国鉄タサ2500形貨車 – Wikipedia

国鉄タサ2500形貨車(こくてつタサ2500がたかしゃ)は、かつて鉄道省及び1949年(昭和24年)6月1日以降は日本国有鉄道(国鉄)に在籍した私有貨車(タンク車)である。

本形式と同一の専用種別であるタサ2600形についても本項目で解説する。

タサ2500形[編集]

タサ2500形は濃硫酸及び発煙硫酸専用の20t積タンク車として1938年(昭和13年)11月21日に2両(タサ2500 – タサ2501)が新潟鐵工所1社のみで製作された。

記号番号表記は特殊標記符号「コ」(全長 12 m 以下)を前置し「タサ」と標記する。

本形式の他に「濃硫酸」又は「濃硫酸及び発煙硫酸」を専用種別とする貨車は、タム400形(418両)、タキ300形(483両)、タキ4000形(351両)、タキ5750形(500両)、タキ46000形(71両)等実に21形式が存在した。

所有者は、日本鉱業の1社のみでありその常備駅は、常磐線の助川駅であった。戦中、戦後は日本硫酸配給統制、日本硫硝酸統制、日本硫硝酸と変遷し最終的に再び日本鉱業へ名義変更された。

ドーム付き直円筒型のタンク体は、普通鋼(一般構造用圧延鋼材、SS41現在のSS400)製で荷役方式はタンク上部のマンホール又は積込口からの上入れ、液出管と空気管使用による上出し方式である。

車体色は黒色、寸法関係は全長は8,600mm、台車中心間距離は6,470mm、実容積は13.8m3、自重は14.0t – 14.4t、換算両数は積車3.5、空車1.6であり、台車はアーチバー式のTR20であったがその後TR41Dに変更された。

1974年(昭和49年)10月3日に2両そろって廃車となり、同時に形式消滅となった。

タサ2600形[編集]

タサ2600形は濃硫酸及び発煙硫酸専用の20t積タンク車として1942年(昭和17年)2月14日に6両(タサ2600 – タサ2605)が新潟鐵工所1社のみで製作された。

所有者は、三井鉱山の1社のみでありその常備駅は高山本線の猪谷駅であった。その後社名は三井金属鉱業に変更し、常備駅は神岡線の開業に伴い神岡口駅へ変更された。

車体色は黒色、寸法関係は全長は9,650mm、台車中心間距離は6,550mm、実容積は11.0m3、自重は14.4t – 14.8t、換算両数は積車3.5、空車1.4であり、台車はアーチバー式のTR20であったがその後TR41Dに変更された。

1973年(昭和48年)11月28日に全車一斉に廃車となり同時に形式消滅となった。

参考文献[編集]

  • 吉岡心平 『プロフェッサー吉岡の私有貨車図鑑(復刻増補)』 2008年、ネコ・パブリッシング刊 ISBN 978-4-7770-0583-3
  • 『日本の貨車-技術発達史-』(貨車技術発達史編纂委員会編著、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊、2008年)

関連項目[編集]