バゲット – Wikipedia

バゲットを輪切りにして直径を示す。
日本のパン屋では、バゲット(真ん中の2本)に加えてバタール(一番左の1本)を売っている場合が多い。

バゲット(フランス語: Baguette)は、別名バゲット・ド・パリパリジェンヌ(ロレーヌ地方で)、フランスパン(ベルギーおよびケベック州で)などとも呼ばれ、各地にさまざまな種類があるが、その細長い形状が共通の特徴のフランスパンで、フランスを代表するパンである[1][2]

バゲットは、大きさが直径5 – 6センチメートル、長さは普通65センチメートルであるが、1メートルに達するものもある。

この形のパンはフランスを象徴しているが、バゲットはアフリカのモロッコ、アルジェリア、チュニジアなどのほか、アジアのベトナム、カンボジアなど、さまざまな国で作られている。これは、これらの地域が過去にフランス植民地帝国支配下にあったことにより、フランスから流行したと言われている。

2018年9月、フランスのパン屋とペイストリー製造の全国連合は、バゲットがユネスコの無形文化遺産に含まれることを望んでいると表明し、そのための申請は現在進行中である[3]。フランス国内では、「手工芸技術とバゲットの文化」については、2018年11月23日以降はフランスの無形文化遺産の目録に含まれている。

デュ・リーヴル[編集]

デュ・リーヴル(Deux livres)は重量「2リーブル」の意味で、通常のバゲットより倍の大きさである。バタール(Bâtard=「中間の」の意味)は、通常のバゲットとデュ・リーヴルの中間の大きさになる。[4]

バタール[編集]

バタール (Bâtard=「中間の」の意味)はバゲットと同じ方法で作られるが、大きさがバゲットとパリジャンの中間に位置し、少し太く、日本でよく使われる言葉である[5]。もともとは、バゲットとデュ・リーヴル(Deux livres、2ポンドの大きく重いパン[6])の間にあるので、そう名付けられた[7]

フリュート[編集]

フリュートFlûte)は管楽器のフルートの意味で、この楽器のように細長いフランスパンで、製法と重量はバゲットと基本的に同じであるが、通常のバゲットよりずっと細長いので、クラストのパリパリ感が大きくて、クラムが少ない[8]。地域に依り、より細い紐状のフィセルと同じに扱われている。

エピ(Épi)はフランス語で「麦の穂」の意味で[9]、製法はバゲットと基本的に同じだが、細長く作った生地を成形する時にはさみでギリギリまで切れ込みを入れて、それを左右に交互に開く[10]。日本では、フランスの何も入れないものと違い、チーズやベーコンを挟んだものが多い。[11]

関連項目[編集]