世話やきキツネの仙狐さん – Wikipedia

世話やきキツネの仙狐さん』(せわやきキツネのせんこさん)は、リムコロによる日本の漫画。KADOKAWAのウェブコミック配信サイト『コミックNewtype』にて2017年10月6日より連載中[1]

あらすじ[編集]

ブラック企業に勤め、身も心も満身創痍なサラリーマン中野は、激務を終えたある日、自宅で料理を作る謎の少女に遭遇する。仙狐と名乗った少女は、自身が齡800歳の神使の狐であり、かつて中野の祖先と縁があったことから、常に疲れている中野を世話するためにやってきたことを告げる。自分を存分に甘やかそうと尽くす仙狐を信頼することにした中野は、仙狐と生活するなかで次第に癒しを見出すようになり、程なくして知り合った隣人の高円寺安子や、仙狐と同じ神使のシロとも関わるようになる。

登場キャラクター[編集]

声の項はテレビアニメ版の声優。

(なかの くろと)[2]
声 – 諏訪部順一[3]、松本沙羅(少年)
本作の主人公。いわゆるブラック企業に勤務する男性会社員。恒常的な激務によって心身共に限界まで疲弊しており、周囲が異変を感じるほどの負のオーラを発していることが多く、ネガティブな思考や言動が目立つ。しかし、疲労困憊でも他者からの頼みを断らず、逆に気遣うなど心優しい性格。隠れモフモフマニアであり、仙狐やシロのような美しい毛並みを見ると、普段の控えめな態度から一転して直に触れたいという欲求を前面に出す。
当初は前触れもなく現れた仙狐を訝しむが、自分の身を案じる仙狐に心を許し、共同生活を営むようになる。シロから「仙狐は祖先を重ねているだけで本当のお前を見ていないのでは」と問われた際は、きっかけがどうあれ仙狐との生活に幸せを感じており、仙狐もまた幸せだと思うと回答している。また、アニメでは家族は母親(声 – 愛河里花子)と祖母(声 – 桂玲子)が登場しており、岐阜県高山市に実家がある。
実は800年以上前の先祖が仙狐と関わりがあり、当時しばらく一緒に暮らしていた。
(せんこ)
声 – 和氣あず未[3]
本作のヒロイン。中野の下に遣わされた神使の狐。仲間内からの呼び名は「セン」。中野のことは一貫して「おぬし」と呼ぶ。見た目は狐の耳と尻尾が生えた幼女の姿をしているが、実年齢は800歳を数え、古風な口調で会話をする。料理[注 1]や洗濯などの家事スキルは一流で、耳かきやマッサージにも優れている。神使らしく仙力も備えており、劇中では浮遊能力や狐火を披露している。一方で、現代社会の仕組みや機械全般には疎いという弱点があり、時折実年齢らしい部分も見せる。
実は800年以上前、まだ子狐だった頃に中野の先祖と関わりがあり、中野のもとにやってきた理由もそれに関係している。仕事人間な中野を癒すことを第一とし、そのためなら尻尾や耳も我慢して触らせることが多い。
シロ
声 – 内田真礼[3]
仙狐と同じ神使の狐。純血の証である純白の尾を生やした少女の姿をしており、話し方も性格も子供っぽい。甘やかし上手な仙狐とは対照的に、仕えた人間に甘やかされることで幸福感を与えることを得意とする。仙力も強く、相手の思考を読み取ったり鳥居経由でワープすることが出来る。
仙狐が中野を満足に癒し切れていないと見て中野の元に現れるも、迂闊に仙術で中野の欲求を解放してしまったために「尻尾をモフりたい」という衝動に駆られて暴走した中野に強烈に迫られ、慌てて壁を抜けて隣の高円寺の部屋に逃げ込んだ。以降は仙狐と共に中野や高円寺と関わるようになる。
食べるのは好きだが調理や食材に関する知識は皆無。また仙狐に比べ、現代社会に溶け込みやすく、ゲームの腕前も、プレイ初日で(ブランクがあるとはいえ)経験者の中野を圧倒するほど。
第34話でアニメ『稲荷少女ヨーコちゃん』の主人公・ヨーコちゃん(声 – 釘宮理恵[4])を真似て変身して以降、「稲荷少女シロ」と名乗って悪霊退治をしており、第44話などでその活躍が描かれている。
(こうえんじ やすこ)
声 – 佐倉綾音[3]
中野の隣の部屋に住む女性。大学に通いながら「高円寺ジャスコ」名義で漫画家もしている。
ゲームに熱中し騒々しくなった仙狐と中野を注意しようとして面識をもつ。その際の両者の発言から仙狐のことを「アニメ『稲荷少女ヨーコちゃん』の主人公・ヨーコちゃんのコスプレをした中野の奥さん」と誤認し、以降はお隣さんとして接するようになる。シロの登場後は彼女と接することも多くなり、遊びに付き合ったり漫画のアシスタントをしてもらうなど良好な関係を築く。
シロのことは初対面時の状況[注 2]から人間ではないことに気付いていたが、そのことを口にするとシロが姿を消してしまうのではないかと思い、敢えて黙っていた。しかし、第27話でアクシデントで原稿を落としそうになった時、シロの鳥居によるワープで締め切りに間に合わせ、それを期に自身の気持ちを打ち明け、改めて友好な関係を築く。いつ仙狐の正体に気付いたのかは不明だが、第34話以降は仙狐のことも本物の狐と認識している。
見た目通りのオタクで仙狐にコスプレを頼んで撮影会をしたり、「人妻じゃなかったら襲っていた」と豪語するほどだが、かなりスタイルが良く、お洒落をすると中野も驚くほどの別人になる。また、料理は出来るが忙しく面倒くさがっていることから、自分から率先してやろうとは滅多に思わない。
(そら)
声 – 喜多村英梨[5]
仙狐とシロの上司的存在である神使の狐。小柄であるが、中野曰く威厳や貫禄はある。見た目は黒い毛並みと4本の尻尾が特徴のグラマーな女性の姿をしており、会話には京言葉が入る。
中野とは、シロが無断で自身の専用ビーチに皆を連れて来た際に邂逅する。その後、仙狐をからかいに中野の家を訪れ、中野を誘惑しているが、中野からは自分のグラマーな肉体ではなく尻尾のほうに興味を持たれたことに苦笑していた。
仙狐のことを常に観察しており、130巻以上に及ぶ「仙狐観察日誌」[注 3]を書いている。
ドン・タヌキ男
声 – 千葉繁
アニメ『稲荷少女ヨーコちゃん』に登場する、ヨーコちゃんの敵。
(みたか)
声 – 福島潤
中野の会社の同僚。毎回自身の仕事の手伝いを頻繁に中野に依頼し、負のオーラを発生させる原因を作っている。
(じょうし)
声 – 千葉繁
中野や三鷹の会社の上司。二人に厳しい態度を取っており、姿を見せることはほとんどない。
大狐
声 – 田中敦子

書誌情報[編集]

テレビアニメ[編集]

2019年4月から6月までAT-Xほかにて放送された[17]。本編終了後には、仙狐が視聴者に向かって語りかけてくるコーナー「スーパー仙狐さんタイム」も併せて放送された[18][注 4]

スタッフ[編集]

主題歌[編集]

「今宵mofumofu!!」[20]
仙狐(和氣あず未)とシロ(内田真礼)によるオープニングテーマ。作詞・作曲・編曲はAgasa.K。
「もっふもふ DE よいのじゃよ」[20]
仙狐(和氣あず未)によるエンディングテーマ。作詞・作曲・編曲は篠崎あやと。

各話リスト[編集]

放送局・配信元[編集]

BD / DVD[編集]

発売日[22] 収録話 規格品番
BD DVD
1 2019年7月24日 第1話 – 第4話 ZMXZ-13281 ZMBZ-13291
2 2019年8月23日 第5話 – 第8話 ZMXZ-13282 ZMBZ-13292
3 2019年9月25日 第9話 – 第12話 ZMXZ-13283 ZMBZ-13293

Webラジオ[編集]

Webラジオ『世話やきキツネの仙狐さん〜仙狐さんと中野くんのモフモフアワー〜』が、音泉にて2019年4月5日から7月12日まで隔週金曜日に配信[23]。パーソナリティは仙狐役の和氣あず未と中野役の諏訪部順一。

注釈[編集]

  1. ^ 得意なのは和食であり、洋食は作ったことはなく不得手だったが、それでも早く修得した。
  2. ^ 原作では壁を抜けて現れたシロに驚く様子しか描かれていないが、アニメではその時点では幻覚だと思い込み、後に仙狐がシロの件で詫びに来たことから幻覚ではなかったと認識する。
  3. ^ 作中で確認できる限りでは、第43話の時点で少なくとも第137巻まで書かれている。
  4. ^ 第5話はシロが乱入して「スーパーシロさまタイム」に、第11話は不在の仙狐に代わって夜空が現れ「スーパー夜空タイム」になる。第12話は放送されず、BD / DVD第3巻で初公開となる。

出典[編集]

外部リンク[編集]