上武佐駅 – Wikipedia

上武佐駅(かみむさえき)は、北海道標津郡中標津町字武佐にかつて存在した、北海道旅客鉄道(JR北海道)標津線の駅である。電報略号は、カム。1989年(平成元年)4月30日に標津線が廃止され、それに伴って廃駅となった。

駅名の由来[編集]

標津川支流武佐川の上流にあることから「上」を冠した[3]

「武佐」はアイヌ語の「モサ(mosa)」が由来とされるが、はっきりしない[4]。アイヌ語研究者のジョン・バチェラーは、「モサ」「モセ」「ムセ」を「イラクサ」の意としており、武佐も同由来と考えられている[4]。なお、アイヌ文化ではイラクサの皮から繊維を取り出し「レタルペ」という着物を作っていた。

駅の構造[編集]

廃止時点で、単式1面1線のホームを有した。

貨物及び荷物取り扱い廃止までは、島状の単式1面1線のホームを有し、駅舎とホームとの間に根室標津側から貨物積降線1本が引き入れられていた。
駅舎は構内西側(中標津方面に向かって右側)の中標津側寄りにあって地面に直接建てられ、駅舎とホーム中標津寄りの階段が連絡していた。駅舎横の根室標津側には、貨物積降場があった。荷物及び貨物取り扱い廃止後は、貨物積降線が撤去された。

また、1944年から1954年まで、駅舎北側の貨物積降場に接して駅前を横切って中標津町開陽まで通じる、殖民軌道根室線(標津線開通後の残存部から駅前まで引き直し)の停車場が置かれていた。

高倉健主演の映画『遙かなる山の呼び声』は、中標津町を舞台としており、当駅も映画に登場した。高倉が演ずる田島耕作が、函館に住む兄(鈴木瑞穂)と再会したのが上武佐駅であった。先に到着した兄は、駅前の家の前を箒ではいていた地元の人に「あのぅ。この駅前に食事が出来るところがありませんか」と尋ねるが、店舗などはなく、駅舎内で会話することとなる。当時の駅や駅前の状況などを映画によって確認することができる。

駅構内跡(ホーム跡)

駅前には、映画『遙かなる山の呼び声』の撮影ロケ地であったことを示す、中標津町が設置した標柱と、同映画の宣伝看板が設置されている。また、駅跡付近の木には、ホーム上の高倉健と鈴木瑞穂、山田洋次の写真(打ち合わせ中の様子)が付された「上武佐駅跡」の標識が付けられている。

北海道旅客鉄道
標津線

中標津駅 – 上武佐駅 – 川北駅

関連項目[編集]