ゲイングランド – Wikipedia

ゲイングランド』 (GAIN GROUND) は、セガの固定画面シューティングゲーム。オリジナルプラットフォーム(原典)は、1988年11月より日本の業務施設(ゲームセンターなど)用いわゆるアーケードゲーム(ACゲーム)として稼働を開始。AC版の使用基板はセガ・システム24を使用している。

後に家庭用ゲーム機やPC用ゲームとして移植版がリリースされている。詳細は#他機種版を参照。

アーケード版はゲーム誌『ゲーメスト』の「第3回ゲーメスト大賞」にて大賞5位、ベストアクション賞8位、編集部特別賞を獲得した他、ゲーメストムック『ザ・ベストゲーム』では28位を獲得した。

プレイヤーたちはSF的な世界観のもと、多彩な性能を持つキャラクター群よりセレクトし、暴走した戦闘仮想体験遊戯施設「ゲイングランドシステム」を沈黙させる(ゲームクリア)ことを目指す。プレイ人数は日本版では1~2人、海外用特殊筐体版では1~3人。当時としては高い画面解像度を持つ同社業務用システム基板「システム24」のスペックを活かし、緻密で戦略的なゲーム内容となっている。

開発はセガ第一研究開発部(後のセガ第1AM研究開発部)が行い、原作はマック・オースティン、企画は後にメガドライブ用ソフト『時の継承者 ファンタシースターIII』(1990年)を手掛けたヤン・ワットが担当、音楽は後にアーケードゲーム『ゴールデンアックス』(1989年)を手掛けた高田陽とアーケードゲーム『スーパーハングオン』(1987年)を手掛けた林克洋が担当している。

ゲーム内容[編集]

システム[編集]

8方向レバーと2ボタン(ショット2種)でコマンドと呼ばれるキャラクターを操作。2種類の武器で武装した20人のキャラクターから一人を選択しステージ内の敵を倒す。敵を全滅させるとステージクリア。一部の例外を除きステージには出口があり、敵を全て倒すことが不可能な場合は、出口まで行くことで次のステージでそのキャラクターを使用できる。全員が出口から出てもステージクリア。ただし、敵を全滅させるとボーナス得点が入るため、全員脱出するより高得点となる。1人も脱出しないうちに手持ちキャラクターが全滅するか、タイムオーバーとなるとゲームオーバー。脱出したキャラクターがいる場合、それ以外が全滅、またはタイムオーバーになっても、脱出したキャラクターのみが手持ちキャラクターとなって次の面が始まる。

敵はステージ開始時に配置されているものの他に、特定位置にキャラクターが来たり、特定の敵が倒されたりすると増援として出現するものもある。出現していないものも含めて、ステージ内の敵の残存数は明示されている。

面数は全4ラウンド・各10ステージの全40面。面数を示す際には”ラウンド数 – ステージ数”と表記される。ラウンドは順に、原始時代・中世・近世中国・未来という世界観で統一されている。開発時は未来面の前に現代面が用意され、全50面となる予定だったが、プレイ時間が長くなりすぎる等の理由で入らなかった。

プレイヤーキャラクターも、原始時代(槍・弓)・中世(魔法)・近世(手榴弾・ブーメラン)・現代(ライフル・サブマシンガン)・未来(大火力砲)に各4人ずつ、となっている。

捕虜[編集]

ステージの多くには捕虜となっているキャラクターがいる。捕虜はプレイヤーキャラクターが接触することで各々1人だけ救出でき、そのまま一緒に出口まで行くことで次のステージから使用可能になる。

敵の攻撃に倒れたキャラクターはその場で捕虜状態となる。元々配置されていた捕虜同様に、次のプレイヤーキャラクターで接触して連れ出せば救出できる。
ただし、捕虜を連れた状態で被弾すると操作中のキャラクターのみが捕虜化し、連れていた捕虜は消滅して以後そのプレイでは現れなくなる。初期の3キャラクターを除き、コンティニューでは復活しない。
また、操作可能なキャラクターの残数が捕虜の残数に満たない場合、あるいは敵の猛攻や残り時間などにより救出を諦めた場合、出口がなく救出が不可能なステージの場合などでも、救出されなかった捕虜はやはり同様にゲーム中は二度と現れなくなる。

高低差の概念[編集]

ゲーム画面は上部からやや俯角を持って見下ろした2D画面で、高低の概念が存在する。
武器にも各々軌道が設定され、放物線等の高低差を持つ攻撃では高い所の敵への攻撃や遮蔽物を飛び越す攻撃が可能。武器性能として自動で高度を変更されるものもあるが、それ以外は角度や高度、距離の調節はできない。発射位置や向き、もしくは、キャラクター自体の使い分けで対処していく必要がある。

遮蔽物や建造物の高度差も単一ではなく、様々なサイズがある。

二人同時プレイ[編集]

二人同時プレイが可能で、一人プレイ時よりも初期配置されている捕虜が若干増える。また、キャラクター選択や位置取りが重要なため、二人同時プレイは単独プレイ時よりも難度が下がる。

捕虜化によるプレイヤー間のキャラクター受け渡しも可能。

仕様・バグなど[編集]

  • 発売後ステージ4-8にて、8つある固定砲台を破壊しても敵の残数に反映されないバグが発覚し、敵を全て倒してもステージクリアが不可能な事態となった。この致命的なバグにより、「その後のステージ攻略に必要なメンバーだけ脱出させ残りは全滅させる方法」を取らざるを得なかったが、このステージに到達した多くのプレイヤー達は「これは本作の世界観やストーリーに反しない、目的達成のための自己犠牲行動」という好意的な解釈をした。後にこのバグを修正したバージョンも出回り、件の固定砲台をノルマから除外して手前に配置されたロボット4つのみ破壊することでクリア可能となったが、これによりバグ修正前の攻略法が無意味となり、全体の難易度とゲーム性が大幅に落ちたため、特に以前からのプレイヤーからはあまり支持されていない。事実、ゲーメストやアルカディアのハイスコア集計はこのバグを含むバージョンに限られている。また、PlayStation 2版も3Dでリメイクされたものでありながら4-8バグを再現したモードが搭載されており、プレイヤーはバグの有無を選択可能となっている。
  • 3-10はボスを倒すと自動的にクリアとなる。このときザコ敵を残していると連続パーフェクトのボーナスが途切れてしまい、全て倒した場合に比べ約700万点のマイナスとなる。
  • 2人同時プレイの場合、捕虜に同時に接触することで両プレイヤーとも捕虜を得ることができる。成功しても捕虜は1人しか表示されていないのでその場ではわからないが、捕虜を連れていないように見えるプレイヤーが先に出口に入ると、成功していれば見えている捕虜がそのあとをついていき、障害物も無視して動く。
  • 時間で出現するものを除き、画面外の左右や上で待機している敵には命中判定がある。このうち、右側以外で待機している敵は倒すことはできないが攻撃は当たるので、攻撃を当て続けることによって得点を稼ぐことができる者が居る。なお、右側で待機している敵は画面外への攻撃で倒せるため、この稼ぎは使えない。
  • 出現中の砂虫も攻撃を当てることで得点が入る。ジェネラルなどの連続的に攻撃を加えられるキャラクターでこれを行うとかなりの勢いで得点が入り、時折「得点表示に数字以外が表示される」などの状態になることがある。これは、16進法を各10進法の桁に代入した値が正しい得点である。例えば103BCF25点は、B→11、C→12、F→15で、10423525点に相当する。少しでも点数が動けば元に戻る。
  • 高さの概念がおかしくなる場合があり、敵や攻撃に当たらなくなったり、プレイヤーの攻撃も当たらなくなってしまうことがある。
  • 敵同士が画面外でぶつかりあって動かなくなってしまうことがあり、倒せなくなってしまうことがある。
  • 1-10の下側にある石像は、アスラまたはガスコンで選択直後の無敵状態で体当たりすることによって倒せる。他のキャラクターでは無敵状態中に到達できないため不可。
  • 脱出口ぎりぎりの地点でわざと被弾して捕虜状態となった後、捕虜を掠めるようにして脱出すると救出していないのに捕虜奪還の効果音とともに救出した状態になるバグがある。これを利用しキャラクターを登場数以上に増殖させることが可能になる。
  • 敵はほとんどの場合、プレイヤーを正確に狙うのではなく、少し左側を狙ってくる。よって敵の射程内では、右より左側に移動する方が危険性が高い。

ストーリー[編集]

世界連邦政府が発足した時点で、人類の進歩は最高潮に達したかに見えた。実際、飢えや窮乏、差別といった言葉は辞書の上以外目にすることはなかった。

しかし、人類は「種の滅亡」という新たな危機を迎えていた。地球上の各地にて原因不明の青少年の自殺が急増していたのである。連邦政府はこの問題を重視し、青少年の自殺防止の研究を進めていた。

その結果、自殺の原因は闘いのない社会が長く続いたための「闘争本能の未分化」にあり、解消の手段として、この種の本能を過度に刺激し生存の目的を持たせることが有効であると判明した。

連邦政府は巨費を投じ、疑似体験システムを開発、青少年指導の一環としてこのシステムを使用することを積極的に奨励した。

「ゲイングランド・システム」と名付けられたシステムは順調にその目的を果たしていき、連邦政府は無論のこと、危険とされる年頃の青少年を持つ親たちは胸をなでおろし、そのテクノロジーに心よりの感謝を捧げた。

しかし、予想外の事件が起きた。突然システムが暴走して制御不能となった。ロボット兵は凶暴となり、システム内部にいた大勢の人間が犠牲になっていく。君は選ばれた戦士だ。狂ったロボットを倒し、システムを壊滅せよ!![1]

キャラクター[編集]

武器解説の最後の左・右・中の文字は、キャラクターのどの位置から弾が発射されるかを大雑把に示した物である。
壁の隙間を縫う射撃などに影響する。
「高所」の表記のある武器は、高所に陣取る敵を攻撃可能。
メイン武器の攻撃力は一律で1。サブ武器は特記の無い場合、同様に1である。

原始時代系
槍、弓矢を使うキャラクター。武器の威力は概して低いが、高所攻撃が可能で足が速いという特性を持つ。
アスラ(槍2連射右/槍1連射・全方向・高所・右)
初期キャラクターの1人。槍の射程が短く、足の速さが取り柄。
ガスコン(槍2連射右/槍1連射・前方向・高所・右)
サブ武器が前にしか撃てないが、射程はアスラより若干長い。
バーバル(弓矢2連射右/弓矢1連射・全方向・高所・中)
槍より射程が長く、サブ武器も汎用的に使える。デザインはドワーフ風。
マース(弓矢2連射右/弓矢1連射・前方向・高所・中)
サブ武器は前方向固定。バーバルと比べて、射程は若干長く足も速い。
中世系
様々な魔法を駆使するキャラクター。メイン武器の魔法弾は水平攻撃としては発射位置がやや高く、2-1などの低い障害物を越えて飛ぶ。
グロウナイト(魔法弾3連射中/光の魔法1連射・前方向・?)
攻撃力3の「光の魔法」4発が周りを回転する。敵や障害物に当たると消滅する。敵弾は衝突判定が無く、防げない。4発全て消滅するまで次の発射はできない。至近距離ならどの方向でも当たるため、石像などに接近して連打すると一瞬で倒すことができる。
ファイアーナイト(魔法弾3連射中/炎の魔法3連射・前方向・中)
キャラクターのやや前方に落ちしばらく燃え続ける、地雷の様な「炎の魔法」を使う。攻撃力は3。
ウォーターナイト(魔法弾3連射中/水の魔法2連射・全方向・中)
「水の魔法」は敵を倒すことはできないが、敵に当たるとしばらくその行動を封じることができる。足が速い・出没を繰り返す・撃ち返しを行うなどの敵への対処、捕虜救出援護など、使い道は非常に広い。
ザエモン(魔法弾3連射中/風の魔法1連射・前方向・中)
鎧武者のような外見が特徴。「風の魔法」は自機から時計回りに、螺旋状の軌道を描く。障害物に当たると跳ね返り、狭い場所・隙間で威力を発揮する。攻撃力は3。出現中の砂虫などに使うと、稼ぎにもなる。
近世系
メイン兵器に銃、サブ兵器に手榴弾またはブーメランを用いるキャラクター。足の速さはやや遅め。全員女性。
ハニー(拳銃2連射左/手榴弾1連射・全方向・高所・右)
サブ兵器の手榴弾は高所攻撃が可能。射程は短いが爆風が大きく、壁に密着した状態で、壁の上の敵を倒せる。攻撃力は3。サングラスがトレードマーク。
ベティ(拳銃2連射左/手榴弾1連射・前方向・高所・右)
初期キャラクターの1人。手榴弾は前方向固定だが射程距離が長く狙いが付けやすい。攻撃力はハニーと同じく3。
バルキリー(拳銃2連射左/ブーメラン2連射・全方向・右)
ブーメランは1発ずつ交互に、右周り、左周りをして手元に帰ってくる。飛んでいるブーメランを回収すると、次発が即座に投げられるようになる。また、ブーメランは魔法弾と同様に、低い障害物を越えて飛ぶ。
マム(拳銃1連射左/ブーメラン1連射・前方向・右)
ブーメランの発射方向は前方向固定。一児の母。
現代系
メイン・サブとも銃を用いる、平地戦向けのキャラクター。
ジョニー(ライフル3連射右/ライフル1連射・前方向・右)
初期キャラクターの1人。射程・弾速共に優れており、足もそれなりに速い。
コウ(サブマシンガン3連射右/機関銃1連射・前方向・右)
サブマシンガンは5発連なった弾を発射する。強力だが、射程はジョニーより短い。
教授(ライフル3連射右/ライフル2連射・左右方向・?)
射程・弾速共に優れている。サブ武器は左右に若干時間差をおいて発射される。ジョニーより射程が若干長い。
キッド(サブマシンガン3連射右/機関銃2連射・左右方向・?)
サブマシンガンの性能はコウと同一。射程は教授より短い。
未来系
サブ兵器に様々な重火器を使用するキャラクター。足が遅く、メイン武器の銃は連射能力が低いため、接近戦は苦手。
ロビー(拳銃1連射左/ロケット弾1連射・全方向・高所・右)
ロケット弾は高所の無いステージでは対地用の、高所の有るステージでは対高所用の弾道を描く。ただし、高所に敵がいないステージでも高い障害物があればその高さに飛ぶ。射程は長い。攻撃力は5。
マッドパピー(拳銃1連射左/バズーカ1連射・前方向・右)
強力な対地バズーカを発射する。攻撃力は3。デザインはかなりの肥満体。
ジェネラル(拳銃1連射左/火炎放射無制限連射・全方向・中)
火炎放射は攻撃力12と強力で、連続的に出続ける特徴を持つが、射程が非常に短い。
サイバー(拳銃1連射左/ミサイル1連射・前方向・右)
扇状に6発発射されるミサイルは平地戦では非常に強力。攻撃力は5。

ハニー、バルキリー、ロビーなど、サブ武器の方向が固定ではなく発射に時間の掛かるキャラクターの場合、発射方向はボタン押下時のレバー入力ではなく、実際の発射時にキャラクターが向いている方向となる。

他機種版[編集]

家庭用ゲーム機への移植に際しては、テレビ(モニタ)を縦置きにしてアーケード版と同様の画角で遊ぶことを前提にすることが難しいことから、大半の他機種作品は横画面作品として画面構成を再調整したリメイク版である。一部機種は描画も3DCG化したリメイク作となっている。

移植希望ランキングの上位によく入ることの理由としては、ゲーム性の高さが挙げられている[2]

メガドライブ版
シムス開発。市街地やゲームセンター店内など現代ステージ10面が追加され、全50面。最初から20人揃っている代わりに捕虜が一切配置されないHARDモードがある。一部のキャラクターの武器の射程の差が無くなる、もしくは非常に小さくなっているほか、アーケード版からの解像度低下に合わせた各種バランス調整が施されているが、Switch以前の他機種版と比べると移植の再現度は高い。
Wiiのバーチャルコンソールで2007年1月より2019年1月まで配信された。バーチャルコンソール自体のサービス終了に伴い現在は新規ダウンロード・購入は出来ない。
マスターシステム版
開発はメガドライブ版と同じくシムス。ゲイングランドシステム中枢部のラウンド5が追加され、全50面。キャラクター性能は、主にウェポン2が前方向固定のキャラクターが削られ全方向攻撃型キャラクターに集約され、10種類となっている。また性能は同じだが、1P側が全員男性、2P側が全員女性である。ファイアーナイトに相当するキャラクターがまきびしを使う忍者(2P側はくノ一)になっている。
PCエンジン版
ゲイングランドSX』(GAIN GROUND SX)というタイトルで、NECアベニューよりPCエンジンSUPER CD-ROM2用で1992年12月25日に発売。アーケード版を基準に移植されているが画面上にスコア表示は無く(残り敵人数や時間の表示はある)、2人同時プレイは不可で1人プレイ専用。BGMはT’s MusicによるアレンジBGMがCD-DAで収録され、SEもサンプリング化されリアルな音声になった。『SX』はスクロールエクストラの頭文字となる。[15]
すべてのキャラを脱出させるか、敵を全滅させることでステージはクリアとなる。全4ラウンドは、それぞれ10のステージで構成されている。スタート時に選べるキャラクターは、アスラ、ジョニー、ベティの3人だけだが、ラウンド3-9までには全てのキャラクターが揃うようになる。[16]
アーケード版との最大の相違点は、固定画面からプレイヤーキャラの移動で2~3画面分上下に任意スクロールする横画面仕様に変更されたこと。そのためフィールド全体を一度に見渡せず、プレイ中にポーズをかけてゲームを停止し、十字キーの上下でマップ全体を任意に確認できる仕様がある。これらスクロール仕様に合わせてゲームバランスも難易度を下げるなど調整が施されている。
PlayStation 2版『セガエイジス2500シリーズVol.9 ゲイングランド』
描画は3Dポリゴンで行われ視点もやや斜め上からの俯瞰となっている。アーケード版の完全移植を謳ったモードもあるが、再現度はそれほど高くない。難易度は概ねアーケード版よりも高い。
2013年5月15日にはPS2アーカイブスとしてPlayStation 3のPlayStation Storeでも配信開始。
携帯アプリ版
『ゲイングランド アゲイン』というタイトルでリメイクされ、 iモード用のゲームアプリとして2010年4月26日より配信された。対応機種はFOMA 903i/703iシリーズ以上。縦画面だが、解像度などの兼ね合いで、画面構成はアーケード版とは異なる。グラフィックのリファインだけでなく、出撃時に3人のキャラを選ぶ「チームシステム」、本編クリア後に出現の「ゲイナーモード」での全国ランキングに対応、ゲーム中に取った行動でエンブレム獲得などの実績要素など、時代に合わせた新要素も加えられている。また8月19日からはEZアプリ対応ゲームアプリとしても配信された。
Nintendo Switch版
2018年~2020年にセガゲームス(当時)が展開したSwitch版SEGA AGESシリーズの1作としてリリース。家庭用では初となる、アーケード版の仕様をほぼ再現した移植版である。画面表示を左または右に90度回転し、縦画面でプレイする事が可能。いずれの向きでも画面長辺方向の端が余るため、ゲーム映像はいわゆる「ピラーボックス」状態となる。
ネットワークランキングに対応。最初から全20人のプレイアブルキャラが使える代わりに捕虜が一切配置されない「フルメンバーモード」を実装した。また、オリジナルモードでは、ミスしても3秒ほど前からプレイをやり直せる「ヘルパー」機能が付いた。このほか、いわゆる「どこでもセーブ」(ステートセーブ)も可能。
日本で稼働したバージョンのほか、海外版も国内家庭用ゲーム機に初めて移植された。この「海外版」を選択した場合は、コントローラーが3つあれば3人同時プレイが可能となる。
アストロシティミニ版
国内稼働バージョンがプリインストール収録された。別売の専用コントローラーを使えば、最大2P同時プレイ可能。ゲーム映像の仕様は概ねSwitch版に準拠している。ただし、本体と一体化したディスプレイは物理的に縦にしても縦画面をフル表示出来ず、必ずピラーボックス状態となる。
本体の機能としてステートセーブ機能に対応しているほか、マスターメニュー画面の「BGMモード」を選択すると、ゲームプレイ時の楽曲を独立して聴く事が出来る。
  • 本作のゲームデザインは、アタリが発表した『ガントレット』(1985年)をモチーフとしており、ゲイングランドを開発した大岡良樹が「思いっきりガントレットを意識していました。チームの横にガントレットを置いて、参考にしていたほどです」と述べている[17]
  • 日本国外ではガントレットをはじめとする多人数プレイが人気を集めており、本作も3人同時プレイ可能な筐体込みで販売されていた。国内では基板のみの販売が主のため、この仕様のものはほとんど出回っていない。2人同時プレイ仕様の基板でも中央下段の表示スペースが1/3空いているところや、捕虜が赤、青以外にも黄に点滅しているのは、3人同時プレイ仕様の名残である。

スタッフ[編集]

アーケード版
  • プロジェクト・コーディネーター:マック・オースティン
  • オリジナル・デザイン:マック・オースティン
  • 企画:ヤン・ワット
  • リード・プログラマー:MINA&MANA(大岡良樹)
  • プログラマー: Kuribho!!
  • グラフィック・アーティスト:Bee3、Sea‑Gup、マックス・ネルソン
  • イラストレーター:EIRO
  • 音楽:DOLPHIN(高田陽)、Q-CHAN(林克洋)
  • サウンド・エフェクト:Q-CHAN(林克洋)
メガドライブ版
  • プログラマー:おかべなおき
  • プランナー:T.KATOH
  • デザイナー:KAN CHAN(こうやまかなこ)
  • サウンド:SZK
セガ・マスターシステム版
  • オリジナル・プランナー:マック・オースティン、ヤン・ワット
  • プランナー:KOU
  • デザイン:KOU
  • プログラム:YONE(よねだひろひこ)、O.B、KOU
  • サウンド:TARNYA(鎌谷千佳子)
  • スペシャル・サンクス:T.KATOH、MIYA、T.ASANO、NONCHAN、T.HAGIWARA
PCエンジン版
  • エグゼクティブ・プロデューサー:石原幸男
  • プロデューサー:多部田俊雄
  • ディレクター:宮崎暁、MAX.INDE(いんでまさし)、K.SAITOU
  • プログラマー:K.KUGE
  • サポート:MASAS(清水真佐志)
  • サウンド・コンポーザー:T’sミュージック
  • グラフィック・デザイナー:MAT.KAKISISU、YAX.TAKAHARA(高原保法)、NAMA.NINNIN、仲田賢一、MOMO、フィルインカフェ、MAX.INDE(いんでまさし)
  • スペシャル・サンクス:H.NAKAMURA、TORUNEKO、宮崎暁、J.M.KIM、SONY.KIM、めすだひでき、小松田裕一、桑原剛
アーケード版
  • ゲーム誌『ゲーメスト』の企画「第3回ゲーメスト大賞」(1989年度)において、大賞5位を獲得、その他にベストアクション賞で8位、プレイヤー人気で8位、年間ヒットゲームで12位、編集部特別賞を獲得した[31]
  • 1991年にそれまで発売されていたアーケードゲーム全てを対象に行われたゲーメスト読者の人気投票によるゲーメストムック『ザ・ベストゲーム』では28位を獲得した[1]。同誌では本作を「思考の限界に挑戦するアクションゲーム」と位置付けており、全20人のキャラクターの使い分けと面構成に関して「計り知れない奥深さを生み出している」と絶賛した[1]。また本作がマニアから社会人まで幅広く受け入れられている事や高い人気やインカムを維持した事は本作の完成度の高さを表していると総括した[1]
  • 1998年にそれまで発売されていたアーケードゲーム全てを対象に行われたゲーメスト読者の人気投票によるゲーメストムック『ザ・ベストゲーム2』では、『名作・秀作・天才的タイトル』と認定された「ザ・ベストゲーム」に選定された。同書では面クリアの方法が敵の全滅以外に全プレイヤーキャラクターを出口から脱出させる事の2通りあった事が当時としては珍しかったと指摘、その他に20種類いるキャラクターの特性の理解と全40面のステージにそれぞれのキャラクターをどう駆使していくかが重要だった事を指摘した[32]。また本作の難易度は高いが慣れる事で比較的容易にクリアが可能な事を指摘した上で、当時サラリーマンを中心にヒットした事を述べ、稼働開始から1年以上も設置してある店が珍しくなかった事に関して「それだけ客を引きつける魅力があった」と称賛した[32]
メガドライブ版
  • ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では、6・7・7・7の合計27点(満40点)となっており[21][33]、レビュアーの意見としては、「いわゆる昔風ゲームなんだけど、ヘンな新しさはある」などと評されている[33]
  • ゲーム誌『メガドライブFAN』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通りとなっており、21.17点(満30点)となっている[3]
項目 キャラクタ 音楽 操作性 熱中度 お買得度 オリジナリティ 総合
得点 3.73 3.22 3.20 3.70 3.46 3.86 21.17
PCエンジン版
ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では5・4・5・5の合計19点(満40点)[22]、、『月刊PCエンジン』では75・85・70・60・75の平均73点(満100点)、『電撃PCエンジン』では50・45・65・50の平均52.5点(満100点)、『マル勝PCエンジン』では7・6・8・6の合計27点(満40点)、『PC Engine FAN』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通りとなっており、21.28点(満30点)となっている[30]。また、この得点はPCエンジン全ソフトの中で217位(485本中、1993年時点)となっている[30]
項目 キャラクタ 音楽 操作性 熱中度 お買得度 オリジナリティ 総合
得点 3.57 3.71 3.14 3.57 3.43 3.86 21.28

関連作品[編集]

1984年発売のセガのアクション・シューティングゲーム。プレイヤーの攻撃システムがジョニーと共通する。制作者は以前『忍者プリンセス』を作成しており、その後、スポーツゲームを数作作成している間に『ゲイングランド』のアイデアを温めていた[34]
前述の通り、本作の製作時に参考にされたゲーム。
本作と同じくシステム24で同時期にアーケードで稼働していたゲーム。キャラクターが小さく、広い画面で状況を把握しての戦略的なゲーム展開など類似部分も多い。後にサイトロンの1500シリーズで発売されたサントラでは、ゲイングランドとのカップリング収録で発売された。
“デロス” と名づけられた未来のレジャーランドで起きたロボットの叛乱を描くSF映画。
BGM、および世界観のみ参戦。キャラクターの参戦がないため、公式サイトには本作が参戦していることは記されていない。早期購入特典付属のサウンドトラックには、作中で使用された本作のアレンジBGMが収録されている。

外部リンク[編集]

アーケード版の情報・解説サイト
メガドライブ版の情報サイト
※ 上記のサイトには「クリックでムービーを再生」とあるがこれは作成当時web動画のデファクトスタンダードであったFlashを用いたもので、2021年以降は基本的に視聴出来ない
PS2版の情報サイト
Switch版の情報サイト
その他