入力機器 – Wikipedia

一般的な入力機器であるキーボード。ユーザーはコンピュータへ情報を伝送するためにキーを押す。

入力機器(にゅうりょくきき、英語: Input device)とは、コンピュータや情報機器などの情報処理システムへデータと制御信号を入力するために使われる周辺機器(ハードウェア機器の一部)である。入力機器の例としては、キーボードやマウス、イメージスキャナ、デジタルカメラ、ジョイスティックなどが挙げられる。

入力機器の多くは以下に従って分類できる:

  • 入力の形式(機械的なモーション、音声、映像など)
  • 入力が(キー押下のように)断続的であるか、連続的(例として、マウスの位置は断続的にデジタル化されるが十分高速であるため連続的だとみなせる)であるか
  • 必要な自由度の数(例として、伝統的なマウスの自由度は2であるが、CADアプリケーション用に設計されたナビゲータの自由度は3である)

空間座標の指定に使える入力機器であるポインティングデバイスは、さらに以下に従って分類できる:

  • 入力が直接的か間接的かどうか。直接的な入力の場合、入力座標空間は表示座標空間に一致するので、位置の指定は視覚的なフィードバックやポインタが表示される表示座標空間で行われる。直接的な入力の例としてはタッチパッドやライトペンが挙げられる。間接的な入力の例としてはマウスやトラックボールが挙げられる。
  • 座標情報が(タッチパネルなどのように)絶対的か(持ち上げて再配置することができるマウスのように)間接的か。

入力が直接的である場合は座標情報がほぼ絶対的になり、入力が間接的である場合は座標情報が絶対的か間接的かのどちらかになる[要説明]。例えば、組み込み画面を持たないデジタイズ用グラフィックスタブレットは入力が間接的で、絶対座標を感知して座標情報を絶対的にする入力モードで起動されることが多いが、タッチパッドのように座標情報を間接的にする入力モードをシミュレートする準備がされていることも多い。なおタッチパッドはスタイラスやパックを持ち上げて再配置することができる。

キーボード[編集]

キーボードはボタンの配列で象徴されるヒューマン・インタフェース・デバイスである。キーボードのボタンやキーは、コンピュータに対する文字入力や特定機能の呼び出しに使え、大半のユーザーにとって主要な文字入力インターフェース英語版として機能する。昔からキーボードはバネをベースとしたボタンを利用しているが、新しいキーボードには仮想キーボード、さらにはプロジェクションキーボード英語版を採用しているものもある。キーボードはタイプライターのようにスイッチのマトリックスから構成されるデバイスである。

キーボードの種類の例としては以下のようなものがある:

ポインティングデバイス[編集]

ポインティングデバイスは今日最も普通に使われている入力機器である。ポインティングデバイスは、ユーザーがコンピュータへ空間データの入力を行えるようにするヒューマンインタフェースである。マウスとタッチパッドにおける空間データの入力は通常、物理的表面を横切る動きを検出して達成される。3Dマウス、ジョイスティック、ポインティング・スティックといったアナログデバイスは、振れの角度を報告することで機能する。ポインティングデバイスの移動は、画面にあるポインタの移動に反映され、コンピュータのGUI操作をシンプルで直感的なものにする。

ポインティングデバイスの種類の例としては以下のようなものがある:

高い自由度の入力機器[編集]

デバイスの中には数多くの自由度を連続的に入力できるものもある。これらのデバイスはポインティングデバイスとして使えるが、通常は3Dアプリケーション実行中におけるカメラアングルの制御のように、空間における位置を示さずに使われる。この種のデバイスは、入力として6DoFの登録が必要となるCave automatic virtual environmentシステム (CAVEs) のような、仮想現実システム内でよく使われる。

複合機器[編集]

ボタンとジョイスティックなど、複数の入力機器を複合させて1つの物理デバイスに配置することができる。ゲーム用デバイスの多くはこのようなコントローラーを持つ。マウスは動きを追跡しクリックするボタンを提供するため技術的には複合機器であるが、一般的に複合機器は3つ以上の異なる入力形式を持つものとされる。

複合機器の種類の例としては以下のようなものがある:

映像入力機器[編集]

テレビの上にある、マイクロソフトのKinectセンサーは人間の動きを見て検知することで動作する。

映像入力機器は、外界からの画像や動画をコンピュータにデジタイズするために使われる。デジタイズされた画像や動画の情報は、ユーザーの要求に応じて様々なフォーマットで保存できる。

映像入力機器の種類の例としては以下のようなものがある:

医療用の映像入力機器の種類の例としては以下のようなものがある:

音声入力機器[編集]

音声入力機器は音声をキャプチャーするために使われる。発せられた音声をキャプチャーするために、音声出力機器を音声入力機器として使える場合もある。音声入力機器によって、ユーザーは命令の処理、記録、または実行のためにコンピュータへ音声符号を送ることができるようになる。マイクロフォンのようなデバイスによって、ユーザーは声を録音したり、ソフトウェアを操作するためにコンピュータへ話しかけることできるようになる。音声入力機器は音声認識ソフトウェアと合わせて録音以外に利用することもできる。

音声入力機器の種類の例としては以下のようなものがある:

パンチカードデバイス[編集]

パンチカード入出力英語版を参照すること。

紙テープデバイス[編集]

紙テープを参照すること。

関連項目[編集]

参考文献[編集]

. A review of human performance and preferences with different input devices to computer systems. In Proceedings of the Fourth Conference of the British Computer Society on People and computers IV, D. M. Jones and R. Winder (Eds.). Cambridge University Press, New York, NY, USA, 341-362. ISBN 0-521-36553-8