テーマパーク – Wikipedia
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テーマパーク(英語: theme park)は、日本では、特定のテーマ(特定の国の文化や、物語、映画、時代)をベースに全体が演出された観光施設を指す。娯楽やレジャー、知的好奇心を触発する各種趣向などを盛り込み、遊園地[1]、動物園、水族館、博物館[2]、ホテル、商業施設などを併設することもある。なお、日本以外の国においてはテーマパークと遊園地は区別されていないことが多い。
従来の行楽地は、その地域の観光名所[3]にちなんだ内容に重点をおく場合もあったものの、多くにおいて定型の遊具や施設を設置するなどして、専ら行楽客がそれらで遊ぶという形態がとられており、そこには一貫性が無かった。テーマパークはそういった従来の「一貫性の無い行楽施設」との差別化を図るため、明確なテーマを掲げて遊具や施設、個々のみやげ物に至るまで、一貫性を持たせた行楽施設群である。その多くは複数の建物からなるなど、施設的にも大規模なものとなる傾向があるが、屋内型施設などに「ミニテーマパーク」などとして、所定のテーマに沿ったアトラクションを提供する施設も見られる。
奈良県奈良市にあった奈良ドリームランド(1961年開園)、愛知県犬山市にある博物館明治村(1965年開園)や京都市の東映太秦映画村(1975年開園)、高松市の四国村(1976年開園)が、日本のテーマパークの草分けとも言えるが、日本においてこの言葉が一般化し、ビジネスモデルとして知られるようになったのは、1983年千葉県浦安市に開業した東京ディズニーランド (TDL) で用いられるようになってからである[4]。
テーマパークの性格は多種多様である。総合テーマを決めた遊園地という性格の強いもの(代表例は東京ディズニーランド)から、娯楽という側面を加えながらも社会教育や研究を重視した野外博物館的な性格のもの(代表例は博物館明治村やリトルワールド)や職業体験ができるもの(キッザニア)まで、さまざまなテーマパークがある。
日本のテーマパーク[編集]
日本での勃興と失墜[編集]
バブル景気の頃から1990年代中頃にかけて、通称リゾート法といわれる総合保養地域整備法(1987年制定)にも後押しされて、全国各地に観光の目玉とするためテーマパークと銘打った様々な施設が計画、建設されたが、十分なリピーターを獲得するだけの魅力に乏しい施設も多く、平成不況の影響もあって来場者が激減し、各地で民事再生法や会社更生法などの適用が相次ぐこととなった。テーマパークの成功のためには、コンテンツの魅力と充実が求められる。特に、アメリカで一般的である余暇ハシゴ図式(=Travel-career needs(1992):Tourism:P261)などによる具体的検証が求められる。余暇ハシゴ図式は、アメリカで用いられるテーマパークのリピーター確保の基礎理論であり、こうした研究が充分されていないことは、観光系大学の課題でもある。第三セクター方式のテーマパークでは、全体の事業計画が定まらず、個々の関連施設は一定の事業利益を挙げるも全体の運営が立ち行かなくなったものも散見される。このような背景として、テーマパークの運営に関する基礎理論が学ばれておらず、適切に状況の分析や計画がなされずに損害が拡大したことも指摘される。
長崎の歴史とオランダの紹介という独自のテーマを掲げてテーマパークの先駆け的存在であった長崎オランダ村の閉鎖と再開の失敗による倒産は象徴的なものであるが、新潟ロシア村、柏崎トルコ文化村、富士ガリバー王国の3テーマパークの設立に参画し融資を行って破綻した新潟中央銀行や、第三セクター方式により設立した石炭の歴史村や夕張リゾートの開発や運営の失敗を伴って財政再建団体となった北海道夕張市などテーマパーク事業関係者には痛手を受けたものは少なくない。
日本においては、千葉県浦安市にある東京ディズニーリゾート(TDR)と大阪市此花区にあるユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)は来場者が落ち込まず、テーマパーク業界では運営的に一人勝ちの様相を呈している。その東京ディズニーリゾートも2004年度、2005年度は来場者数が2年連続前年度比で減少、2006年度は前年度比で来場者数が増加したものの、今後の状況を楽観視はできなくなっている。とりわけ世界金融危機を発端とする不景気の影響で地方のテーマパークの営業環境は一段と厳しくなっている。
歴史を遡ることでテーマパークの理解は大きく進むと思われる。17世紀頃英仏などで市民公園にメリーゴーランドのような遊機具が設置されて遊園地の歴史が始まり、その後1843年に開設されたデンマークのチボリ公園(独特の個性を帯びたノスタルジアや異国情緒などの雰囲気のなかで、多様な機械に加え食事、コンサート、軽ギャンブル等を楽しませる。その魅力は奇跡的に現在まで保持されている)、あるいは1950年開設のオランダのEftelingパーク(一人の国民的画家に委ねて造られたメルヘン情緒の横溢する傑作観賞アトラクションが中核)、さらに同じ頃にカリフォルニアの一家族が始めたナッツベリーファーム(イチゴ畑のわきで始めた食堂に付帯する形で開拓時代の本物の汽車や小さなホテルなどを移築再現)などに刺激を受けて、1955年ウォルト・ディズニーが白雪姫などアニメ制作で培った演出技法を駆使して建設したディズニーランドが本格的なテーマパークの始まりとされている。このヨーロッパの2カ所には実際にディズニーが足跡を残している。
テーマパークをあらためて定義づけるとすれば、従来のように(わが国では現在も)、機械、花、プール、小さな動物園などを適当にレイアウトしただけの遊園地では不可能な、非日常的な情感や感動を呼び起こして滞在時間と消費額を伸ばし、なによりリピートや口コミを喚起する思い出を持ち帰ってもらうために、全体または各エリアの環境、アトラクション、機械周辺、飲食物販施設またメニューや商品にいたるまで、演出ツールとして特定のテーマ(単一、複数、抽象、具象など)や雰囲気を設定した遊園地の進化形、とすることができよう。したがって、歴史文化自然などの在来の集客資源を備えた観光施設や屋内外博物館、あるいはラーメンやケーキなど単一業種だけを集積したうえある種の情緒を呼び起こす演出を施した商業施設、さらに体験ゲームの興味を強めるために仕掛けが張り巡ぐされた「都市型テーマパーク」等々までテーマパークの範疇とするのは、遊園地の進化形としての本来のテーマパークがわが国でも実現し進化していくという期待に照らして歓迎すべきこととは言えない。
ミニテーマパーク[編集]
テーマパークは複合行楽施設としての側面が強く、例えば東京ディズニーリゾートの東京ディズニーランド、東京ディズニーシーではアトラクションを含む遊具施設だけでなく、飲食店、みやげ物などの販売店も行楽施設内にあるほか、周辺地域にも宿泊施設、ショッピングモール、劇場施設があり、各施設間の移動手段の整備といった総合的なサービスを提供している。こういった統合型のサービスを提供するにはそれだけで大規模な土地が必要となり、大都市圏ではそれだけの土地を新規に確保するのは難しい。また一方このような大規模で総合的なテーマパークを運営していくためには膨大な数の行楽客を受け入れねばならず、初期投資も巨額に上るが、地方ではそれだけの土地を開発する負担に対応できるだけの財力が無い場合も少なくない。
こういった大型行楽施設とは別の方向性として、都市部の大型商業施設の1フロアやその一部を占有する形で、屋内型の「ミニテーマパーク」と呼ばれる施設も首都圏・大都市圏で2000年代より増加傾向が見られる。これら都市部のミニテーマパークは公共交通機関などによる交通の便が良く、また商業施設の利用者がついでに立ち寄る事もできるようアトラクション数や所要時間は少ない・短いなどの配慮が見られ、また屋内施設であることから全天候型施設としても人気を集める。
ミニテーマパークと呼ばれるものの中には、フードテーマパークやレトロテーマパークなどといったスタイルも多いが、「働く事を体験する」という職業体験型テーマパークキッザニアや、自動車のショールーム内にアトラクションを設けたMEGAWEBのように、既存行楽施設から完全にかけ離れた様式も登場している。施設規模も小さいことからテナントとしても扱い易く、大型商業施設新設の際に導入されて集客が図られたり、また既存施設でもシーズンごとにアトラクション内容を入れ替え、リピーター獲得が行われたりしている。
日本の主なテーマパーク一覧[編集]
北海道・東北[編集]
関東[編集]
中部[編集]
近畿[編集]
中国・四国[編集]
- NEWレオマワールド(香川県丸亀市)
九州・沖縄[編集]
かつて存在したテーマパーク[編集]
休園中のテーマパーク[編集]
世界のテーマパーク一覧
北米[編集]
欧州[編集]
アジア[編集]
アフリカ[編集]
オセアニア[編集]
テーマパーク集客人員[編集]
日本のテーマパーク集客人員(2016年度)[編集]
綜合ユニコム「全国の主要レジャー・集客施設 入場者数ランキング 2017」より。[6]
- 東京ディズニーランド・東京ディズニーシー 千葉県浦安市 30,004,000
- ユニバーサル・スタジオ・ジャパン 大阪府大阪市 14,600,000
- ハウステンボス 長崎 2,894,000
世界のテーマパーク集客順位[編集]
米TEA社による世界のテーマパークの集客人員[編集]
レジャー産業を調査している米TEA社が2019年5月22日に発表した、2018年の世界のテーマパークの集客数を記載する。[7]
- 1. マジック・キングダム フロリダ 米国 20,859,000
- 2. ディズニーランド アナハイム 米国 18,666,000
- 3. 東京ディズニーランド 千葉県・浦安市 日本 17,907,000
- 4. 東京ディズニーシー 千葉県・浦安市 日本 14,651,000
- 5. ユニバーサル・スタジオ・ジャパン 大阪府大阪市・此花区 日本 14,300,000
- 6. ディズニー・アニマル・キングダム フロリダ 米国 13,750,000
- 7. エプコット フロリダ 米国 12,444,000
- 8. 上海ディズニーランド 上海 中国 11,800,000
- 9. ディズニー・ハリウッド・スタジオ フロリダ 米国 11,258,000
- 10. 珠海長隆海洋王国 珠海市 中国 10,830,000
- 11. ユニバーサル・スタジオ・フロリダ フロリダ 米国 10,708,000
- 12. ディズニー・カリフォルニア・アドベンチャー アナハイム 米国 9,861,000
- 13. ディズニーランド・パリ パリ フランス 9,843,000
- 14. アイランズ・オブ・アドベンチャー フロリダ 米国 9,788,000
- 15. ユニバーサル・スタジオ・ハリウッド カリフォルニア 9,147,000
- 16. 香港ディズニーランド 香港 中国 6,700,000
- 17. ロッテワールド ソウル 韓国 5,960,000
- 18. ナガシマスパーランド 三重県桑名市 5,920,000
- 19. エバーランド 京畿道・龍仁市 韓国 5,850,000
- 20. 香港海洋公園 香港 中国 5,800,000
- 21. ヨーロッパ・パーク ルスト ドイツ 5,720,000
- 22. エフテリング 北ブラバント州 オランダ 5,400,000
- 23. ウォルト・ディズニー・スタジオ・パーク パリ フランス 5,298,000
- 24. チボリガーデンズ コペンハーゲン デンマーク 4,850,000
- 25. 長隆歓楽世界 広州市 中国 4,680,000
フォーブスが選んだ世界10大テーマパーク[編集]
米国誌フォーブスが選んだ「世界10大テーマパーク」(2006年6月1日)[8]
- :マジック・キングダム(アメリカ)
- :東京ディズニーランド(日本)
- :ディズニーランド パリ(フランス)
- :エバーランド(韓国)
- :ブラックプールプレジャービーチ(イギリス)
- :チボリガーデン(コペンハーゲン・デンマーク)
- :オーシャンパーク(香港)
- :ヨーロッパパーク(ドイツ)
- :パラマウントカナダズワンダーランド(カナダ)
- :ポートアベンチャー(スペイン)
出典・脚注[編集]
関連項目[編集]
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