カロノサウルス – Wikipedia

カロノサウルスの頭骨

カロノサウルスCharonosaurus)は、6680万年前から6550万年前ごろ[1]、白亜紀後期に生息していたと考えられている恐竜。鳥盤類や鳥脚類に分類されるランベオサウルス亜科の一種で、頭部に特徴的なトサカを有するランベオサウルス亜科のなかでも、特に頭部のうしろに長く伸びたトサカをもっており[注 1]、体長は10メートル[1]ないし13メートル[2]と見積もられている。川辺で群れをつくって棲息していたと考えられており[2]、2000年にアジアで発見したゴトフロア(Pascal Godefroit)、 昝淑芹(Zan Shuqin)、 金利勇(Jin Liyong)[3]によって、ギリシャ神話に登場するアケロン川の渡し守カローンにちなんで「カロノサウルス」と命名された[2]

黒竜江省の嘉蔭県にあるマーストリヒチアン後期の地層から発見された特徴的なトサカをもつ頭骨[注 2]でよく知られている。頭部以外の部分については、同じ地域内から同じ分類群とみられる成獣と幼獣の化石がみつかっており、それらを基に推定されていて、大腿骨の長さは4.5フィート(約1.35メートル)に達するだろうとみられている[要出典]

頭部はパラサウロロフスに似ており、発達した前頭骨背面の表面からも伺えるように、おそらくパラサウロロフスと同じように頭頂から後方へ長い三日月状のトサカ[注 3]があったと考えられている。カロノサウルスは、アジアで発見されているハドロサウルス科のなかでは最も大型種のひとつで、ランベオサウルスのなかまは北米ではマーストリヒチアン後期には発見されていないのに対し、アジアでは白亜紀末期まで棲息していたのだろうと考えられている[4]

注釈[編集]

  1. ^ ただし、そのトサカにあたる部分の化石は完全な形では発見されていない[1]
  2. ^ 標本番号 CUST J-V1251-57 長春理工大学(中華人民共和国・吉林省長春市)
  3. ^ ランベオサウルスは頭部のトサカが特徴的なグループで、なかでもパラサウロロフスは頭頂から後方へ1メートルほどの長さにもなる棒状のトサカがある。パラサウロロフスの化石が20世紀初頭に発見されて以来、この長いトサカの機能は謎だった。その内部が空洞で鼻とつながっており、嗅覚を助ける役割を持っていたと考えられた時代もあった。CTスキャンによって頭骨の解明が進むと、パラサウロロフスの嗅覚はそれほど発達しておらず、むしろ聴覚が発達していたことがわかってきた。こうしたことから近年は、鼻から吸い込んだ域をトサカにいれて低周波をだし、群れのコミュニケーションに利用していたのではないかと考えられている[2]

出典[編集]

  1. ^ a b c Holtz, Thomas R. Jr. (2012) Dinosaurs: The Most Complete, Up-to-Date Encyclopedia for Dinosaur Lovers of All Ages, Winter 2011 Appendix.
  2. ^ a b c d 『講談社の動く図鑑 MOVE 恐竜』,p92-96
  3. ^ 『講談社の動く図鑑 MOVE 恐竜』,p219
  4. ^ Godefroit, Pascal; Shuqin Zan; Liyong Jin (2000). “Charonosaurus jiayinensis n. g., n. sp., a lambeosaurine dinosaur from the Late Maastrichtian of northeastern China”. Compte Rendus de l’Academie des Sciences, Paris, Sciences de la Terre et des planètes 330: 875–882. Bibcode: 2000CRASE.330..875G. doi:10.1016/S1251-8050(00)00214-7. 

参考文献[編集]