白山手取川ジオパーク – Wikipedia

白山手取川ジオパーク(はくさんてどりがわジオパーク)は、石川県白山市全域を対象とするジオパークである[1][2]。テーマは「山-川-海そして雪 いのちを育む水の旅」で、水循環に着目している[3]

山と雪のエリア、川と峡谷のエリア、海と扇状地のエリアの3エリアに分けられており[1]、ジオサイトが45ある[4]

山と雪のエリア[編集]

白山手取川ジオパークのウェブサイトでは、山と雪のエリアは次のように紹介されている。

【水が生まれる】多くの水(雪)が白山に舞い降り、水の流れが始まるエリア。約3億年前から現在に至る様々な大地の成り立ちと、白山と人々の関わりを体感することができる。 — 白山手取川ジオパーク、エリア・サイト紹介 | 白山手取川ジオパーク

山と雪のエリアにはゾーンが4つある(白山ゾーン・桑島化石壁ゾーン・手取川ダムゾーン・岩間噴泉塔と白山スーパー林道ゾーン)[5]。このエリアでは対馬海流の影響で湿った冬の季節風が両白山地の山々(白山など)に遮られることで雲が形成され、雪が大量に降り、白山麓への豪雪は手取川の流れをつくる。

  • 白峰 – 年間の垂直積雪量が4メートルを超える[7]豪雪地帯であり、積雪への対策として、伝統的な住居では大梯子や大背戸などが備えられている[8]

川と峡谷のエリア[編集]

【水が育つ】いくつもの川が合流し、流れが大きくなるエリア。峡谷や河岸段丘など、水の流れによって形づくられる地形が発達し、手取川と人との関わりを体感することができる。 — 白山手取川ジオパーク、エリア・サイト紹介 | 白山手取川ジオパーク

川と峡谷のエリアにはゾーンが3つある(手取峡谷ゾーン・大日川ゾーン・直海谷川ゾーン)[5]。手取川中流域では河岸段丘が発達しており、高位段丘面と河床との比高は300m程度である。侵食された土砂は手取川によって運搬されていく。

  • 手取峡谷 – 長さ8km程度で、低位段丘面と河床との比高は20~30m程度である[10]

海と扇状地のエリア[編集]

海と扇状地のエリアにはゾーンが4つある(獅子吼高原ゾーン・松任と七ヶ用水ゾーン・島集落ゾーン・美川と白山海岸ゾーン)[5]。扇頂の鶴来以北で扇状地が確認でき、これがジオパークの特徴にもなっている[2]

登録に向けての経緯[編集]

白山市がジオパーク登録を目指した背景の1つに、平成の大合併がある。白山市は松任市、美川町、鶴来町、河内村、吉野谷村、鳥越村、尾口村、白峰村が合併して成立したが、合併後の白山市全体でのまとまりをもたせる必要性があった。そこで、市内を流れる手取川に着目し、ジオパーク指定に向けての活動を始めた[14]。2011年9月5日に日本ジオパークに認定された[2][15]

2020年、日本ジオパーク委員会は白山手取川ジオパークを国際連合教育科学文化機関(UNESCO)にユネスコ世界ジオパーク認定への国内推薦を決定した[1][2]。早ければ2022年に認定するか決定される見通しとなっている[1][2]。なお、2013年と2015年にも日本ジオパーク委員会への申請を行ったが、いずれも国内推薦は見送りとなっている[1]

参考文献[編集]

  • 青木 賢人、山口 隆「白山手取川ジオパーク ―山・川・海そして雪 いのちを育む水の旅―」『地理』第57巻第2号、古今書院、2012年2月、 14-19頁。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]