子宮復古)、たいてい自然に解消されることが多い。子宮復古を促進し、将来の子宮脱を予防するためには、骨盤底筋などを鍛える産褥体操も有効である。 あまり知られていないことだが、良い性生活(パートナーとの性交渉または自慰による)を送っている女性は、そのために骨盤底筋を鍛えられるために、予防しやすいことが報告されている(Jaqueline Goncalves, 2013)。 治療[編集] 軽度の子宮下垂では、まずは予防時と同様、骨盤底筋を鍛えるケーゲル体操を指導し、症状の緩和や進行の防止を図る。さらに物理的な子宮位置の支持が必要な場合は、ペッサリーなどの器具で子宮口を下から支える処置をとる。それでは間に合わず、なおかつ今後の出産希望がある人では、子宮を温存したまま緩んだ靭帯や筋肉を補強するなどして、吊り上げ直す固定手術を行う。出産希望のない人では、子宮の一部切除や全摘によって脱出部分を除き、膀胱や直腸の位置も調整する手術方法も選択可能となる。老齢で性交を必要としない場合は、膣の閉鎖を施すこともある。2005年より竹山・島田らにより、子宮・膣を温存し再発率の少ないTVM手術(Tension-free
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