アブラサッソ – Wikipedia

アブラサッソ』(Abraçaço)は、ブラジル人ミュージシャン、カエターノ・ヴェローゾが2012年に発表したスタジオ・アルバム。

『セー』(2006年)、『ジー・イ・ジー』(2009年)に続く、ペドロ・サー、ヒカルド・ヂアス・ゴメス、マルセロ・カラードによる「バンダ・セー」を従えた三部作の締めくくりに当たる[4]。アルバム・タイトルは、「抱擁」を意味するポルトガル語「abraço」を元にしたヴェローゾの造語である[2]

反響・評価[編集]

ポルトガルのアルバム・チャートでは2012年第52週より6週連続でトップ30入りし、最高15位を記録した[3]

『ローリング・ストーン・ブラジル』誌が選出した「2012年の最優秀ナショナル・ディスク」では1位となった[5]。また、2013年のラテン・グラミー賞では、本作が最優秀シンガーソングライター・アルバム賞を受賞し、収録曲「ウン・アブラサッソ(大きなハグを)」は最優秀レコード賞、最優秀楽曲賞、最優秀ブラジリアン・ソング賞にノミネートされた[6]

Thom Jurekはオールミュージックにおいて5点満点中4点を付け「ヴェローゾは昔の彼のトロピカリア的スタイルから、より新しく先鋭的なブラジルのインディー・ポップまで内包し、徹頭徹尾その曲がりくねった道を歩んでいる」「三部作の中で最も洗練され、艶やかで、魅惑的な作品」と評している[7]。また、Ryan LathanはPopMattersにおいて10点満点中8点を付け「限定的な楽器編成でありながら、『アブラサッソ』は決して、前2作を時に損なっていたモノクロ的な単調さには陥っていない」と評している[8]

特記なき楽曲はカエターノ・ヴェローゾ作。

  1. ボッサ・ノーヴァ・エ・フォーダ(ボサ・ノヴァはヤバい) – “A Bossa Nova É Foda” – 3:53
  2. ウン・アブラサッソ(大きなハグを) – “Um Abraçaço” – 3:49
  3. エストウ・トリスチ(悲しい) – “Estou Triste” – 5:12
  4. オ・インペーリオ・ダ・レイ(法の支配) – “O Império da Lei” – 4:06
  5. ケーロ・セール・ジュスト(公正でありたい) – “Quero Ser Justo” – 3:52
  6. ウン・コムニスタ(ある共産主義者) – “Um Comunista” – 8:32
  7. ファンキ・メローヂコ(メロディアスなファンク) – “Funk Melódico” – 4:38
  8. ヴィンコ(折り目) – “Vinco” – 5:39
  9. クアンド・オ・ガーロ・カントウ(雄鶏が鳴いた時) – “Quando o Galo Cantou” – 3:46
  10. パラベンス(おめでとう) – “Parabéns” (Caetano Veloso, Mauro Lima) – 3:06
  11. ガヤーナ(ガヤナ) – “Gayana” (Rogério Duarte) – 4:30

参加ミュージシャン[編集]

脚注・出典[編集]