うっかり八兵衛 – Wikipedia

before-content-x4

うっかり八兵衛(うっかりはちべえ)は、TBS系列の時代劇『水戸黄門』の登場人物。配役は高橋元太郎。

after-content-x4

1970年放送の第2部から2000年放送の第28部まで30年間にわたり出演。この間に配役交替を経ること無く一貫して高橋元太郎が演じ、長年にわたるはまり役となった。

元は町人の出であり、盗賊見習いとして忍者・風車の弥七(演:中谷一郎)の弟子となっていたが、弥七が義賊を辞めて光圀に仕えるようになったことから弥七を追いかけ回していた。初登場時はスリをやっており、財布を盗もうとして佐々木助三郎・渥美格之進に捕まった事がきっかけで光圀一行の一員に加わり、光圀の居所である西山荘の使用人となった。その為、他人の懐に入るのを得意としている。なお幼少時代は両親の顔を知らないいわゆる孤児だったようだが(第27部第14話「母と逢わせた観音様 -大館-」)詳細は不明。呼び名は「ハチ」(お銀からは)「八ちゃん」(飛猿からは)「八さん」など。

義賊の頃からの師弟関係により弥七を「親分」と呼んで慕っている。当初弥七は迷惑がっていたが、時間が経つに連れて満更悪くも思っていない様子に。武芸はからっきしダメだが、弥七が霞のお新に短筒で狙われたときに二階から飛び降りてお新の狙撃を制止したり(第3部 第9話「愛のむち -浜松-」)、助さん・格さん・弥七不在時に光圀の前に立ったり、大勢の民衆が悪人の圧政に立ち向かう際にはその先導役になるなどして、敵に向かっていく気構えはある。シリーズが進むにつれてストーリーの展開が定まってくると、老公一同がクライマックスで悪人を懲らしめる時は、非力な人々が巻き込まれないよう匿って安全な所へ導いたり、証人となる人物などを連れてくることが多くなる。二度だけではあるが印籠をかざしたことがある(うち一度は格之進に改めてかざし直された)。また、「強い自分が悪漢達から老公達を守る」願望ともとれる内容の夢を見るエピソードもある。一行の中で唯一の普通の町人で、町人の視点から物事を見られる点が光圀には気に入られており、特に東野英治郎が光圀を演じた第13部までにそのことを示す描写が多い。

町人の出身であるため名字はなく、軽口を叩いて反省する際に発する口癖の「こいつはうっかりだ」から「うっかり八兵衛」と呼ばれている。役回りは一貫してコメディリリーフで、殺伐とした内容になることも多い話を和ませる役割を持つ。事件の解決に貢献することは稀だが、行く先々の特産である食物や酒の知識で右に出る者はなく、大食いし食べすぎで腹を壊すことや、話の冒頭で立ち寄る場所の名物について講釈を始めるのが定番となっている。その分食材を見る目は肥えており、一行が野宿を強いられた際には山菜取りで野草の良し悪しを判別したりと貢献した。反面、食べ物以外に関する知識は疎く、自分の知らないものは殆ど食べ物と捉えてしまったりする(「しぼり」と聞いて「それは美味しいですか?」と聞く、「白椀」と「たくわん」、「木地」と「雉」を聞き間違えるなど、ただし例外もある)。好物は団子[注 1]で、道中に疲れ果てた所で茶屋を見つけては団子を食べるために寄り道をし、こちらも食べ過ぎで腹を壊す。また、道中で度々舞台となる土地の民謡を口ずさむことも多い。助さんとつるむことが多く、兄弟分のような関係。第2部で助三郎が瀕死の重傷を負った際には助三郎に付き添い一行を離れた。

第28部の終了後は2003年12月15日放送の1000回記念スペシャルに特別出演。西山荘を離れて江戸で町人として暮らしていたが、2009年7月27日の第40部第1話で5年半ぶりに出演し、同年12月21日の第20話に出演した。なお、再登場の際はレギュラーだった頃より年齢を重ねた風貌であった。

2011年12月19日の最終回スペシャルにおいては、江戸において蕎麦屋で蕎麦職人を生業としていた事が判明。諸国漫遊していた頃の旅先で食した蕎麦の知識と経験を生かした蕎麦打ちが好評となっているようである。

後継キャラクター[編集]

第29部以降、うっかり八兵衛と同様のコメディリリーフ的な役回りのキャラクターはしばらく登場しなかったが第33部から第35部までよろず屋の千太(演:三波豊和)が、第36部の第10話から第39部までおけらの新助(演:松井天斗)が登場。

after-content-x4

また、前述の第40部ではうっかり八兵衛が江戸で実の子同然に可愛がっているちゃっかり八兵衛(演:林家三平)が新レギュラーとして登場した。但し、ちゃっかり八兵衛は内藤剛志が演じる2代目風車の弥七のような「2代目うっかり八兵衛」ではなく「2代目八兵衛」とされている。第42部からは旅の案内をする先逹の役割となり、「ちゃっかり」が取れ「八兵衛」となっている。

八兵衛が江戸時代の日本で知られていないはずの「ファイト」という英語の台詞を発したとの都市伝説が存在するが、フジテレビ『トリビアの泉』でこの話題が紹介された際に高橋元太郎はこの噂を明確に否定。番組内で八兵衛が出演していた全880話分の全シーンを検証した際も該当する場面は発見されず、ガセビア認定されている。このガセビア投稿者はどのシーンを見て送ったのかは不明である。

なお、高橋元太郎自身は撮影には一度も遅刻をしたことがないなど非常に真面目で几帳面な性格であり、バラエティー番組のゲスト出演などでそういった一面をのぞかせた際に、八兵衛のキャラクターを引き合いに『しっかり八兵衛』と呼ばれることもある。

TBS系列で放送されたドラマ「弁護士のくず」7話「不適切な遺産相続」に高橋元太郎がゲスト出演した際、主演の豊川悦司が高橋の演じる役を指して「うっかり八兵衛に似た爺さん」というシーンがある。

注釈
  1. ^ ただし演じる高橋自身は撮影で毎回のように団子を食べさせられる(しかも撮り直しの度に食べ直さなければならない)ため、その姿を見るだけでうんざりするほど団子嫌いになってしまったという。
出典

外部リンク[編集]


after-content-x4