酸化ニッケル(II) – Wikipedia

酸化ニッケル(II)(さんかニッケル に、Nickel(II) oxide)は、化学式がNiOの無機化合物である。ニッケルの酸化物はこの他に酸化ニッケル(III)や二酸化ニッケルなどが報告されているが、酸化ニッケル(II)は唯一詳しい構造が判明しているニッケル酸化物である[1] 。NiOの鉱物に黄褐色のブンゼナイトがあるが非常に稀少である。ニッケルを少量含み緑色に着色した鉱物は他にクリソプレーズ(緑玉髄)がある。

合成と性質[編集]

NiOは

Ni(OH)2 ,Ni(NO3)2 ,NiCO3{displaystyle {ce {Ni(OH)2 , Ni(NO3)2 , NiCO3}}}

のようなニッケル(II)化合物を熱分解することで純度の高い緑色の粉末として得られる[1]。金属ニッケルを酸素中で熱すると不定比性の灰色から黒色の粉末が得られる[1]。NiOは塩基性酸化物である。

水にはほとんど不溶であるが酸に溶解し、緑色の水和ニッケルイオンを生成する。一方加熱により結晶化したものは酸に溶解しにくい。

NiO +2H+(aq)⟶Ni2+(aq) +H2O{displaystyle {ce {NiO + 2 H^{+}(aq) -> Ni^{2+}(aq) + H2O}}}

NiO +6NH3 +H2O⟶ [Ni(NH3)6]2+ +2OH−{displaystyle {ce {NiO + 6 NH3 + H2O -> [Ni(NH3)6]^{2+} + 2 OH^-}}}

NiO +H2⟶Ni +H2O{displaystyle {ce {NiO + H2 -> Ni + H2O}}}

  • ^ a b c グリーンウッド, ノーマン; アーンショウ, アラン (1997). Chemistry of the Elements (英語) (2nd ed.). バターワース=ハイネマン英語版. ISBN 978-0-08-037941-8