燃焼熱 – Wikipedia

燃焼熱(ねんしょうねつ)とは、ある単位量の物質が完全燃焼した時に発生する熱量である。普通、物質1モルあるいは1グラム当たりの値が用いられ、単位はそれぞれ「J mol−1」「J g−1」で表される。

標準燃焼熱[編集]

標準状態 (298.15K, 105Pa)の理想系において、物質1molが完全燃焼したとき発生する熱量を標準燃焼熱と呼び、そのエンタルピー変化ΔcHºで表される。

炭素、水素、酸素および窒素からなる分子式CaHbOcNdで表される化合物の燃焼熱については、その燃焼生成物を二酸化炭素、水および窒素とし以下の反応式で表される。

CaHbOcNd+4a+b−2c4O2(g)⟶aCO2(g)+b2H2O(l)+d2N2(g){displaystyle {rm {C_{a}H_{b}O_{c}N_{d}+{frac {4a+b-2c}{4}}O_{2}(g)longrightarrow aCO_{2}(g)+{frac {b}{2}}H_{2}O(l)+{frac {d}{2}}N_{2}(g)}}}

また、この標準燃焼エンタルピー変化ΔcHºは二酸化炭素の標準生成エンタルピー変化ΔfHºCO2、水の標準生成エンタルピー変化ΔfHºH2Oおよび化合物CaHbOcNdの標準生成エンタルピー変化ΔfHºCaHbOcNdとの間に以下の関係がある。

ΔcH∘=aΔfHCO2∘+b2ΔfHH2O∘−ΔfHCaHbOcNd∘=a×(−393.51kJmol−1)+b2×(−285.83kJmol−1)−ΔfHCaHbOcNd∘{displaystyle {begin{aligned}Delta _{rm {c}}H^{circ }&=aDelta _{rm {f}}H_{rm {CO_{2}}}^{circ }+{frac {b}{2}}Delta _{rm {f}}H_{rm {H_{2}O}}^{circ }-Delta _{rm {f}}H_{rm {C_{a}H_{b}O_{c}N_{d}}}^{circ }\&=atimes (-393.51{rm {{kJmol}^{-1})+{frac {b}{2}}times (-285.83{rm {{kJmol}^{-1})-Delta _{f}{mathit {H}}_{rm {C_{a}H_{b}O_{c}N_{d}}}^{circ }}}}}\end{aligned}}}

たとえばメタンの標準生成熱は74.81 kJ mol−1、標準燃焼熱は890.36 kJ mol−1であり、標準燃焼エンタルピー変化は以下のように表される。

CH4(g)+2O2(g)⟶CO2(g)+2H2O(l){displaystyle {rm {CH_{4}(g)+2O_{2}(g)longrightarrow CO_{2}(g)+2H_{2}O(l)}}}

ΔcH∘=−890.36kJmol−1{displaystyle Delta _{rm {c}}H^{circ }=-890.36{rm {{kJmol}^{-1}}}}

主な物質の燃焼熱[編集]

関連事項[編集]

外部リンク[編集]