鍋島佳緒里 – Wikipedia

鍋島 佳緒里(なべしま かおり、1960年1月22日 – )は、日本の現代音楽の作曲家。

1960年東京生まれ。父は東京外国語大学ロシア語卒業後、スウェーデン資本企業勤務、母は武蔵野音楽大学音楽学部声楽科卒、全音楽譜出版社編集部勤務、という家庭に育つ。
留学経験はないが高校時代に、日本IBMが招聘したイギリス人英会話講師が自宅に数年間一緒に住んでいた語学環境を持つ[1]
3歳からピアノを始め、9歳から武蔵野音楽大学附属音楽教室にピアノ専攻で6期生として入室し、さらにソルフェージュ、合唱、打楽器、声楽も学ぶ。[2][3]
最終的には武蔵野音楽大学 音楽学部作曲科を卒業[4] 後、1996年にサントリーホールブルーローズにて個展演奏会「鍋島佳緒里の世界」で作曲家デビュー。
国内の作曲コンクール入賞後[5]、2000年よりベルギー現代音楽祭アルスムジカ[6] を中心とするヨーロッパの現代音楽祭取材生活を開始。世界的ユーフォニアム奏者外囿祥一郎がパリ国立高等音楽院にてマスタークラスで鍋島佳緒里に委嘱した作品「水守の唄」[7] を取り上げ、その翌年からその作品はパリ国立高等音楽院、リヨン国立高等音楽院、ブリュッセル王立音楽院、において卒業試験課題曲や卒業リサイタルに取り上げられるようになった。
2008年にはディズニーリゾート・オフィシャルホテルのヒルトン東京ベイ からの委嘱で創立20周年記念のシンフォニー「ティアラ・シンフォニー」を制作[8]
また校歌・社歌なども手がけ、1999年には東京外国語大学百周年記念歌となった「世界をめざす若人」などがある[9]。2016年よりスタートしたベルギー王立美術館公式解説員でもある美術史家、森耕治と共にアートとコラボレートしたピアノ即興ライブで新しい世界を開拓[10]。作曲を金光威和雄、永冨正之、野田暉行に師事。
学生時代からアカンパニストとして「二期会週間」など、数々のステージでピアノ伴奏を務めている。国際音楽祭等で英語と日本語での司会等も務める。

主な作品[編集]

協奏曲[編集]

  • スパークリング・ウェイブス Mar.& Orch.
  • 「リトルシネマ組曲」(楽譜・CD参照)  Euph.& Orch

オペラ[編集]

  • うたしばい「十三夜」

室内楽[編集]

  • エキゾティック・ダンス(楽譜・CD参照) Alto Sax.& Pf
  • スパークリング・タイム Soprano Sax. & Pf.
  • スプラッシュ・ダンス Sax. Quartet (ふくしまホースピア音楽祭委嘱作品)
  • ダズル・クロッシング Vl. V.C.& Pf.(第12回吹田音楽コンクール入賞作品)
  • 水守の歌  Euph. Solo(2004年日本管打楽器コンクール課題曲)[11]
  • 時の忘れ物 Cl. C.B. Pf. Perc.
  • ベクトル・ダンス  C.B. Pf.
  • アマランス(楽譜・CD参照)   Euph. Pf.
  • リトルシネマ  Euph. Pf.[12]
  • エアリエル・ダンシング  Perc. Ens.(埼玉打楽器合奏団 ザ・サークル’90委嘱作品)
  • ジャンクムード(楽譜・CD参照)  Tp. Pf.
  • ホライゾン・ワーカーズ Horizon Workers   C.B. Pf.
  • タイム・ポートレイト Fl. Solo
  • ホライゾン・ワーカーズ II Horizon Workers II  Cl. Bass Cl. V.C. C.B.
  • ベクトル・ダンス2  Vl. Pf.
  • 彼方より from the horizon Vla. Bass Fl. Hp.

ピアノ曲[編集]

  • ライジング・サン ’96
  • ジュビリア 1台4手
  • フラッシュ・ウェイズ – in memory of “Beatles-Let it be”
  • ラブ・ビートルズ 1台4手

歌曲[編集]

  • 猫よ  (詩:工藤直子「猫にあう」より)[13]
  • じゃあね (詩:谷川俊太郎)
  • 死と炎  (詩:谷川俊太郎「クレーの絵本」より)[14]
  • 昇天 (詩:藤井多恵子)
  • A Prayer of Thanksgiving  (詩:藤井多恵子)

合唱曲[編集]

  • 内なる樹木 (混声)

映像音楽[編集]

  • Eros and Psyque [15](カタルーニャ=日本/映像と音楽の饗宴[16](映像:ジェラール・ジル)
  • 「掌の小説」[17] から二つの話 (カタルーニャ=日本/映像と音楽の饗宴)(映像:イサキ・ラクエスタ[18]

Dos cuentos que caben en la palma de la mano from Yasunari Kawabata

芝居音楽[編集]

語り組曲[編集]

  • 人魚姫
  • 竹取物語
  • イザナキとイザナミ(古事記より)
  • 空蝉(源氏物語より)

子供の為のピアノ曲[編集]

  • 楽しいハイキング [19]
  • チャイニーコンドル45[20]
  • 希望の鐘[21]
  • おやすみまた明日[22]
  • 子ねこのハンティング(連弾)[23]
  • カバさんの恋(連弾)[24]
  • 夢見るカメレオン(連弾)[25]

など

児童合唱[編集]

  • 黄色いさざなみ[26]
  • 魔法使いの弟子[27]

など

アンコールピース[編集]

  • リトルシネマ Euph. Pf.版、 Mar. Pf.版
  • アー・ユー・ハッピー? Tp. Pf. 版 Mar.&Pf.
  • デイリー・ライフ Mar.&Pf.
  • アズーラ Mar.&Pf.
  • フロム・ザ・ハート Mar.&Pf.
  • レクイエム Mar.&Pf.

ほか

校歌[編集]

社歌・テーマソング[編集]

楽譜・CD[編集]

  • 『エキゾティック・ダンス/アルトサクソフォンとピアノの為の』全音楽譜出版社
  • エキゾティック・ダンス(TOCE-9695 須川展也「メイド・イン・ジャパン」)
  • アマランス (KOCD-2519 外囿祥一郎 「リアル・ユーフォニアム」)
  • 『アマランス ユーフォニアムとピアノのための』 佼成出版
  • リトルシネマ組曲(KOCD-4302 外囿祥一郎 「チャールダーシュ」)
  • Junk Mood (NAT09041 柛代修「 Trumpet Japonesque」)
  • 子供用ピアノ作品=カワイ出版
  • その他 iTunes, ストリーミング等。
  • アレンジ作品は音楽之友社、ドレミ楽譜出版社、ワーナー、他から録音、出版

趣味・生活[編集]

和服好きで知られている。

  1. ^ 日本IBMが招聘したイギリス人英会話講師が鍋島佳緒里の父の勤務する会社にも派遣された経緯から父親が自宅を提供した。
  2. ^ 武蔵野音楽大学附属音楽教室カリキュラム(現在ではエクセレントコース)
  3. ^ 小学校6年生の時には附属音楽教室では前例のない、高校3年生の受験クラスへと飛び級となり以後、ソルフェージュについては大学入学まで6年以上、高校三年生と一緒に選抜クラスで学ぶ
  4. ^ 武蔵野音楽大学には作曲科入学の前に声楽科で入学。その後作曲の道に進む事となり、一旦声楽科を中退し、その後同大学作曲科専攻で入学し直して卒業する、という経緯がある。
  5. ^ 第12回吹田音楽コンクール作曲部門第三位入賞(一位なし)
  6. ^ Ars Musica Festival
  7. ^ その後「水守の唄」は2004年第21回日本管打楽器コンクールの課題曲となる
  8. ^ ヒルトン東京ベイ ハッピーマジックルーム「みならい魔女ティアラと魔法の森」 現在も館内にて放送中
  9. ^ 東京外国語大学百周年記念事業
  10. ^ ベルギー王立美術館公式解説員 森耕治 の里帰り講演でのコラボレーション・ライブ
  11. ^ 2004年第21回日本管打楽器コンクール
  12. ^ リトルシネマは外囿祥一郎にプレゼントされた作品。気に入った外囿祥一郎がこの作品の前後に作品を委嘱して後にこれが『リトルシネマ組曲』となる。さらにリトルシネマ組曲はピアノ版とオーケストラ版が存在する。(外囿祥一郎『チャールダーシュ』KOCD-4302プログラムノートより)
  13. ^ 工藤直子『あ・い・た・く・て』大日本図書1995年 p.93
  14. ^ 谷川俊太郎、パウル・クレー『クレーの絵本 』講談社 1995年 p.35
  15. ^ ギリシャ神話『エロスとプシュケ』からのタイトル
  16. ^ 第59回サンセバスティアン国際映画祭コンペティションにてゴールデン・シェル賞(優秀作品賞)を受賞した映画監督イサキ・ラクエスタを中心にカタルーニャの4名のアーティストの作品を日本人作曲家とのコラボレートで紹介。至京都芸術センター
  17. ^ 川端康成『掌の小説』
  18. ^ イサキ・ラクエスタは第59回サンセバスチャン国際映画祭コンペティションにてゴールデン・シェル賞(優秀作品賞)を受賞した映画監督
  19. ^ 『こどもたちへメッセージ2001−2』カワイ出版
  20. ^ 『こどもたちへメッセージ2002-2』カワイ出版
  21. ^ 『こどもたちへメッセージ2002-3』カワイ出版
  22. ^ 『こどもたちへメッセージ2003-2』カワイ出版
  23. ^ 『演奏会用ピアノ曲集 カードマジック』カワイ出版
  24. ^ 『こどもたちへメッセージ2012-2』カワイ出版
  25. ^ こどもたちへメッセージ2015』カワイ出版
  26. ^ 『こどものコーラス展2005版』日本童謡協会編
  27. ^ 『こどものコーラス展2010版』日本童謡協会編
  28. ^ 東京外国語大学独立百周年記念行事として同窓生関係者から作品を募り、審査委員長はタケカワユキヒデ
  29. ^ 神奈川県全域タウンニュース

外部リンク[編集]