ブルノ – チェスカー・トルジェボヴァー線 – Wikipedia

ブルノ – チェスカー・トルジェボヴァ線
基本情報
 チェコ
起点 チェスカー・トルジェボヴァ駅
終点 ブルノ中央駅
駅数 27駅
路線番号 260
開業 1849年1月1日
所有者 チェコ鉄道
運営者 鉄道施設公団 (チェコ)
路線諸元
路線距離 90.1 km
軌間 1435 mm(標準軌)
電化区間 全区間
電化方式 3000 V(直流)チェスカー・トルジェボヴァ – スヴィタヴィ
25000 V / 50 Hz(交流)スヴィタヴィ – ブルノ
架空電車線方式
最高速度 140 km/h
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停車場・施設・接続路線

ブルノ – チェスカー・トルジェボヴァー線(チェコ語;Železniční trať Brno – Česká Třebová)は、チェコ国鉄の鉄道線の名称である。路線番号は260。この区間は現在、ドイツ・チェコとオーストリア・スロヴァキア・ハンガリーを結ぶ国際幹線としての役割を担って、汎ヨーロッパ回廊6号路線の一部である。

オーストリア北部国有鉄道(NStB)の路線網

1843年イタリアの建設会社タラチノ社がこの路線の建設に着手した。しかし、過度な予算節減措置のため、労働者の処遇が悪化されて、チフス、アメーバ症なとの感染症が頻発した。1849年1月1日に、ブルノ – チェスカー・トルジェボヴァー間がオーストリア北部国有鉄道(k.k. Nördliche Staatsbahn, NStB)により開業した。1869年、ブルノ – ヴィシコフ間が皇帝フェルディナント北部鉄道の路線として開業した。

また2019年まで、ブルノ – ヴィシコフ間の路線番号は300であった。なお010線側での工事のため、2021年4月より超特急列車の運行ルートが変更され[1]、国内の特急列車中心の運行となっている。

運行形態[編集]

超特急「ユーロシティ(EC)」[編集]

  • メトロポリタン号: プラハ ← トルジェボヴァー ← ブルノ ← ブダペスト
    夜間に一日1本のみの運行。トルジェボヴァー以西は010号線に、ブルノ以南は250号線から直通する。
    過去の運行形態

    2017年以前は、2時間に1本運行していて、ブルノ – トルジェボヴァー間ノンストップであった。列車によって愛称がばらばらであった。下のRJと合わせて1時間ヘッドになる様なダイヤが組まれていた。
    2017年末に、愛称が「フンガリア」「メトロポリタン」「メトロポリタン・スロヴェンスカー・ストレラ」の3種類に整理された。
    2019年度に限り、ジデニツェ通過、ブルノ下駅経由であった。
    2021年4月に、大部分がハヴリーチクーフ・ブロド経由にルート変更され、夜間の片道1本のみの減便された。また停車駅に、ブランスコ、レトヴィツェ、スヴィタヴィ、チェスカー・トルジェボヴァーが追加された。[1]

超特急「レイルジェット(railjet)」[編集]

  • ブルニェンスキー・ドラク号: プラハ – トルジェボヴァー – ブルノ
    平日・土曜日に、ブルノ発プラハ行が一日1本運行される。
    2019年以前は、ブルジェツラフ発着であった他、全列車トルジェボヴァー停車であった。2019年度に限り、ジデニツェに停車し、ブルノ本駅ではなくブルノ下駅を経由していた。2020年度に限り、金曜日と日曜日に限って一日1往復が増発され、この列車はブルノ – パルドゥビツェ間ノンストップであった。
  • 過去の運行系統
    • ヴィンドボナ号: プラハ – トルジェボヴァー – ブルノ – グラーツ
      2時間に1本運行していた。トルジェボヴァー以西は010号線に、ブルノ以南は250号線に直通していた。プラハ~ブルノ間は、上のECと合わせて1時間ヘッドになる様なダイヤが組まれていた。基本的に260号線の途中駅は全て通過するが、深夜のグラーツ/ブルノ発プラハ行1本に限りいくつかの途中駅に停車していた。
      2019年度に限り、ジデニツェに停車し、ブルノ本駅ではなくブルノ下駅を経由していた。
      2021年4月に、ハヴリーチクーフ・ブロド経由にルート変更された。[1]

特急「インターシティ(IC)」[編集]

  • イルジー・ボウダ号: プラハ → トルジェボヴァー → ブルノ
    一日片道1本のみ運行している。トルジェボヴァー以西は010号線に直通する。途中、スヴィタヴィとブランスコにも停車する。
    過去の運行状況
    2018年末に設定された。当時はジデニツェ停車で、ブルノ下駅経由であった。
    2019年末に、ジデニツェ通過、ブルノ本駅経由となった。

  • 過去の運行列車
    • ズデニェク・フィビヒ号: プラハ – トルジェボヴァー – ブルノ – ブルジェツラフ
    • フランチシェク・クモフ号: プラハ ← トルジェボヴァー ← ブルノ
    • レオシュ・ヤナーチェク号: プラハ → トルジェボヴァー → ブルノ
      2015年末に、ユーロシティ(EC)の一部(クモフ号)とエクスプレス(Ex)の一部(フィビヒ号)を種別変更することにより運行開始した。一日1往復、「ズデニェク・フィビヒ」号が、プラハ – トルジェボヴァー – ブルノ – ブルジェツラフ間に運行されていた。その他、ブルノ発プラハ行の「フランチシェク・クモフ」号も運行された他、土曜日には「レオシュ・ヤナーチェク」号がプラハ→ブルノ間に片道1本運行されていた。2017年度以降は、エクスプレス(Ex)として運行している。
      2016年末に、ヤナーチェク号はレイルジェットに吸収され、クモフ号はエクスプレス(Ex)に格下げとなった。フィビヒ号のブルジェツラフ方面はレギオジェット(RJ)に置き換えられ、プラハ方面の片道1本のみが残った。
      2017年末に、残りのフィビヒ号もレイルジェットに格上げとなり消滅したが、代わりにメトロポリタン号(後にメトロポル号)が設定された。
    • メトロポル号: プラハ – トルジェボヴァー – ブルノ – ブダペスト
      2017年末に、エクスプレス(Ex)のうち1往復をインターシティ(IC)に格上げして設定された。当時の愛称名は「メトロポリタン」。うち早朝のプラハ行に関しては、2016年度のインターシティとして運行していたクモフ号で、ブルノ – トルジェボヴァー間ノンストップであった。また、深夜のブルジェツラフ方面行は、ブランスコ、レトヴィツェ、スヴィタヴィにも停車していた。トルジェボヴァー以西は010号線に、ブルノ以南は250号線に直通していた。
      2018年末に、ジデニツェ停車となり、ブルノ下駅経由となった。
      2019年末に、ジデニツェ通過、ブルノ本駅経由に戻された上に、メトロポル号がブルノ – トルジェボヴァー間ノンストップとなった。
      2021年4月に、ハヴリーチクーフ・ブロド経由にルート変更された。[1]

特急「リフリーク(R)」[編集]

  • スヴィタヴァ号: プラハ~トルジェボヴァー~ブルノ本駅
    2時間に1本運行している。トルジェボヴァー以西は010号線に直通する。
    過去の運行状況
    かつては、全列車がジデニツェ、アダモフ、ブランスコ町を通過していた。
    2017,18年度に限り、特別リフリーク(Rx)として運行していた。
    2019年度はリフリーク(R)に戻されたが、ジデニツェが停車駅に加えられた。
    2019年度末に、大部分がジデニツェ通過となった他、アダモフ、ブランスコ町に停車する列車や、スカリツェ、レトヴィツェ、ブルジェゾヴァー通過の列車が設定された。

  • ボウゾフ号: シュンペルク → ヴィシコフ → ブルノ
    一日あたり、片道2本の運行。ヴィシコフ以東は300号線に直通する。平日は朝・夜に、休日は夜に2本運行され、平日朝の便のみクルジェノヴィツェ、ウーイェズド、フルリツェに停車する。
    過去の運行状況
    2018年以前は、平日1本、休日2本の運行であった。当時は全列車がヴィシコフ – ブルノ間ノンストップであった。
    2019年度に、ブルノ本駅 – フルリツェ間が休止されたため、休止。
    2019年末に、平日2本、休日2本で復活。

快速「スピェシニー(Sp)」[編集]

  • (ホツェニ ← ) チェスカー・トルジェボヴァー – ブルノ ( → イェセニーク) 【平日・土曜運行】
    平日は朝のブルノ行と午後のトルジェボヴァー行のみ、一日2.5往復が運行する。土曜日は朝のブルノ経由イェセニーク行片道1本のみの運行。レトヴィツェ以北は各駅に停車し(ただし一部駅を通過する便もある)、うち、トルジェボヴァー方面の片道1本のみ、010号線のホツェニまで乗り入れる。また平日・土曜とも、朝の片道1本が300号線に特急として直通し、イェセニークまで直通する。停車駅は列車により異なるが、アダモフは全列車が停車する。
    過去の運行形態
    2018年以前は一日3.5往復の運行であった。ラーイェツは、トルジェボヴァー行の全列車が停車していた他、ラチノフは停車列車の方が多かった。また、オパトフ通過の列車も設定されていた。
    2019年度に、全列車ジデニツェ停車、ビーロヴィツェ通過に変更された他、北行にもラーイェツ通過の列車が設定された。
    2020年度に、早朝のブルノ行1本が減便(新設されたブランスコ町、アダモフ、ジデニツェ停車の特急が代替)、さらに1本がブルノ下駅乗り入れとなり、2.5往復の運行となった。多くがジデニツェ通過、ビーロヴィツェ停車に戻された。また、ラチノフは大部分が通過となり、オパトフは全列車停車となった。

  • チェスカー・トルジェボヴァー → ジデニツェ → ブルノ下駅 【平日運行】
    平日のみ、片道1本のみの運行する。ジデニツェから251号線に乗り入れる。アダモフ、ビーロヴィツェを通過し、ジデニツェに停車する。
    過去の運行形態
    2017年以前はジデニツェ通過で、他の快速と同様ブルノ本駅着であった。
    2017年末にジデニツェ停車となった。
    2019年末に、ブルノ下駅着に変更された。

普通[編集]

区間毎に、下記3系統に分かれている。

  • (ヴィシコフ – ) クルジェノヴィツェ – ブルノ – レトヴィツェ
    ブルノ – ラーイェツ・イェストルジェビー間は本数が多く、平日は30分に1本、休日は1時間に1本の運行。ブルノから離れるにつれて本数が少なくなり、レトヴィツェまでは1時間に1本の運行。ブルノ – クルジェノヴィツェ間は平日1時間に1本、休日2時間に1本の運行。クルジェノヴィツェ~ヴィシコフ間は、深夜のブルノ発ヴィシコフ行・早朝のヴィシコフ発レトヴィツェ行のみ、一日1往復の運行。
    2019年度に限り、ブランスコ以南でも休日30分に1本の運行で、またブルノ – フルリツェ間は運休していた。また2019年以前は、ブルジェゾヴァーまで運行しており、レトヴィツェ以北は2時間に1本(休日は時間帯により4時間に1本)の運行であった。
  • レトヴィツェ – トルジェボヴァー
    ブルジェゾヴァー以南は2時間に1本の運行だが、ブルジェゾヴァー以北は最大4時間間隔が空き、トルジェボヴァー – スヴィタヴィ間は1-4時間に1本の運行となっている。
    2019年以前は、ブルジェゾヴァーで系統が分かれており、南側は上記レトヴィツェ以南の系統の一部として、ブルノまで直通していた。ブルジェゾヴァー – スヴィタヴィ間は一日3-4往復、スヴィタヴィ – トルジェボヴァー間は一日7-8往復の運行であった。平日の場合、午前のレトヴィツェ方面、午後のトルジェボヴァー方面は本数が少なく、スヴィタヴィ以北は各駅に停車する快速と合わせて終日2時間に1本程度の運行となっていた(ただし、4時間以上間隔が空く時間帯もあった)。

過去の運行種別[編集]

  • 寝台特急「ユーロナイト(EN)」
    2018年以前、一日1往復、「メトロポル」号がプラハ~パルドゥビツェ~ブルノ~ブダペスト/ヴィーン間を運行していた。トルジェボヴァー以西は010号線を、ブルノ以南は250号線に直通していた。
  • 超特急「レギオジェット(RJ)」
    • プラハ – トルジェボヴァー – ブルノ – ウィーン/ブラチスラヴァ
      2016年末に、一日3往復で運行を開始した。また、全列車がトルジェボヴァー – ブルノ本駅間ノンストップであった他、大多数がトルジェボヴァーにも停車していた。トルジェボヴァー以西は010号線に、ブルノ以南は250号線に直通していた。
      2017年末に、2時間に1本に増発された。原則としてトルジェボヴァー通過・ジデニツェ停車に変更され、またアダモフ、ブランスコ、レトヴィツェ、スヴィタヴィに停車する列車も設定された。
      2019年度に限り、ブルノ下駅経由であった。
      2019年末に、ブルノ本駅経由に戻された。
      2021年4月に、全列車ハヴリーチクーフ・ブロド経由にルート変更された。[1]
    • プラハ – トルジェボヴァー – ブルノ本駅
      2019年以前は一日片道1本の運行で、途中、スヴィタヴィ、レトヴィツェ、ブランスコ、ジデニツェに停車していた。トルジェボヴァー以西は010号線から直通していた。
      2020年度は一日2往復に増発され、スカリツェ停車に深夜便がアダモフにも停車していた。早朝はプラハ行が運行され、1本がジデニツェのみ停車、1本が追加でアダモフ、ブランスコ、スカリツェ、レトヴィツェ、スヴィタヴィ停車であった。深夜はブルノ行が運行され、2本ともスヴィタヴィ・ジデニツェに停車するが、1本がレトヴィツェ/ブランスコ停車、残りの1本がスカリツェ停車であった。
      2021年4月に、全列車ハヴリーチクーフ・ブロド経由にルート変更された。[1]
  • 特急「エクスプレス(Ex)」
    プラハ – トルジェボヴァー – ブルノ間に、一日2.5往復運行していた。トルジェボヴァー以西は010号線に直通していた。トルジェボヴァー – ブルノ間ノンストップが基本だが、トルジェボヴァー通過が1往復、リフリーク(Rx)並の停車駅の列車がブルノ行片道1本設定されていた。
    2016年度は、平日一日2往復、休日一日1往復の運行で、その他1.5往復がインターシティ(IC)として運行されていた。2015年以前は、平日一日1往復のみの運行で、インターシティ(IC)として運行されていた。
    2017年末に、1往復がインターシティに、ブルノ行1本がレイルジェットに格上げとなり、また1往復がレギオジェット(RJ)に置き換えられて消滅。
  • 特急「リフリーク(R)」
    2016年以前に、2時間に1本、プラハ~トルジェボヴァー~ブルノの系統が運行していた。現在の特別リフリーク(Rx)と同じ停車駅、ほぼ同じダイヤで運行していた。ただし、当時は夜間のプラハ発ブルノ行片道1本のみ、スカリツェとブルジェゾヴァーを通過しており、この列車はエクスプレス(Ex)に格上げとなった。

以下では、チェコ国鉄260号線の駅と営業キロ、停車列車、接続路線などを一覧表で示す。

  • 種別
    • IC:超特急「インターシティ」
    • EC:超特急「ユーロシティ」
    • rj:超特急「レイルジェット」
    • R:特急「リフリーク」
    • Sp:快速
    • Os:普通
  • 停車駅
    • 印:全列車停車
    • 印:一部通過
    • ▽↑印:トルジェボヴァー方面行の大部分が停車、ブルノ方面行は通過
    • 印:ブルノ方面行の大部分が停車、トルジェボヴァー方面行は通過
    • 印:一部停車
    • |印:全列車通過

(*1) 300号線直通列車は全てヴィシコフまたはロウシーノフ – ブルノ本駅間ノンストップ。

参考文献[編集]

  • Herbert Dietrich (1987). “Die Vorläufer der Staatseisenbahngesellschaft (StEG)” (ドイツ語). Eisenbahn (2): S. 21–24. ISSN 0013-2756. 
  • Richard Heinersdorff (1975) (ドイツ語). Die k. und k. privilegierten der österreichsch-ungarischen Monarchie 1828-1918. Wien u. a.: Molden. ISBN 3-217-00571-6