東京港フェリー埠頭 – Wikipedia

東京港フェリー埠頭(とうきょうこうフェリーふとう)は、東京港にあるフェリー埠頭の1つである。係留数334隻(港内14位)、総トン数378万0295(港内6位)、取扱貨物量777万8525トン(港内3位)[2]

東京港フェリー埠頭は10号地埠頭その2の南端に位置する埠頭である。10号地埠頭その2は有明と青海の間にある埋立地の島であり、有明と有明埠頭橋で繋がっている。東京港フェリー埠頭は「L字型」で902メートルの岸壁があり、南からVAA・VAB・VAC・VADと呼ばれる4つのバースが設けられている[2]。バースは東と南に2つずつ設置され、総トン数6000 – 1万3000トン級に対応している[3][注釈 1]。南バースには東寄りに東京港フェリー埠頭ターミナルビルが設けられており[4]、オーシャントランスの新門司港行きや琉球海運・近海郵船のRO-RO船が出航する。

1969年から1971年にかけて東京発着のフェリー航路計画が相次いで申請されるなかで、1970年8月にフェリー埠頭公社計画のプロジェクトチームが発足し、1971年に東京都から1000万円の出資を受け1972年1月に東京港フェリー埠頭公社(現・東京港埠頭)を設立[5]。同年4月に公共岸壁の10号埠頭を借用して3バースの暫定フェリー埠頭を設置し4バース完成までの1977年まで使用、また恒久埠頭として10号地その2地区の拡張を行うこととし1974年に第一期工事として5月1日に第3-4バースと南ターミナルビル・7月1日に第2バースと東ターミナルビルが完成、1977年4月に第二期工事の一環で第1バースが完成し、ターミナル2棟と4バースの体制で1982年時点では以下の配置で貨物航路を含め6社が乗り入れていた[5]

ターミナル バース 運航会社 航路
1 九州急行フェリー 苅田(貨物航路)
2 日本沿海フェリー 苫小牧
川崎近海汽船 苫小牧(貨物航路)
3 近海郵船 釧路
オーシャン東九フェリー 徳島・北九州
4 日本高速フェリー 那智勝浦・高知

その後1997年には2棟のターミナルを統合した現ターミナルビルが建設されたが[6][7]、北海道航路が房総半島を迂回する非効率性から撤退や大洗港への移転が行われたことや[8]、2001年にはブルーハイウェイラインの経営悪化による高知航路撤退もあり[9]、2007年の商船三井フェリー・川崎近海汽船の貨物航路廃止以降フェリーターミナルビルはオーシャン東九フェリーが唯一就航するのみとなっている。

マルエーフェリー(旅客営業終了後2015年より若洲埠頭に移転)

東京港フェリー埠頭は内国貿易専用で外航船は寄航しないが[2]、2012年に取り扱った貨物量は777万8525トンであり、東京港の総貨物量の約1割(9.4%)に及ぶ[2]。客船の多い竹芝埠頭と比べると、貨客船の多い埠頭である。

就航航路[編集]

  • 東京港 – 徳島港 – 新門司港
    • 1976年 – 2008年 オーシャン東九フェリー(1976年から1995年まで小倉港発着)
    • 2008年 – オーシャントランス
過去の航路
  • 東京港 – 那智勝浦港 – 高知港
  • 東京港 – 苫小牧港
    • 1972年 – 2001年 日本沿海フェリー/ブルーハイウェイライン(1997年から1999年まで大洗港に寄港、1999年より貨物フェリーのみ運航)
    • 1975年 – 2007年 川崎近海汽船(貨物航路)
    • 2001年 – 2007年 商船三井フェリー(貨物航路)
  • 東京港 – 釧路港
  • 東京港 – 松阪港
  • 東京港 – 小倉港
    • 1973年 – 1976年 東九フェリー
    • 1976年 – 1977年 オーシャン東九フェリー
  • 有明埠頭連絡線、有明2号線[10]

アクセス[編集]

対岸の「10号地埠頭その1」には東京国際展示場や有明客船ターミナル(海上バス)がある。

注釈[編集]

  1. ^ 計画では東の埠頭は総トン数2万3000級、南の埠頭は総トン数1万6000級に対応する

出典[編集]

外部リンク[編集]