奥多摩町 – Wikipedia

奥多摩町(おくたままち)は、東京都の多摩地域北西部に位置し、西多摩郡に属する町。
多摩地域に3つある町のひとつ。面積は東京都の市区町村の中で最も広い。青梅市への通勤率は16.4%(平成22年国勢調査)。

多摩川を堰き止めた小河内ダムによって造られた人造湖・奥多摩湖(小河内貯水池)を擁し、その下流域に集落が広がる。町域の面積は225.53km2で、東京都に属する自治体では最大の面積を有する市町村である。またこの町の大部分は山林であり、東京都で一番山が急峻。また、観光客のほとんどは登山が目的。町は森林セラピー基地に認定されている。

年間平均気温は約11℃~12℃。内陸に位置しており標高も高く、中央高地式気候である。同じ東京都内でも都心とは大きく気候が異なる。特に冬の寒さは厳しく、-5℃を下回る日も多い。冬の最低気温は東京都心とは10℃以上の開きがあることもあり、時には-10℃以下まで冷え込むこともある。冬はほぼ毎日冬日であり、仙台市や酒田市などの東北地方沿岸部よりも冷え込みは厳しい。都内では降雪量・積雪量が最も多い自治体で、町の平野部でも50cm程度の積雪がある。場所によっては1m以上の積雪もあり、大雪によって孤立集落がでることもある。平成26年豪雪では多くの孤立集落が発生し、警視庁・自衛隊の協力で復旧した。また路面凍結が起こりやすく、真冬日も珍しくない。標高が高いため夏は都心と比べると涼しく、8月でも最高気温が30℃を下回る日が多い。

小河内(1981年 – 2010年)の気候
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高気温記録 °C°F 17.8
(64)
20.9
(69.6)
22.5
(72.5)
30.6
(87.1)
33.0
(91.4)
34.3
(93.7)
35.8
(96.4)
36.4
(97.5)
35.0
(95)
29.1
(84.4)
23.8
(74.8)
22.1
(71.8)
36.4
(97.5)
平均最高気温 °C°F 6.7
(44.1)
7.1
(44.8)
10.3
(50.5)
16.3
(61.3)
20.5
(68.9)
23.0
(73.4)
26.8
(80.2)
28.2
(82.8)
23.9
(75)
18.4
(65.1)
13.8
(56.8)
9.3
(48.7)
17.1
(62.8)
日平均気温 °C°F 1.3
(34.3)
1.8
(35.2)
5.0
(41)
10.6
(51.1)
15.1
(59.2)
18.5
(65.3)
22.0
(71.6)
23.2
(73.8)
19.5
(67.1)
13.8
(56.8)
8.5
(47.3)
3.8
(38.8)
11.9
(53.4)
平均最低気温 °C°F −2.7
(27.1)
−2.3
(27.9)
0.6
(33.1)
5.6
(42.1)
10.5
(50.9)
14.8
(58.6)
18.7
(65.7)
19.7
(67.5)
16.3
(61.3)
10.3
(50.5)
4.6
(40.3)
−0.1
(31.8)
8.19
(46.74)
最低気温記録 °C°F −9.3
(15.3)
−11.6
(11.1)
−8.1
(17.4)
−3.8
(25.2)
0.7
(33.3)
8.8
(47.8)
12.4
(54.3)
14.2
(57.6)
6.2
(43.2)
1.0
(33.8)
−2.1
(28.2)
−6.2
(20.8)
−11.6
(11.1)
降水量 mm (inch) 44.1
(1.736)
50.0
(1.969)
92.5
(3.642)
109.6
(4.315)
120.3
(4.736)
155.7
(6.13)
195.4
(7.693)
280.6
(11.047)
271.3
(10.681)
172.4
(6.787)
76.7
(3.02)
39.9
(1.571)
1,623.5
(63.917)
平均降水日数 (≥1.0 mm) 4.8 5.9 10.6 10.2 11.2 13.8 15.4 12.5 13.9 10.6 6.9 4.0 119.8
平均月間日照時間 147.1 127.7 132.2 161.8 154.9 109.8 127.6 148.3 99.1 94.5 122.1 145.6 1,570.7
出典1:気象庁
出典2:観測史上1〜10位の値(年間を通じての値)

隣接している自治体[ソースを編集]

  • あきる野市とは約300メートル接しているが、山岳地帯にあるため、道路では接していない。なお、この境目は御岳山と大岳山を結ぶ尾根道で、境界線上にある峠は芥場峠と呼ばれ、御岳山と大岳山のハイキングコースの要所である。
  • 上野原市とは三頭山頂付近で接するのみである。
  • 秩父市、飯能市と直接結ぶ車道は無い。登山道のみ通じている。

行政区域変遷[ソースを編集]

奥多摩町町域の変遷(年表)
月日 現奥多摩町町域に関連する行政区域変遷
1889年(明治22年) 4月1日 町村制施行により、以下の村が発足[1][2]

  • 氷川村 ← 氷川村・海沢村・境村・日原村
  • 古里村 ← 大丹波村・川井村・梅沢村・丹三郎村・小丹波村・棚沢村・白丸村
  • 小河内村 ← 留浦村・川野村・河内村・原村
1893年(明治26年) 4月1日 西多摩郡は南多摩郡・北多摩郡とともに東京府へ編入。
1940年(昭和15年) 2月11日 氷川村は町制施行し氷川町になる。
1943年(昭和18年) 7月1日 都制施行により、東京府、東京市が合併し東京都が発足。
1955年(昭和30年) 4月1日 五日市町・増戸村・小宮村・戸倉村とともに合併し、五日市町が発足。
1955年(昭和30年) 4月1日 氷川町・古里村・小河内村が合併し奥多摩町が発足。
奥多摩町町域の変遷表
1868年
以前
明治元年 – 明治22年 明治22年
4月1日
明治22年 – 昭和19年 昭和20年 – 昭和64年 平成元年 – 現在 現在
氷川村 氷川村 昭和15年2月1日
町制
昭和30年4月1日
奥多摩町
奥多摩町 奥多摩町
海沢村
境村
日原村
大丹波村 古里村 古里村
川井村
竜寿寺村 明治8年
梅沢村
丹三郎村
小丹波村
棚沢村
白丸村
留浦村 小河内村 小河内村
川野村
河内村
原村
旧氷川町
  • 海沢(うなざわ)
  • 境(さかい)
  • 日原(にっぱら)
  • 氷川(ひかわ)
旧古里村
  • 梅沢(うめざわ)
  • 大丹波(おおたば)
  • 川井(かわい)
  • 小丹波(こたば)
  • 白丸(しろまる)
  • 棚沢(たなさわ)
  • 丹三郎(たんざぶろう)
旧小河内村
  • 川野(かわの)
  • 河内(こうち)
  • 留浦(とずら)
  • 原(はら)

人口は島嶼部を除いた東京都の自治体の中で、隣接する檜原村に次いで2番目に少ない。なお、島嶼部を含めた場合でも大島町、八丈町よりも少ない。

Population distribution of Okutama, Tokyo, Japan.svg
奥多摩町と全国の年齢別人口分布(2005年) 奥多摩町の年齢・男女別人口分布(2005年)

紫色 ― 奥多摩町
緑色 ― 日本全国

青色 ― 男性
赤色 ― 女性

奥多摩町(に相当する地域)の人口の推移
総務省統計局 国勢調査より

町長[ソースを編集]

  • 師岡伸公(もろおかのぶまさ、2020年5月24日就任、1期目)

町役場[ソースを編集]

  • 市町村職員数 : 129人(2008年4月1日)
  • 当初予算規模 : 59.40億円(一般会計)(2013年度)

離島を除く東京都では、檜原村と共に過疎地域に指定されている。若年者向けの定住住宅の建設による人口減の防止、高齢者への医療福祉対策が行政の課題となっている。

奥多摩町議会[ソースを編集]

  • 定数:12人
  • 任期:2021年12月1日 – 2023年11月30日[3]
  • 議 長:高橋邦男(2021年11月29日就任)
  • 副議長:小峰陽一(2021年11月29日就任)
会派名 議席数 議員名
清新会 原島幸次(3期)、小峰陽一(2期)、澤本幹男(2期)、木村 圭(2期)
山なみ会  2 高橋邦男(3期)、小山辰美(1期)
公明党 1 宮野 亨(3期)
都民ファーストの会 1 石田芳英(3期)
日本共産党 1 大澤由香里(2期)
ガジュマルの会 1 相田恵美子(1期)
宇宙会  1 森田紀子(1期)
どんぐり  1 伊藤英人(1期)

東京都議会[ソースを編集]

2021年東京都議会議員選挙
2017年東京都議会議員選挙
  • 選挙区:西多摩選挙区
  • 定数:2人
  • 投票日:2017年7月2日
  • 当日有権者数:209,019人
  • 投票率:47.21%
候補者名 当落 年齢 党派名 新旧別 得票数
清水康子 50 都民ファーストの会 33,526票
田村利光 50 自由民主党 27,771票
島田幸成 49 無所属 23,468票
西村雅人 50 日本共産党 12,469票

衆議院[ソースを編集]

警察[ソースを編集]

警視庁

  • 青梅警察署
    • 奥多摩交番(氷川)
    • 栃久保駐在所(氷川)
    • 海沢駐在所(海沢)
    • 日原駐在所(日原)
    • 川野駐在所(留浦)
    • 境駐在所(境)
    • 川井駐在所(川井)
    • 古里駐在所(小丹波)
    • 鳩の巣駐在所(棚澤)
    • 原駐在所(原)
    • 小河内駐在所(原)
      • ドラマや小説でよく奥多摩警察署(奥多摩署)が登場するが、町内に警察署は存在しない。

消防[ソースを編集]

東京消防庁

産業[ソースを編集]

海外[ソースを編集]

人口は5,270人、世帯数は2,669世帯(2017年1月1日、推計)

健康[ソースを編集]

教育[ソースを編集]

保育所(保育園)[ソースを編集]

  • 私立保育所(保育園)
    • 氷川保育園(氷川1416)
    • 古里保育園(小丹波528)

鉄道路線[ソースを編集]

バス[ソースを編集]

西東京バスが、奥多摩駅から奥多摩湖・丹波山村・小菅村・鍾乳洞・清東橋方面へ運行している。路線の詳細は西東京バス氷川車庫を参照。

タクシー[ソースを編集]

奥多摩駅前にタクシー乗り場がある。

長らく京王自動車が大型車2台を配備していたが、採算性悪化により2012年3月31日に町内の氷川営業所を廃止し、同社は町内より撤退した。
その後、リーガルマインドが昼間のみ駅前に1台配車しているが、夜間は台数に余裕がないため、町内のタクシーがゼロとなる。
このため同社は関東陸運局に増車を申請したが需要が見込めないとして却下され、国に対して本処分の取り消しを求める訴訟を起こしたが一審で棄却されている。

2016年の時点では、30分前に配車の手配を行えば、タクシーが来る状況となっている
[4][5]

道路[ソースを編集]

現在、国道411号のバイパスの役割を持たせた多摩川南岸道路構想が推進され、一部で供用されている。この道路が完成すると、狭くカーブも多い国道411号現道を通らず、吉野街道から奥多摩町市街地を経由せず奥多摩湖や小菅村、丹波山村方面に向かうことができるようになる。

名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事[ソースを編集]

(2007年から 奥多摩ふれあいカヌーフェスティバル に名称変更)。

奥多摩駅のホーム反対側に、ホームのように細長い形の町役場があり、その奥に役場の駐車場がある。休業日は観光客に無料で開放されるが、台数が限られているため、写真のような長い行列ができる。