四畳半タイムマシンブルース – Wikipedia

四畳半タイムマシンブルース』(よじょうはんタイムマシンブルース)は、森見登美彦による日本の小説[1]。KADOKAWAより2020年7月29日に発売された[2]

同じく森見の小説である『四畳半神話大系』と、上田誠の戯曲『サマータイムマシン・ブルース』のコラボレーション作品である[3]

あらすじ[編集]

八月、灼熱の京都、左京区。おんぼろアパート「下鴨幽水荘」で唯一のエアコンが動かなくなった。悪友の小津が昨夜リモコンを水没させたためである。「私」がひそかに想いを寄せる後輩の明石さんと対策を協議しているところに、見知らぬ青年が現れた。

彼は25年後の未来からタイムマシンに乗ってやってきたという。そこで「私」は、彼のタイムマシンで昨日に戻り、壊れる前のリモコンを持ってくることを思いつく。ところが、タイムマシンに乗り込んだ小津たちが、リモコンを持ってくるだけにとどまらず勝手気ままに過去を改変しようとするに至り、「私」は世界消滅の危機を予感する。

登場人物[編集]

声の項はアニメ版の声優。

声 – 浅沼晋太郎[4]
京都のとある大学の三回生。おんぼろアパート「下鴨幽水荘」の209号室で無為に青春を送る。後輩の明石さんが気になっている[5]
本作では入学時に妄想鉄道サークル「京福電鉄研究会」に入会したという設定。前作の描写を既視感や夢という形で体験し、本作も無数の分岐の一つであるとも前作はそれらを基にした彼の創作ともとれる扱いになっている。
明石さん
声 – 坂本真綾[4]
「私」の一年後輩。映画サークル「みそぎ」に所属し、ひたすらポンコツ映画を量産している[5]
小津
声 – 吉野裕行[4]
「私」の同級生。他人の不幸をおかずに飯が喰える天の邪鬼で、全力で「私」の学生生活を駄目にしようとする[5]
樋口氏
声 – 中井和哉[4]
「下鴨幽水荘」のヌシ。明石さんや小津からは師匠と仰がれている[5]。田村くんによると25年後にも現在と変わらぬ姿で「下鴨幽水荘」に住んでいるという。「私」に空室となっていた209号室を勧めた。
羽貫さん
声 – 甲斐田裕子[4]
近所の医院に勤める歯科衛生士。樋口氏、城ヶ崎氏とは旧知の仲[5]
城ヶ崎氏
声 – 諏訪部順一[4]
映画サークル「みそぎ」のボス。尊大かつ無神経で、「私」からは敵意を抱かれる[5]
田村くん
タイムマシンで25年後の未来から来た青年。未来の「下鴨幽水荘」の209号室で暮らしているという[5]
前作同様「私」や樋口が入居するおんぼろアパートだが、『サマータイムマシン・ブルース』と合わせる形で209号室のみ以前の住人が設置したエアコンがある、立地は昔沼地で(名前もそれに由来するとされる)河童伝説が伝わる、大家がケチャという犬を飼っているという設定が追加されている。
明石さんが監督を務める「みそぎ」制作の映画。人をダメにする才能を持った大学生「銀河進」が幕末にタイムスリップして討幕派、佐幕派とも志士たちを堕落させ歴史改変を重ねた末宇宙が崩壊するというストーリー。「下鴨幽水荘」がロケ地となる。
「私」と小津が所属していたサークル。嵐電と運営会社の京福電気鉄道かつて所有していた叡電及び福井県内の京福電鉄線(現えちぜん鉄道)が元は京都と福井を結ぶ「鯖街道線」という路線であったとするホラ話を元にその「遺構」を探す活動をしている。小津の暗躍によって一時は3つの団体に分裂し、その後再結集したが「私」と小津は追い出された。
同作者の『夜は短し歩けよ乙女』にも登場する。

書誌情報[編集]

2021年8月12日アニメ化が決定し、ティザーPVがフジテレビ「ノイタミナ」枠の公式YouTubeチャンネルにて公開された[1][3]。2022年よりDisney+で見放題独占配信後、再編集を行った劇場作品版が公開予定[4][8]

スタッフ[編集]

外部リンク[編集]