小野二郎 (寿司職人) – Wikipedia

小野 二郎(おの じろう、1925年10月27日 – )は、日本の鮨職人。

静岡県天竜市(現・浜松市天竜区)生まれ。2022年現在、ミシュラン史上最高齢の三ツ星シェフだった。

経歴・人物[編集]

7歳で地元静岡県の料理店に奉公に出る[1]。その後東京で修業。1951年に鮨職人となる。1965年に独立して、銀座の現在地にすきやばし次郎を開店[1]

70歳で心筋梗塞を患って以降、禁煙している。手の保護のため、外出時は必ず手袋をはめている。

すきやばし次郎[編集]

安倍首相、オバマ大統領との会食。安倍とオバマに向かってお辞儀をしている人物が小野。

銀座の数寄屋橋の塚本素山ビル地下に店舗を構えている。客席は10席ほどしかなく、トイレは他店と共同である。クレジットカードは2013年にダイナースカードが使えるようになるまで使用不可だったが、現在[いつ?]はJCBなども使用できる。現在、小野二郎は、ミシュラン2019年版の掲載文通り、夜のみ握っている。

予約でのみ来店可能。メニューはおまかせの握り寿司のみである。鮨店としては珍しく、つけ台に紙のメニューが置かれている(英語併記)。

1994年にヘラルド・トリビューン・インターナショナル誌で世界のレストラン第6位に選出[2]。2005年に厚生労働省の現代の名工として表彰される[1][2]。表彰事由は江戸時代以来のにぎり鮨の伝統を踏まえながら、常に新しい工夫を怠らず、江戸前の握り鮨の型と魂を継承していることである[2]

2007年に日本で初めて出版されたミシュランガイド東京で三つ星を獲得し、以後2019年版まで毎年三つ星を獲得し続けていたが、2020年版より「一般客の予約ができなくなったこと」を理由に掲載されなくなった[3]

現在は、HP掲載通り、一般客も、電話予約可能となったが、ミシュランには非掲載のままである。

2018年1月、同学年のポール・ボキューズの逝去により、単独で世界最高年長の3つ星料理人となった。

2014年4月、アメリカ合衆国のバラク・オバマ大統領訪日の際、安倍晋三首相がすきやばし次郎でオバマ大統領と会食を行った[4][5]。通常は閉店している20時00分以降の開始のため、会食が実現した[4]。同年、秋の叙勲で黄綬褒章を受章[1]

2019年3月「ミシュラン三ツ星レストランの最高齢料理長(Oldest head chef of a three Michelin star restaurant)」(93歳128日)としてギネス世界記録に認定された[6]
同月、「第1回 Men’s Beautyアワード/Beautyライフスタイル部門」を受賞した[注 1]

二人の息子も鮨職人である。長男の小野禎一はすきやばし次郎本店の店主として、父をサポートしながら店を切り盛りしている[4]。次男の小野隆士は2003年に独立し、すきやばし次郎六本木店を開いてミシュラン二つ星を獲得している[1]

こちらは、元々、一般客予約可能なためか、2022年版まで継続して二つ星である。

師匠・弟子[編集]

  • 東京都京橋鮨店「与志乃」吉野末吉が師匠である。
  • 兄弟弟子に、閉店した、三ツ星店でもあった「鮨水谷」水谷八郎。
  • 弟子は100人以上いるが、すきやばし次郎史上最高の弟子と言われた岡崎亮が、2020年6月に「鮨あお」をオープン。[1]
  • ほかにも独立した弟子は、2014年2月にオープンしミシュラン二つ星の「鮨ます田」増田励、現在ニューヨークで活動している中澤大祐等がいる。
  • 2018年3月にオープンした「鮨みずかみ」の水上行宣は、孫弟子にあたる。
  • プロフェッショナル 仕事の流儀 修行は、一生終わらない 鮨(すし)職人 小野二郎の仕事
  • 『すきやばし次郎―生涯一鮨職人 』(プレジデント社 2003年)
  • 鮨に生きる男たち (新潮文庫) 文庫 – 2007/4 早瀬圭一(著)
  • 寿司 Sushi (鮨―美・職・技 小野二郎 (著), 山本益博 (監修), 管洋志)2015
  • 巨匠の技と心 江戸前の流儀2015/10/31
  • 全国寿司屋が行ってみたい!寿司の名店 2005年12月3日放送
  • NHKプロフェッショナル仕事の流儀「修行は、一生終わらない」2008年1月8日放送
  • NHKスペシャル「和食 ふたりの神様 最後の約束」2017年5月14日放送

参考文献[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 「Men’s Beautyアワード」とは、JAPANドラッグストア協会が主催するアワードである。「Beauty ライフスタイル部門」は、健康長寿という言葉がふさわしい、日本を代表し元気に活躍中の著名な長寿の方に贈られる賞である。

出典[編集]

外部リンク[編集]