空中庭園 (小説) – Wikipedia
『空中庭園』(くうちゅうていえん)は、角田光代による日本の連作短編小説。2002年11月28日に文藝春秋より刊行された。家族5人と家庭教師の6人それぞれの異なる視点から1つの家族を描いた、短編6編からなる連作家族小説。第3回(2003年)婦人公論文芸賞受賞作。
2005年に映画化された。
収録作品[編集]
- ラブリーホーム
- チョロQ
- 空中庭園
- キルト
- 鍵つきドア
- 光の、闇の
ストーリー[編集]
母親は「この家に隠し事はない」と常々言っている。しかし、彼女自身が隠し事を持っていた。それどころか、夫婦のなれそめ自体に彼女のたくらみがあった。しかし、彼女は「隠し事がない」理想の家庭を築きたいと願っていたのだ。それはなぜなのか。
性格にややちゃらんぽらんなところがあり、性懲りもなく浮気をしている父親は、数年前から妻に性交渉を拒否されている一方で、外に作った女に無邪気に甘えている。
そんな男を、愛人は冷ややかに見ている。結婚なんてまっぴらごめんだ。しかし、なぜか、女は男の家を覗いてみたくなる。
そして、弟の家庭教師になって、その家に入り込む。
登場人物それぞれが、家族について、自分の存在の根本部分について、はっきりとは意識しかねるけれど、不安を感じている。
彼らが愛し、憎み、無関心ではいられない家族とは何だろう。空中庭園のごとき、不安で、だけれども、清潔で美しい佇まいの家族の肖像を描く。
登場人物[編集]
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作品の評価[編集]
2003年、第3回婦人公論文芸賞を受賞。第128回直木三十五賞候補となり、選考会で最も多くの票を集めたが、賛成派と反対派が互いに譲らず、選考はこう着状態に陥り、受賞作なしという結果に終わった[1]。
累計発行部数は2012年11月時点で34万部[2]。
書籍情報[編集]
2005年、豊田利晃監督により映画化。主演は『風花』以来4年ぶりの主演映画復帰となる小泉今日子[4]。
劇場公開を控えた2005年8月の豊田監督の逮捕に伴い公開が危ぶまれたが、上映を望む声が多数寄せられたことから、賛否両論がある中で公式サイトや各種媒体にて謝罪の言葉を告知した上で公開規模を縮小して劇場公開に至った[5]。
出演[編集]
スタッフ[編集]
- ^ 川口則弘『直木賞物語』バジリコ、2014年、420 – 424頁。ISBN 978-4-86238-206-1。
- ^ “『空中庭園』角田光代著 家族の絆のかたちを問う”. YOMIURI ONLINE. (2012年11月7日) 2013年10月23日閲覧。
- ^ “『空中庭園』(角田光代・著)|文春文庫|書籍情報|文藝春秋”. 文藝春秋. 2013年10月23日閲覧。
- ^ FLiXムービーサイト. “『空中庭園』小泉今日子 単独インタビュー”. シネマトゥデイ. 2013年10月23日閲覧。
- ^ “賛否両論!? 小泉今日子の新作映画、監督は逮捕だが公開”. シネマトゥデイ. (2005年8月29日) 2019年2月17日閲覧。
外部リンク[編集]
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