君の名は。 (アルバム) – Wikipedia

君の名は。』(きみのなは)は、RADWIMPSのサウンドトラック。新海誠監督の長編アニメーション映画『君の名は。』のために制作された映画音楽を収録。2016年8月24日に、EMI Records(ユニバーサルミュージック)から発売された。

RADWIMPSは、2016年8月26日公開の新海誠監督の長編アニメーション映画『君の名は。』ですべての劇中音楽を担当しており、このアルバムはそれらを収録したサウンドトラックである。新海がこの映画の脚本を書き始めた頃、プロデューサーから今作の音楽は誰とやりたいかを問われ、実現の可能性を考えずにRADWIMPSが好きだと答えたことがきっかけでオファーを受けた[11]。RADWIMPSは制作初期からこの映画に携わり、主題歌4曲と劇伴22曲の計26曲を制作した。

これまでRADWIMPSは、ボーカル・ギター担当の野田洋次郎が制作した楽曲のみを発表してきたが、今作にはギター担当の桑原彰や、ベース担当の武田祐介が作曲した楽曲も収録された[12]

エンディング曲『なんでもないや』に関して、「今になってようやく何かが分かった」というニュアンスの曲を、というヒントの提示が新海監督からあった[13]

主題歌の1曲「前前前世 (movie ver.)」は、2016年7月5日放送のラジオ番組『SCHOOL OF LOCK!』にて初オンエアされ[14]、同年7月25日からは音楽配信サイトにて先行配信された[15]。また、ミュージックビデオは同年8月19日放送のテレビ朝日系『ミュージックステーション』内で初公開され[16]、同日にYouTubeでも公開された。同年8月26日放送の『ミュージックステーション 2時間スペシャル』では、RADWIMPSが地上波音楽番組に初出演して披露した[17]

2017年に映画が北米とカナダでも公開されるにあたり、野田が「前前前世」「夢灯籠」「スパークル」「なんでもないや」に英語詞をつけて、「Zenzenzense (English ver.)」「Dream lantern (English ver.)」「Sparkle (English ver.)」「Nandemonaiya (English ver.)」の楽曲名で英語版の映画主題歌として採用され、『君の名は。English edition』として1月27日に配信リリース、2月22日にはCDが日本で販売。また、本サウンドトラックに英語詞の4曲を収録したサウンドトラック盤が『Your name. (deluxe edition / Original Motion Picture Soundtrack)』として、3月10日にアメリカで発売された[18]

本楽曲に収録されているインスト曲のうち「糸守高校」「三葉のテーマ」「秋祭り」「記憶を呼び起こす瀧」はRADWIMPSのライブにて主に野田のピアノソロにて演奏されており、「三葉のテーマ」「秋祭り」はRADWIMPSの映像作品でもクレジットされている。
「三葉のテーマ」は「スパークル [original ver.]」とセットで披露されることもある。

リリース[編集]

今作は初回限定盤と通常盤の2形態で発売された。初回限定盤には、RADWIMPSと新海の対談映像や新海のインタビュー映像、野田によるスタジオライブ映像などが収められたDVDと、映画の場面写真やバンドの撮り下ろしカット、劇伴のピアノ譜が掲載されたブックレットが付属した。

2017年2月22日にはアナログ盤が『人間開花』のアナログ盤と同時に発売された。

店舗特典
対象店舗 特典内容
Loppi(全国のローソン・ミニストップ)・HMV CDサイズカード「前前前世」ver.
TOWER RECORDS CDサイズカード「スパークル」ver.
Amazon.co.jp CDサイズカード「なんでもないや」ver.
上記以外のCDショップ CDサイズカード「夢灯籠」ver.

チャート成績[編集]

オリコンチャート[編集]

8月23日付のオリコンデイリーアルバムランキングでは1.7万枚を売り上げ1位にランクインした。9月5日付のオリコン週間アルバムランキングでは、5.8万枚を売り上げ1位にランクイン。RADWIMPSにとって初のアルバム首位獲得となった[19]。アニメのサウンドトラックによる週間1位獲得は、2014年の『アナと雪の女王 オリジナル・サウンドトラック』が達成して以来、2年ぶりとなった。さらに、翌週の9月12日付でも3.9万枚を売り上げて首位を守り、自身初の2週連続1位を獲得した[20]

オリコン週間アルバムランキング順位・売上枚数
順位 売上枚数
1週目 (8月22日-28日集計、9月5日付) 1位 5万7878枚
2週目 (8月29日-9月4日集計、9月12日付) 1位 3万8722枚
3週目 (9月5日-11日集計、9月19日付) 2位 4万8190枚
4週目 (9月12日-18日集計、9月26日付) 2位 4万0711枚
5週目 (9月19日-25日集計、10月3日付) 3位 3万5101枚
6週目 (9月26日-10月2日集計、10月10日付) 4位 2万5190枚
7週目 (10月3日-9日集計、10月17日付) 6位 1万7697枚
8週目 (10月10日-16日集計、10月24日付) 4位 1万7091枚
9週目 (10月17日-23日集計、10月31日付) 6位 1万3603枚
10週目 (10月24日-30日集計、11月7日付) 8位 1万0917枚

8月度の月間アルバムランキングでは1位にランクイン。これまで最高記録だった『アルトコロニーの定理』の月間2位を上回り、自身初の月間1位獲得となった[3]。さらに、9月度でも1位にランクインし、2か月連続の1位獲得となった[4]。初動は以前の4作のオリジナルアルバムを大きく下回るも、映画の大ヒットも手伝って、オリコンチャートで稀にみるロングセラーを記録し、2017年の時点でRADWIMPSのすべてのオリジナルアルバムの売上を上回る結果となった。

Billboard Japan[編集]

Billboard JAPANにおいてはHot Albumsにて4週連続、Top Albums Salesにて2週連続1位を獲得[21][22]。一方、先行配信されていた「前前前世 (movie ver.)」も、映画公開とアルバムリリースに後押しされる形でHot Animationにおいて、10月24日付[23]で関ジャニ∞「パノラマ」に首位を阻まれるまで8週連続で1位を守り続けた[24][25][26][27][28]。また、Hot 100ではチャート・イン回数が13週目で総合首位を獲得した[29]。年間チャートにおいてもアニメチャートとラジオ・エアプレイチャートの2部門において年間1位を獲得している[9][10]

その他[編集]

さらに、このアルバムの関連楽曲が各配信サイトで史上初の51冠を獲得[42]。iTunes週間アルバムチャートでは3週連続1位を獲得し、iTunes週間ソングランキングでは1位から4位までを今作に収録されている楽曲が2週連続で独占。同一アーティストの楽曲が1位から4位までを独占するのは史上初である[43]

「前前前世」は日本音楽著作権協会(JASRAC)の著作権使用料分配額(国内作品)ランキングで2017年度の年間8位[44]を獲得した。

2019年3月1日には、ソニー・ミュージックエンタテインメントのアニメソング人気投票キャンペーン「平成アニソン大賞」において「前前前世 (movie ver.)」が映画主題歌賞(2010年 – 2019年)に選出された[45]

収録内容[編集]

CD (初回限定盤・通常盤)
全編曲: RADWIMPS、ストリングスアレンジ: RADWIMPS、ストリングスアレンジ協力: 徳澤青弦。
# タイトル 作詞 作曲 時間
1. 「夢灯籠」 野田洋次郎 野田洋次郎
2. 「三葉の通学」   野田洋次郎
3. 「糸守高校」   野田洋次郎
4. 「はじめての、東京」   野田洋次郎
5. 「憧れカフェ」   桑原彰
6. 「奥寺先輩のテーマ」   野田洋次郎
7. 「ふたりの異変」   桑原彰
8. 「前前前世 (movie ver.)」 野田洋次郎 野田洋次郎
9. 「御神体」   野田洋次郎
10. 「デート」   野田洋次郎
11. 「秋祭り」   野田洋次郎
12. 「記憶を呼び起こす瀧」   野田洋次郎
13. 「飛騨探訪」   野田洋次郎
14. 「消えた町」   武田祐介
15. 「図書館」   武田祐介
16. 「旅館の夜」   野田洋次郎 / 武田祐介
17. 「御神体へ再び」   野田洋次郎
18. 「口噛み酒トリップ」   野田洋次郎
19. 「作戦会議」   野田洋次郎
20. 「町長説得」   武田祐介
21. 「三葉のテーマ」   野田洋次郎
22. 「見えないふたり」   野田洋次郎
23. 「かたわれ時」   野田洋次郎
24. 「スパークル (movie ver.)」 野田洋次郎 野田洋次郎
25. 「デート2」   野田洋次郎
26. 「なんでもないや (movie edit.)」 野田洋次郎 野田洋次郎
27. 「なんでもないや (movie ver.)」 野田洋次郎 野田洋次郎

合計時間:

DVD (初回限定盤)
# タイトル 作詞 作曲・編曲
1. 「レコーディング風景」    
2. 「ピアノソロスタジオライブ(演奏:野田洋次郎):「三葉のテーマ」「秋祭り」」    
3. 「RADWIMPS、アニメーション製作スタジオ訪問の模様」    
4. 「新海誠監督 × RADWIMPS 対談」    
5. 「新海誠監督インタビュー」    

参加ミュージシャン[編集]

RADWIMPS[編集]

  • 野田洋次郎:Vocal, Guitar, Piano
  • 桑原彰:Guitar
  • 武田祐介:Bass
  • RADWIMPS:Strings Arrangement

Additional Musician[編集]

  • 徳澤青弦:Strings Cooperation
  • 森瑞希:Drums

外部リンク[編集]