アークス (北海道の企業) – Wikipedia

株式会社アークス(英: ARCS COMPANY, LIMITED)は、北海道・東北地方・北関東においてスーパーマーケットなどの小売事業を展開する流通グループ・アークスグループの統括会社となる純粋持株会社。

2002年に地場スーパー2社のラルズと福原が経営統合を行い、(旧)株式会社ラルズが株式会社アークスに商号変更して持株会社となった。その後、ビッグハウスやスーパーアークスといった大型ショッピングセンターを展開しているほか、道内各地のスーパーを次々と傘下に納めており、2009年10月には株式会社札幌東急ストアの全株式を取得して完全子会社とし、同年11月に社名を東光ストアに変更。この合併によって、グループ連結の売上高は大台の3,000億円を突破し、道内の競合他社から頭一つ飛びぬける形となった。

2011年6月には青森県八戸市に本拠を置く株式会社ユニバースを経営統合すると発表し、同年10月をもってユニバースはアークスの完全子会社となった[1][2]。これによって、初の道外進出を果たしたアークスは売上高にして4,000億円を突破し、国内の食品スーパーではライフコーポレーションに次ぐ2位、総合スーパーでも7位の企業規模となった。また、同年9月には網走市内に店舗を展開している篠原商店を子会社化するなど、道内の中小スーパー(50 – 100億円規模)を次々にグループ傘下に収め、さらなる規模拡大が図られた。

2012年9月1日には株式会社ジョイス(本社:盛岡市)を株式交換により完全子会社とした他、2014年9月1日には同様に盛岡市に本社を置くベルプラスを傘下に置くベルグループを経営統合し、完全子会社とした[2][3][4]、さらに2016年3月1日にはジョイスがベルプラスを吸収合併し、商号をベルジョイスに変更した。また、併せて同日には道東ラルズが篠原商店を吸収合併し、道東アークスとして新たに発足している[5][6]

このほか、同年2月5日には完全子会社であるラルズがスーパーチェーンシガを運営する丸しめ志賀商店(本社:余市町)と同社関連会社を買収し、シガの店舗だけでなく従業員や取引先も引き継ぐ方針を打ち出している[7][8][9]

旧法人名や屋号には「大丸」が含まれているが、「大丸」を冠するほかの小売事業者とは無関係である。

傘下のスーパーマーケットを展開する各企業はオータニを除いてシジシーグループに加盟しているが、アークス自体は加盟していない。

  • 1961年(昭和36年)10月 – 株式会社ダイマルスーパー設立。
  • 1964年(昭和39年)11月 – 商号を大丸産業株式会社に変更。
  • 1969年(昭和44年)8月 – 商号を大丸スーパー株式会社に変更。
  • 1987年(昭和62年)
    • 6月 – CIを導入し、ストアネームを大丸スーパーからフレッティ大丸に変更。
    • 7月 – 大丸建装株式会社(現在の株式会社エルディ)に資本参加し、子会社化。
  • 1989年(平成元年)
    • 2月 – 有限会社イワイ(現在の株式会社イワイ)に資本参加し、酒類販売事業の子会社化。
    • 3月 – 道内主要都市で衣料品量販店「金市舘」を運営していた丸友産業株式会社と合併。商号を株式会社ラルズに変更。
  • 1995年(平成7年)11月 – 株式会社イチワ(北海道北見市、後の株式会社道東アークス)に資本参加し子会社化。
  • 1997年(平成9年)11月 – 株式会社三島の関連会社である有限会社サンフーズ(北海道旭川市、後の株式会社道北ラルズで、株式会社道北アークスの前身企業)に資本参加し子会社化。
  • 1998年(平成10年)9月 – 株式会社ラルズ、株式会社ユニークショップつしまとの共同出資により、株式会社北海道流通企画を設立。
  • 2000年(平成12年)5月 – 株式会社いちまる(北海道帯広市)に20%資本参加し、関連会社とする。
  • 2002年(平成14年)11月1日 – 商号を株式会社アークスに変更し、同時に、会社分割により事業を新設の(新)株式会社ラルズに移管して、純粋持株会社へ移行。また、株式交換により株式会社福原を完全子会社として、経営統合。
  • 2004年(平成16年)
    • 2月 – 株式会社ユニークショップつしま(北海道函館市、現在の株式会社道南ラルズ)を子会社化。
    • 3月 – 東京証券取引所二部に上場。
    • 10月 – 株式会社ふじ(北海道旭川市、現在の株式会社道北アークス)と株式交換を行い、子会社化。
  • 2005年(平成17年)
    • 2月 – 東京証券取引所一部に指定替え。
    • 3月 – 株式会社いちまると資本・業務提携を解消。
  • 2007年(平成19年)2月 – 株式会社エルディと株式会社カインズ(本社:群馬県高崎市)との業務提携。
  • 2008年(平成20年)10月 – 本社事務所を札幌市豊平区平岸1条1丁目9-6から、札幌市中央区南13条西11丁目2-32に移転。
  • 2009年(平成21年)
    • 10月 – 株式会社札幌東急ストア(現在の株式会社東光ストア)の全株式を取得し完全子会社化。
    • 11月 – 株式会社札幌東急ストアの商号を株式会社東光ストアに変更。
  • 2010年(平成22年)2月3日 – 札幌証券取引所に上場。
  • 2011年(平成23年)
    • 6月29日 – 株式会社ユニバースを経営統合すると発表。
    • 9月7日 – アークス及びユニバースの2社が、同日にそれぞれ開かれた臨時株主総会において、経営統合に対する議案を承認。同年10月21日付けでアークスはユニバースを同社の事業子会社化することが正式に決定[10]
    • 10月21日 – 株式会社ユニバースを完全子会社化。
    • 11月9日 – 株式会社篠原商店を完全子会社化。
  • 2012年(平成24年)
    • 4月16日 – 同年9月1日に岩手県盛岡市のジョイスを子会社化すると発表した[11][12]
    • 5月1日 – 同年7月17日株式会社ふじを存続会社として株式会社道北ラルズを吸収合併し、株式会社道北アークスに商号変更をすることを発表した[13]
    • 7月1日 – 当初の予定を前倒し、株式会社ふじを存続会社として株式会社道北ラルズを吸収合併し、株式会社道北アークスに商号変更。
    • 9月1日 – 株式会社ジョイスを完全子会社化。
  • 2014年(平成26年)
    • 5月14日 – 同年9月1日に岩手県盛岡市の株式会社ベルプラスを子会社化すると発表した[14]
    • 9月1日 – 株式会社ベルプラスを完全子会社化。
  • 2016年(平成28年)
  • 2018年(平成30年)12月25日 – 株式会社バローホールディングス、株式会社リテールパートナーズと資本業務提携を締結[17][18]、後に「新日本スーパーマーケット同盟」を結成[19]
  • 2019年(令和元年)9月1日 – 宮城県仙南地方を中心に食品スーパーを9店舗展開している伊藤チェーンを株式交換により子会社化[20]
  • 2020年(令和2年) – 栃木県のスーパー「オータニ」と経営統合することで基本合意した。2021年3月1日に経営統合し、オータニはアークスの完全子会社になる予定[21]
  • 2021年(平成3年)
    • 2月26日 – アークスは、上述のオータニの経営統合を3月1日の予定から延期し、第1四半期中[注 1]を目途とすると発表した[22]
    • 4月14日 – オータニを完全子会社化[23]

グループ企業[編集]

スーパーマーケット事業[編集]

グループ名を冠した店舗である「スーパーアークス」。月寒東店(北海道札幌市豊平区、ラルズ運営、2011年12月)
  • 株式会社ラルズ(北海道札幌市) – 札幌市を中心とした道央圏で展開。食品スーパー(スーパーアークスなど)、衣料品・生活用品店(ラルズプラザ)、ショッピングセンター(パストラル)を有する。2002年に旧ラルズ(商号変更後にアークスとなった)から小売事業等を譲渡されたもので、法人としては2代目。
  • 株式会社東光ストア(北海道札幌市) – 元は東急グループの株式会社札幌東急ストアで、2009年にアークスの子会社となり株式会社東光ストアへ商号変更。
  • 株式会社道東アークス(北海道北見市) – 北見市を中心とした道東圏で展開。グループ内の事業調整で一部福原と店舗を入れ替えている。2016年に株式会社篠原商店を吸収合併した株式会社道東ラルズから商号変更。
  • 株式会社福原(北海道帯広市) – 帯広市・釧路市を中心に食品スーパーを展開。グループ内の事業調整で一部道東アークスと店舗を入れ替えている。このほか、旅行代理店、温泉施設運営を行っている。
  • 株式会社道北アークス(北海道旭川市) – 2012年に株式会社道北ラルズを吸収合併した株式会社ふじから商号変更。
  • 株式会社道南ラルズ(北海道函館市) – 函館市を中心とした道南圏で展開。
  • 株式会社ユニバース(青森県八戸市) – 東北地方(青森県・岩手県・秋田県)で展開。
  • 株式会社ベルジョイス(岩手県盛岡市) – 東北地方(青森県・岩手県・宮城県)で展開。2016年に株式会社ベルプラスを吸収合併した株式会社ジョイスから商号変更。
  • 株式会社伊藤チェーン(宮城県柴田町) – 宮城県で展開。2019年に株式交換により完全子会社化。
  • 株式会社オータニ(栃木県宇都宮市) – 北関東(栃木県・埼玉県)で展開。2021年に完全子会社化。アークスの傘下になる前からオール日本スーパーマーケット協会に加盟していたため、唯一CGC非加盟

その他[編集]

  • 株式会社エルディ – ビルメンテナンス、保険代理業務、ホームセンター事業(カインズをフランチャイズ運営)、DEP事業(パレットプラザ)を展開する。また2018年9月に福原から旅行事業の移管を受け「アークストラベル」の名称で旅行業を運営。
  • 株式会社サンドラッグエース(北海道札幌市) – サンドラッグとアークスの合弁会社で、ドラッグストア事業を展開。持株比率はサンドラッグ6:アークス4。2016年にエルディとドラッグ・ユー(ユニバースの完全子会社)からドラッグストア事業を継承している。
  • 株式会社イワイ – 北海道のアークスグループ店舗の酒販部門を担当する事業子会社。

かつてのグループ企業[編集]

  • 株式会社ホームストア(北海道室蘭市) – 2008年に株式会社ラルズへ吸収合併される。
  • 株式会社道北ラルズ(北海道旭川市) – 2012年に株式会社ふじへ吸収合併される。株式会社道北アークスの前身。
  • 株式会社篠原商店(北海道網走市) – 2016年に株式会社道東ラルズへ吸収合併される。株式会社道東アークスの前身。
  • 株式会社ベルプラス(岩手県盛岡市) – 2016年に株式会社ジョイスへ吸収合併される。株式会社ベルジョイスの前身。

アークスRARAカード[編集]

アークスRARAカード

アークスRARAカードは、2008年4月より導入したアークスグループ共通のポイントカードである。当初はRARAカード(現金)とRARA JCBカードの2種類であったが、2012年11月より現在のラインアップとなった。

共通の機能としてアークスグループ各店(ユニバース・ジョイスは2013年より順次導入)での買い物を対象としたRARAポイントが備わっている。また、2009年10月からグループ外にもRARAポイント対象を拡げ、ガソリンスタンドやタクシーなどでの利用でポイントを貯めることもできる(カードにより支払い方法が限定される)。

ラインナップ
現金カード。
汎用型リロードタイプのプリペイドカード。1,000円単位で1回につき最大29,000円チャージして最大50,000円まで蓄積して利用。提携先は出光クレジット。
ハウスカード。提携先は日専連系クレジット会社各社(北海道地区ではニッセンレンエスコートなど6社、東北地区では日専連ホールディングス(青森)と日専連パートナーズ(岩手)が対象。[24]なおベルジョイスの各ブランドが出店し、宮城県をエリアとしている日専連ライフサービス発行のカードは対象外[25])。
QUICPayを搭載したクレジットカード。提携先はジェーシービー。
iD(グループでの対応は2013年3月より)を搭載したクレジットカード。クレジット利用でポイント率も上がる。提携先は道銀カード・三井住友カード。
  1. ^ アークスの決算期は2月末であるため、第1四半期は5月中までとなる。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]