ラピテース – Wikipedia

ラピテース(古希: Λαπίθης, Lapithēs)、あるいはラピトス(古希: Λάπιθος, Lapithos)は、ギリシア神話の人物である。長母音を省略してラピテスとも表記される。主にラピテース族の名祖のほか、数人が知られている。

ラピテース族の名祖[編集]

このラピテースは、テッサリアーの河神ペーネイオスの娘スティルベーとアポローンの子で、ケンタウロスと兄弟[1]。一説にはアイネウスという兄弟もいた[2][3]。エウリュノモスの娘オルシノメーとの間にポルバース、ペリパースを[4]、また一説に母スティルベーとの間にトリオパースをもうけた[5]

ラピテース族はラピテースに由来し、ラピテースはペーネイオス河流域を支配し、2人の子ポルバース、ペリパースもラピテースの後を継いだ。しかしポルバースは後にエーリス地方に去り[4]、一説によるとポルバースにアウゲイアースとアクトールが生まれた。一方、ペリパースにはアンティオーンという子供があり、アンティオーンからイクシーオーンが生まれたという[6]

ポルバースがラピテースの子であることはパウサニアースも述べている[7]。またアンティオーンがイクシーオーンの父であることはアイスキュロスが現存しない悲劇『イクシーオーン』の中で述べたといわれている[8][9]

系譜[編集]

その他のラピテース[編集]

  1. ^ シケリアのディオドロス、4巻96・1。
  2. ^ 『ギリシア・ローマ神話辞典』p.108b。
  3. ^ 『ギリシア・ローマ神話辞典』p.137a。
  4. ^ a b シケリアのディオドロス、4巻96・2。
  5. ^ シケリアのディオドロス、5巻61・3。
  6. ^ シケリアのディオドロス、4巻96・3。
  7. ^ パウサニアス、5巻1・11。
  8. ^ ピンダロス『ピュティア祝勝歌』第2歌40への古註b(『ギリシア悲劇全集10 アイスキュロス断片』p.118)。
  9. ^ ロドスのアポローニオス、3巻62への古註(『ギリシア悲劇全集10 アイスキュロス断片』p.118)。
  10. ^ シケリアのディオドロス、5巻81・6。
  11. ^ アポロドーロス、3巻10・3。
  12. ^ パウサニアス、3巻20・7。

参考文献[編集]