首長 – Wikipedia

首長(しゅちょう、くびちょう)は、行政機関における独任制の長を意味する用語で、広い意味では一般に集団・組織を統率する長を意味する[1]

しゅちょう」では、「市長」「主張」「首相」などと紛らわしいので、行政実務では慣習的に湯桶読みにして「くびちょう」と読むことが多い[2][3][4]。ただし、アラブ首長国連邦については、「しゅちょう」と読む。

主な用法[編集]

以下の様々な用法がある。

  • 合議制に対立する独任制の長。日本では以下が該当する。
  • イスラム世界の君主の称号のひとつアミール(amīr)の日本語訳。かつて「土侯」と訳されていたが、日本人が“文明”の一員である自らと対比して、彼らを「野蛮人の長」という侮蔑の意味を込めて呼ぶことが多かったため、現在ではこれを避けて、価値判断を含まない名称である「首長」を訳語に用いる。
  • アメリカ先住民(インディアンやエスキモー)、ポリネシア系の諸民族など、「原始的な未成熟な社会」においての、小規模な部族集団の指導者の称号・地位を表するのに用いる言葉。かつては「酋長」と呼ぶのが一般的だったが、これも「土侯」と同様に侮蔑の意味を込めて呼ぶことが多かったため(そもそも、「原始的な未熟な社会」という認識そのものが差別である)、現在ではこれを避けて「首長」と呼ぶことが多い。ただし、合議制社会であるインディアンの「調停者」である「酋長」を、他の用例と同様に「首長」と呼ぶのは誤った用法であり、インディアンの「酋長」は「首長」ではないとする主張もある[5][6]。エスキモーについても同様である。
  • 仏教やキリスト教における独立した教会組織の代表者。たとえば、イングランド国教会におけるイギリス(イングランド)国王の地位は、いわゆる「国王至上法(首長令)」に基づき「首長」と表現される。

日本の地方公共団体の長[編集]

この節では日本の普通地方公共団体の長について説明し、地方自治法は条数のみ記載する。

  • 種類:市町村長、都道府県知事
  • 任期は、4年である。
  • 担任事務(149条
    1. 普通地方公共団体の議会の議決を経べき事件につきその議案を提出すること。
    2. 予算を調製し、及びこれを執行すること。
    3. 地方税を賦課徴収し、分担金、使用料、加入金又は手数料を徴収し、及び過料を科すること。
    4. 決算を普通地方公共団体の議会の認定に付すること。
    5. 会計を監督すること。
    6. 財産を取得し、管理し、及び処分すること。
    7. 公の施設を設置し、管理し、及び廃止すること。
    8. 証書及び公文書類を保管すること。
    9. 前各号に定めるものを除く外、当該普通地方公共団体の事務を執行すること。
  • 地方議会との関係
  1. ^ しゅ‐ちょう〔‐チヤウ〕【首長】デジタル大辞泉
  2. ^ 首長の一声 pppまちづくりかるた、新・公民連携最前線、2019-01-18、日経BP、「本来は「しゅちょう」と読むが、慣習的に「くびちょう」と読まれることが多い。」
  3. ^ 「首長」と書いて「くびちょう」と読むことはありますか? テレビでそう発音している人を見かけたのですが……。 漢字Q&A、漢字文化資料館、大修館
  4. ^ 行政組織の長である「首長」のヨミについて。シュチョウ、クビチョウ、どちらが正しいのか知りたい。 レファレンス事例詳細、レファレンス協同データベース、2012年9月14日
  5. ^ 『CRAZYHORSE』(Larry McMurtry、1999年、Penguin LIVES)
  6. ^ 『Lies Across America: What Our Historic Sites Get Wrong』(James W. Loewen Touchstone; Reprint edition 2000年)

関連項目[編集]