名誉学生 – Wikipedia

名誉学生(めいよがくせい)とは、

名誉学生[編集]

中国の大学における名誉学生[編集]

世界各国では名誉学生制度を定め、正科生としての学籍を持たず、特別の資格で講義を履修する道を開く大学もある。著名な事例として、中国では、後に党総書記となった胡錦濤が1985年、中国共産党最年少書記として貴州に赴任した際、貴州大学に名誉学生として在籍するとともに、民生視察を積極的に行い、地方住民の生活事情を党に報告した姿が官僚色の薄い人物として好評を獲得。その後、1992年に政治局員を飛び越え、政治局常務委員の高位の職に昇進していったことが知られている[1]

放送大学における名誉学生[編集]

日本の放送大学では、2007年(平成19年)より教養学部のすべてのコースを修了し、かつ学習態度の良好だった学生を名誉学生として顕彰する制度を新設している。2013年(平成25年)までは5コースを構成していたが、同年、情報コース新設により、2012年(平成24年)度までに入学した者に限り、経過措置として5コースの名誉学生か情報コースを加えた6コースの名誉学生か選択することとされた[2][3]
なお、名誉学生を付与された学生が科目等履修生等として放送大学に再入学した場合、同大学から学費の減免等の制度があったが、2013年以降、入学料及び授業料減免の範囲を1学期あたり10単位までとするなど特典は廃止され[4]表彰状と副賞(盾)のみになっている。[5]放送大学は通信制の便宜性もあり、地方では定年退職後の生涯学習の一環として、名誉学生を目指す学習者も存在する[6]

イスラム教の神学校における名誉学生[編集]

また、イスラム教徒のための神学校でも名誉学生として認定する制度がある[7]

民間講座等における名誉学生[編集]

その他、民間企業等が運営している講座の受講者区分として名誉学生を設置する例も見られる。キリン株式会社の運営する「キリンビール大学」では、講座で一定の要件を満たし修了した者は名誉学生として認定している[8]

名誉卒業生[編集]

大学における名誉卒業生[編集]

大学では卒業生で特に顕著な活躍をした者に名誉卒業生の称号を授与することがある。2006年のトリノパラリンピックでノルディックスキー女子バイアスロン(12.5キロ)の視覚障害で金メダルを獲得した井口深雪は、翌2007年、母校の筑波技術大学から第1号となる名誉卒業生の称号を贈られ、学長の大沼直紀から名誉卒業記が授与されたのは主な例である[9]

中学校における名誉卒業生[編集]

中学校の事例では、シドニーオリンピック金メダリストの高橋尚子が2002年、母校の岐阜県岐阜市立藍川東中学校から名誉卒業生に選ばれ、同校第1号となる「名誉生章」を贈られている[10]

参考文献[編集]

報道資料[編集]

  • 『朝日新聞』2002年2月24日朝刊
  • 『朝日新聞』2013年9月6日夕刊
  • 『読売新聞』1992年10月20日東京朝刊
  • 『読売新聞』2007年4月7日東京朝刊茨城2版
  • 『読売新聞』2014年6月10日東京朝刊
  • 『毎日新聞』2014年10月13日地方版/福岡

インターネット資料[編集]

関連項目[編集]