経済危機克服のための「有識者会合」 – Wikipedia

経済危機克服のための「有識者会合」(けいざいききこくふくのためのゆうしきしゃかいごう)とは、日本の内閣総理大臣が開催する会議の一つ。

報道などでは鉤括弧をつけずに経済危機克服のための有識者会合とも表記される[1]

2009年、日本の急速な景気悪化を受け、財務大臣兼内閣府特命担当大臣(金融、経済財政政策)与謝野馨により、有識者から経済財政政策に関する意見を聴取する会議の設置が提唱された。同年、内閣総理大臣麻生太郎は「経済危機克服のための『有識者会合』」の開催を決定した。

2009年3月16日〜3月21日、経済危機克服のための「有識者会合」は総理大臣官邸にて開催された。出席者は経済財政諮問会議にほぼ準じており、内閣総理大臣、財務大臣兼内閣府特命担当大臣(金融、経済財政政策)などの関係国務大臣、日本銀行総裁、さらに経済財政諮問会議の民間出身議員が会議に出席した[2]。有識者らは分野ごとに10のグループに分けられ、グループ別に意見の聴取が行われた。

分野ごとの会合は、全て内閣官房長官河村建夫が司会進行を務めた。また、麻生の失言を警戒した内閣総理大臣秘書官岡本全勝らは、報道各社に対し会合中の独自映像の撮影を禁じるとともに、政府のインターネット動画配信についても、当初予定していた会合の生中継を中止させ、録画中継とした[3]

分野ごとの会合は最長でも1.5時間だったが、有識者は各会合で7〜12人となったため、有識者一人あたりの発言時間は数分にとどまった[4]。そのため、松井証券社長の松井道夫は「3分というので、ストップウォッチを持ってきました」[5]と発言した[4]。しかし、有識者全員が持ち時間を守ったわけではなく、「地方自治体・地域経済」会合に出席した首長らは全員が持ち時間を大幅にオーバーした[6]

「金融」会合では、内閣府特命担当大臣(金融担当)の与謝野馨が金融機能強化法の資本注入や日本銀行の劣後ローン制度による金融機関の資本増強を提案したが、全国銀行協会会長・みずほ銀行頭取の杉山清次や全国地方銀行協会会長・横浜銀行頭取の小川是らは資本の自力調達をまず最優先する考えを示した[7][8]。また、松井が株取引は悪だとする風潮の払拭を訴えたところ、内閣総理大臣の麻生太郎が松井の意見に同意しつつ「株屋というのは信用されていない」[9]と発言した[10]。発言内容に驚いた内閣官房長官の河村建夫は、書類で机を叩いて音を立て、麻生の注意を引いて自制を促そうとしたが、麻生はそれに気づかずそのまま発言を続けた[3]。会合後、日本証券業協会会長の安東俊夫は「日本ではまだそういうとらえ方をしている方が多いのが事実だからそういう言葉を使ったのだろう。好ましいことじゃない、もちろん」[11]と苦言を呈した。松井も「一般の人が持つ意識を表現したのだと思う。全く的外れとは感じない」[10]と述べている。

また、会合中、麻生は株式投資について「株をやっていると言ったら、田舎では何となく怪しげですよ」[9]と指摘し「あの人は貯金をしている。でも、あの人は株をやっているんだってさと言ったら、今でも何となくまゆにつばをつけて見られる」[9]と発言した[10]。後日、衆議院議員の鈴木宗男は発言を撤回する考えはないか質したが[12]、政府は発言の撤回を拒否する答弁書を閣議決定した[13]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]