安川定男 – Wikipedia

安川 定男(やすかわ さだお、1919年6月17日 – 2007年1月14日)は、国文学者、中央大学名誉教授。文芸誌『同時代』同人。

来歴・人物[編集]

福岡県北九州市生まれ。1942年9月、東京帝国大学文学部国文学科卒業、海軍予備学生(兵科2期)となる。1944年、草間加壽子(ピアニスト、安川加壽子)と結婚。戦後、東京都立第九中学[1]・北園高校教諭を経て、1951年中央大学文学部創設と共に助教授、ついで教授として、平安文学、日本近代文学を教えた。雑誌『同時代』同人として文筆活動に携わる。1990年定年退任。有島武郎が専門。阿川弘之とは東大および海軍で同期である。

家族・親族[編集]

祖父は安川財閥創立者の安川敬一郎。父は安川電機創立者の安川第五郎[2]。母・松子は杉村陽太郎の妻・花子の妹。妻はピアニストの安川加壽子。外交官の安川荘と安川電機第4代社長の安川敬二はともに兄[2]、医師で幾島家の養子となった幾島明は弟[2]。地球物理学者の坪井忠二は幾島明の義父[2]

単著[編集]

  • 有島武郎論 明治書院 1967
  • 作家の中の音楽 桜楓社 1976
  • 有島武郎 悲劇の知識人 新典社 1983(日本の作家)
  • 楽の音に魅せられた魂 高村光太郎・宮澤賢治など おうふう 2004

共編著[編集]

  • 近代文学 吉田精一、村松定孝共編 東出版 1966
  • 日本人の言葉 数江教一、生松敬三共編 弥生書房 1972(人生の知恵 別巻)
  • 有島武郎 作品論 上杉省和共編 双文社出版 1981
  • 昭和の長編小説 至文堂 1992

翻訳[編集]

  • フランス・ピアノ音楽 全3巻 アルフレッド・コルトー 安川加寿子共訳 かんらん社 1952
  • 第十のミューズ 批評の芸術 ハーバート・リード 宇佐見英治共訳 みすず書房 1959

その他[編集]

  • 近代日本文学の諸相 / 安川定男先生古稀記念論文集編集委員会 明治書院 1990
  • 高田博厚著作集 第4巻 人間の風景:朝日新聞社(1985)ISBN 9784022553447

外部リンク[編集]

脚注・出典[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ 当時今日出海に「どちらにお勤めですか?」ときかれて安川が「九中に勤めております。」と答えたところ今は宮中と勘違いし、さらに「宮中でどんな仕事をなさっているんですか」と尋ねられ、「野球部の指導などしています」と答えると「宮中にも野球部がありますか」と不思議な顔をされたという。阿川弘之『あくび指南書』
  2. ^ a b c d 佐藤朝泰 著 『門閥 旧華族階層の復権』 立風書房、1987年4月10日第1刷発行、ISBN 4-651-70032-2、480-481頁。