広末涼子 – Wikipedia

広末 涼子(ひろすえ りょうこ、1980年〈昭和55年〉7月18日 – )は、日本の女優。かつては歌手としても活動していた。本名:廣末 涼子(読み同じ)[3][4]。夫はキャンドルアーティストのCANDLE JUNE。高知県高知市出身。フラーム所属。1990年代後半に「ヒロスエブーム」を巻き起こし、ややボーイッシュな中性的イメージで当時のグラビア界を席巻した[5]

来歴

高知市立追手前小学校(閉校)[6]、高知市立城北中学校、品川女子学院高等部卒業。早稲田大学教育学部国語国文学科中退[7]

予定日より1か月早く生まれ体重2000gほどで、産まれた時に息をしてなかったため、医者が叩いて「生命力が強いから大丈夫ですよ」と母に対して言ってくれたという[8]。子供の頃は実家の店があるアーケードでローラースケートをしたり[9]、川遊びをしていた[10]

1992年10月、小学6年生の頃に四国四県を結ぶテレビ授業『1992年四国子供TVサミット』が行われ、小学校代表で広末が司会をする様子や、NHKの記者からインタビューを受ける映像(NHK高知放送局で保管)がファミリーヒストリー(2021年2月15日放送)で流れた。当時の担任教諭によると「テレビ授業のリハーサルの時に香川県の小学校からさっきのかわいい子、もう一回映してくれませんかと言われており、県外の子から見てもかわいい存在だったんじゃないでしょうか」と証言している[11]

1993年4月、高知市立城北中学校に入学。陸上部に所属し、走り高跳びの選手として県大会で2位入賞を果たした。元阪神タイガースの藤川球児は中学時代の同級生である[12]

幼少期より芸能界への憧れを持ち[5]、中学1年生の時の文集には「15歳の時-輝くモデルデビュー、18歳の時-芸能界に入り女優になる」と書いて、実現している[13]

芸能界へ入る

1994年
中学2年生の頃に雑誌で見つけたCMオーディションに応募し、第1回クレアラシル「ぴかぴかフェイスコンテスト」でグランプリを受賞[13]
1995年
クレアラシルのCMでデビュー。6月12日、『ハートにS』でドラマデビュー。
1996年
3月、高知市立城北中学校を卒業。
4月、品川女子学院高等部に入学。進学を機に高知から上京して、神奈川県横浜市の伯母夫婦宅で暮らし始める[13]
様々なCMに出演していたが、この年に出演したNTTドコモポケベルのCM「広末涼子、ポケベルはじめる」で一躍有名になる[13]
9月30日、初写真集の『H』『R』を同時発売。出版科学研究所調べ、2003年6月までの集計で46万8000部(2冊計)[14] のベストセラー。続く1998年のセカンド写真集『No Make』も同集計で26万部[15] を記録した。
1997年
3月13日、糸井重里の企画から「スターフォックス64」のCM撮影が行われた。150人もの若手お笑いタレントが起用され、撮影は深夜から早朝にかけて行われていた[16]
4月15日、竹内まりやプロデュースによる「MajiでKoiする5秒前」で歌手デビューし、約60万枚のヒットを記録。続く岡本真夜プロデュースのセカンドシングル「大スキ!」もオリコン1位を獲得。
同年にファンクラブ「RHフレンドル」発足(2008年12月に解散)1996年7月発行の第1号を皮切りに年4回ファンクラブ会報を発行していた。
7月26日、原将人監督による『20世紀ノスタルジア』で映画初主演。同作での演技により、映画賞の新人賞を総なめにした。
12月31日、『第48回NHK紅白歌合戦』に初出場し「大スキ!」を歌った。女性アイドル歌手がデビュー年に紅白に出場したのは1980年の松田聖子・岩崎良美以来17年ぶりのことである。
1998年
10月10日、『銀河の約束』で初舞台。
11月25日、早稲田大学教育学部国語国文学科に自己推薦入試で合格[17]
1999年
2月6日、初コンサート『RH DEBUT TOUR 1999』を日本武道館、名古屋レインボーホール、大阪城ホールの3か所で行う。
4月、早稲田大学教育学部に入学するも、3か月間登校しなかったため批判が集まる[18][19]。3か月後の初登校時はマスコミが100人以上集まる騒動となった[20]。同年の映画『秘密』に主演。シッチェス・カタルーニャ国際映画祭最優秀主演女優賞を受賞。同年は映画『鉄道員』にも出演している。
2001年
7月に主演したフジテレビのドラマ『できちゃった結婚』の収録期間中での奇行が報じられる[2][21]。詳細は『できちゃった結婚 (テレビドラマ)#エピソード』を参照。
2002年
女優業に専念するため、2月27日ベストアルバム「広末涼子 Perfect Collection」の発売を最後に音楽活動を休止する。
2003年
10月6日、「女優業に専念したい」との理由で早稲田大学を退学[2][22]
12月15日、モデルの岡沢高宏との結婚を発表。12月17日のYahoo!チャットイベント開催後に産休に入る。
2004年
1月17日、岡沢との結婚式・披露宴を挙行、4月10日、第1子の男児(長男)を出産。
2005年
7月4日、フジテレビ月9ドラマ『スローダンス』で女優復帰。7月15日、元横綱・朝青龍とともに「高知県観光親善大使」に任命される。
2006年
11月1日、ACC CMフェスティバル贈賞式に出席。出演している資生堂「TSUBAKI」のCMが演技賞を受賞した。
2008年
3月13日、自身のホームページにて岡沢と離婚したことを公表。
9月2日に出演した映画『おくりびと』が、第32回モントリオール世界映画祭でグランプリを受賞。また、第81回アカデミー賞授賞式で『おくりびと』が外国語映画賞を受賞。広末も授賞式に出席し、監督の滝田洋二郎、共演の本木雅弘、余貴美子らとともに壇上に立った。また、自身もヨコハマ映画祭最優秀助演女優賞を受賞。
2010年
1月3日、大河ドラマ(NHK)龍馬伝に出演。
10月8日、キャンドルアーティストのCANDLE JUNEと再婚。
2011年
3月22日、公式サイトにて第2子の男児(次男)の出産を発表。
9月、The Best of Beauty 2011を、牧瀬里穂、戸田恵梨香、溝端淳平、剛力彩芽とともに受賞[23]
2013年
6月4日、高知県のイメージキャラクターに選ばれ、県のPR「高知家」(高知県振興キャンペーンの名称)の活動を始めた[24]
2015年
7月17日、第3子女児(長女)の出産を報告[25]。なお、この第3子妊娠に伴い出演予定であったNHK大河ドラマ『花燃ゆ』の出演を辞退。
2016年
10月、第29回日本メガネベストドレッサー賞・芸能界部門(女性)を受賞[26]
2017年
5月29日放送分のフジテレビ系『貴族探偵』第7話で、約10年ぶりとなる月9ドラマ出演を果たす[27]
2021年
2月5日、歌手としてのデビューシングルを提供した竹内まりやと再びコラボレーションし、新曲「キミの笑顔」をYouTubeで配信した。コロナ禍で不安な日々を過ごす人々に贈るためアニメーションPVが制作された[28]。同楽曲はNHK「みんなのうた」2020年12月‐2021年1月の曲として放送された[29]
3月24日、2020年東京オリンピック聖火ランナーを辞退[30]。スケジュールの調整が出来ない為[30]

人物

ショートカットの髪型と活発な性格から幼少の頃から男の子に間違えられることが多く、中学時代には「女優になりたい」という夢を語ったところ周囲から「女優になるなら広末は吉本(興業)」と言われるほどであった[31]

ブログやTwitterなどのSNSは一切やっていない。理由としては、リアルな生活感を出しすぎると女優の仕事に影響が出ることや[32]、自分から発信すると違う受け取り方をする人もいることが怖いとのこと[33]。また、アイドル歌手をしていた時代には新曲の宣伝もかねてバラエティ番組出演も多かったが、女優に専念してからはバラエティにはあまり出ていない。2017年12月30日に「にじいろジーン」に出演した際に息子から「ママ調子乗ってんな」「世間には色んな受け取り方をされるから気をつけた方が良いよ」と言われたことを告白している[34]

前述のようにSNSはやらない方針であったが、2022年2月に期間限定でInstagramを始めた。2022年4月14日に発売するエッセイ本のプロモーション用アカウントである[35]

妹が一人いる。元衆議院議員の三村和也は母方の従兄。東大生だった三村が広末の家庭教師をしていた[36]

草彅剛の大ファンで彼の映画や舞台を必ず観ており、その事は『SMAP×SMAP』で共演した時に「草彅さんのは全部行かせていただいてます」「大好きで」と本人に伝えている[37]

アイドルとして人気絶頂だった20歳前後の時期、「この世界を見るのが好きだったのに、見る時間がなかった。アウトプットばかりでインプットがなくて、自分が成長しているのか不安になって。フランスで仕事をさせてもらった時には、日本の芸能界の矛盾みたいなものもすごく感じて、芸能界が汚れた世界に見えてしまった」「人を傷付けずにどうやったら仕事をやめられるかな」と考えて15キログラム体重を増やしたと後日トーク番組「サワコの朝」で告白した[38]。ただし、元々の体重が37キログラムだったため52キログラムになってもBMIで考えれば標準体重である。インターネット上では「広末の激太りは私の激やせ」「MAX体重が私の今の体重とほぼ同じなんだけど」「ダイエットの目標分かんなくなった」などの反応があった[39]

受賞歴

  • 1999年
  • 2000年
    • 第26回ザテレビジョンドラマアカデミー賞 助演女優賞(『Summer Snow』)
    • 第27回ザテレビジョンドラマアカデミー賞 助演女優賞(『オヤジぃ。』)
  • 2004年
  • 2008年
  • 2009年
  • 2012年
  • 2014年
  • 2015年
    • 第35回ハワイ国際映画祭 キャリア功労賞[40][41]
  • 2019年

出演

テレビドラマ

映画

舞台

  • 銀河の約束 (1998年) – 田中リマ 役
  • 四谷怪談 (2001年) – お袖 役
  • 幕末純情伝 (2003年) – 沖田総司 役
  • 飛龍伝 (2003年) – 神林美智子 役
  • 劇場スジナシ東京公演 (2006年) – 3日目のゲスト
  • キル (2008年) – シルク 役
  • ぼくに炎の戦車を (2012年) – 柳原松代 役
  • シャンハイムーン (2018年) – 許広平 役[62]

テレビアニメ

劇場アニメ

海外アニメ

Webテレビ番組

ラジオ

MV

バラエティ

ドキュメンタリー

  • いのちの響(TBS)
  • 四国スペシャル「龍馬 時を超える」〜発信、龍馬伝〜(2010年2月5日、NHK) – 四国地方で放送
  • 龍馬を愛した女たち〜ヒロインたちの龍馬伝〜(2010年3月6日、NHK)
  • ジブリ 創作のヒミツ〜宮崎駿と新人監督 葛藤の400日〜(2010年8月10日、NHK) – ナビゲーター

ナレーション

MC

  • テレ東音楽祭2019!思わず歌いたくなる!最強ヒットソング100連発!5時間生放送 (2019年6月26日、テレビ東京)[71]

CM

  • CHINTAI「お部屋探しには、ドラマがある 」『ガクセイCHINTAI』、『ぺやさがし』、『Woman.CHINTAI』(2018年1月4日 – )[76]
  • セガサミーホールディングス「パラダイスシティ」『広末涼子×ROSE&BUTTERFLY篇』、『広末涼子×BIRD&FISH篇』(2018年10月 – )[77]
  • トリコ「FUJIMI(フジミ)」『FUJIMI 私の肌から目を離さないで』篇(2021年6月14日 – )[78]
  • 小学館「ピッカピカの一年生」(2021年12月15日 – ) – CMソング担当[79]

音楽

シングル

  1. MajiでKoiする5秒前/とまどい (1997年4月15日)
  2. 大スキ! (1997年6月25日)
  3. 風のプリズム (1997年10月15日)
  4. summer sunset (1998年5月13日)
    • 作詞・作曲:広瀬香美、編曲:藤井丈司
    • TBS系「王様のブランチ」エンディングテーマ、アサヒ飲料「三ツ矢ホワイトソーダ」CMソング
  5. ジーンズ (1998年10月7日)
  6. 明日へ (1999年2月3日)
  7. 果実 (2000年11月8日)
  8. キミの笑顔 (2020年12月4日)[80] ※配信リリース

アルバム

  • ARIGATO! (1997年11月19日)
  • WINTER GIFT ’98 Happy Songs & Music Clips (1998年10月31日)
    • ミニアルバム+ミュージッククリップ。
  • private (1999年2月17日)
    • 椎名林檎作詞作曲の作品「プライベイト」や、広末涼子自身が作詞した作品も含まれる。
  • RH DEBUT TOUR 1999 (1999年5月26日)
    • ライブアルバム+ライブビデオ。1999年2月に行われたファーストライブの模様を収録。
  • RH Singles&… (1999年11月25日)
  • RH Remix (2001年8月29日)
  • 広末涼子 Perfect Collection (2002年2月27日)
    • ベストアルバム(3枚組)。東京スカパラダイスオーケストラプロデュースによる新曲「睡蓮の舟」を収録。
  • RH Singles&…〜edition de luxe〜(2013年9月25日)

CD 他

  • オリジナルサウンドトラック『20世紀ノスタルジア』 (1997年7月24日)
    • 映画『20世紀ノスタルジア』のサウンドトラックで、広末涼子が映画の主人公・遠山杏として歌う曲が5曲収録されている。

ビデオ

  • 広末涼子 ワンダフルストーリー (1997年)
  • 広末涼子スナップビデオ「Making of R.H.」 (1998年)

DVD

  • 広末涼子 イルカと過ごした5日間 (2002年)
  • 広末涼子NEWYORK RH Avenue 2003 (2003年)

コンサート

  • RH DEBUT TOUR 1999 (1999年2月)

書籍

写真集

関連書籍

脚注

外部リンク