海南駅 – Wikipedia

海南駅(かいなんえき)は、和歌山県海南市名高にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)紀勢本線(きのくに線)の駅である。事務管コードは▲622088[2]

海南市の代表駅である。特急「くろしお」を含むすべての定期列車が停車する。

和歌山駅 – 新宮駅間のきのくに線内では、和歌山駅から当駅の間で自動改札機が設置されている。

高架化前の駅舎(1992年8月)

日方地域に最初に出来た駅はこの駅ではなく野上軽便鉄道(後の野上電気鉄道)の日方駅(ひかたえき)である。「日方駅」は野上軽便鉄道の日方駅から野上駅(後に紀伊野上駅に改称)までの開通と共に1916年(大正5年)に開業した。日方地域に次にできた駅がこの駅で、旧来からの「日方駅」とは場所が異なる。

当駅は1924年(大正13年)2月、国鉄・紀勢西線の最初の開通区間として和歌山駅(現在の紀和駅)から東和歌山駅(現在の和歌山駅)を経て箕島駅までが開通したと同時に、紀勢西線の日方町駅(ひかたまちえき)として開業した。「日方駅」は当駅の北東に位置していた。国鉄側からの要請で「日方駅」の構内に当駅への「連絡口」専用のホームが設けられた時期は後のことである。「日方駅」のホームに入る手前で列車はこのホームに停車、国鉄線に乗り換える人が下車した。

1934年(昭和9年)に海南市が発足したことを受け、1936年(昭和11年)に日方町駅が海南駅(かいなんえき)に改称した。1959年(昭和34年)には今の紀勢本線が全通し、亀山駅と和歌山駅(現在の紀和駅)の間が紀勢本線とされている。1994年(平成6年)には野上電気鉄道が全線廃止となり、日方駅は姿を消した。野上電鉄が存続していれば日方駅が海南駅東口に乗り入れる予定であったが、実現しなかった[3]

地上時代の日方駅との位置関係(1992年)

新宮方面

地上時代の日方駅との位置関係(1992年)

和歌山方面

↓ 登山口方面
凡例
出典:[4]

年表[編集]

  • 1916年(大正5年)2月4日 – 野上軽便鉄道(後の野上電気鉄道)が日方駅から野上駅(後に紀伊野上駅に改称)まで開通し「日方駅」(ひかたえき)が開業する。
  • 1924年(大正13年)2月28日 – 国鉄紀勢西線の日方町駅(ひかたまちえき)が日方駅の南西に開業する[1]
  • 1928年(昭和3年)9月10日 – 野上軽便鉄道が野上電気鉄道に社名を変更する。
  • 1929年(昭和4年)6月1日 – 京阪電気鉄道和歌山線(後の南海和歌山軌道線)内海駅(後の海南駅前駅)が開業する。
  • 1936年(昭和11年)7月1日 – 日方町駅が海南駅(かいなんえき)に改称となる。
  • 1959年(昭和34年)7月15日 – 現在の紀勢本線が全通、紀勢本線所属となる[1]
  • 1971年(昭和46年)1月10日 – 南海和歌山軌道線海南駅前駅 – 和歌浦口駅間廃止。
  • 1985年(昭和60年)3月14日 – ダイヤ改正に伴い、特急「くろしお」の一部の列車の停車駅となる。
  • 1987年(昭和62年)4月1日 – 国鉄分割民営化によりJR西日本の駅となる[1]
  • 1994年(平成6年)4月1日 – 野上電気鉄道の全線(日方駅から登山口駅)が廃止となり「日方駅」も廃止される。
  • 1998年(平成10年)10月10日 – 高架化[5]。2面3線から2面4線となる[5]
  • 1999年(平成11年)3月31日 – 駅レンタカー営業終了[6]
  • 2005年(平成17年)3月1日 – ダイヤ改正に伴い、「くろしお」系統(「オーシャンアロー」2往復を除く)の全列車が停車。
  • 2011年(平成23年)3月12日 – ダイヤ改正に伴い、「オーシャンアロー」と「スーパーくろしお」の運用差し替えにより、速達タイプのオーシャンアローの一部が停車するとともに一部の「スーパーくろしお」が通過となる。
  • 2012年(平成24年)
    • 3月17日 – ダイヤ改正に伴い、きのくに線系統の特急列車の名前が「くろしお」に統一され、すべての特急が停車するようになる。
    • 6月1日 – 地区駅長制度導入により管理駅から外れ、地区駅長が配置される。
  • 2015年(平成27年)
  • 2016年(平成28年)3月9日 – セブン-イレブン ハートインJR海南駅改札口店が開業。
  • 2019年(平成31年)
  • 2020年(令和2年)3月14日 – 当駅 – 紀伊田辺駅間の各駅(すでに導入済みの箕島駅・藤並駅・湯浅駅・御坊駅・南部駅を除く)で「ICOCA」の利用が可能となる[8]

島式ホーム2面4線の待避設備を有する高架駅である。上り本線が先に高架新線に切り替わり、下り本線の工事完成を待って1998年に高架駅となった。駅舎は高架下に位置し近代的である。駅構内はエスカレータ・エレベータが設置されている。当駅始発・和歌山方面行きは配線の都合上1番のりばを使用する。コンコースに「セブン-イレブン ハートイン」がある。このセブンイレブンはキヨスク売店を改装増床のうえ2016年に開店したもので、リニューアルに合わせて旧キヨスク売店横のコインロッカー、飲料水の自動販売機および公衆電話は撤去されている。コインロッカーは2016年4月下旬に西口外壁面に再設置された。なお、飲料水の自動販売機と公衆電話の再設置は行われていないが、自動販売機はICカード対応のものが改札内及び上下プラットホーム上に、公衆電話は西口駅前広場に従来からのものが設置されている。みどりの窓口の向かいに観光案内所と物産店を兼ねた海南市物産観光センターがある[9]

直営駅であり、和歌山駅(管理駅)傘下の地区駅として地区駅長が配置されていた。かつては管理駅として広川ビーチ駅 – 黒江駅間の各駅を管理していた。

自動体外式除細動器(AED)が1台設置されている。「こども110番の駅」にも指定されている[10]。西口外壁面と改札内にそれぞれトイレが設置されている。

のりば[編集]

  • 上表の路線名は旅客案内上の名称(愛称)で表記している。
  • 内側の2線(2番・3番のりば)が本線、外側の2線(1番・4番のりば)が副本線(待避線)である。原則として2番・3番のりばが使われる。
  • 朝ラッシュ時には、当駅始発の新大阪行き特急・天王寺行き快速(和歌山駅までは各駅停車)・和歌山行き普通が設定されている。
  • ダイヤ改正毎で状況に変化があるが、御坊方面に特急列車と普通列車の相互接続が設定されたり、早朝の和歌山方面普通列車が当駅始発の特急列車に接続する(本線停車中の普通列車が信号待ちを行い副本線(待避線)停車中の特急列車が先に発車)ことがある(2015年(平成27年)3月14日改正のダイヤでは御坊方面行きのみ、臨時で特急を先に通す列車の設定があった)。
  • 和歌山方面行き待避線(1番のりば)及び御坊方面行き待避線(4番のりば)には、普通列車の一部が停車する。

利用状況[編集]

海南市中心部のやや東側にあり利用者が多い。JR紀勢本線の和歌山県内の駅としては、和歌山駅に次いで利用者が多い。

各年度の1日平均乗車人員は以下の通りである[11][12]

年度 1日平均
乗車人数
1998年 3,591
1999年 3,459
2000年 3,345
2001年 3,278
2002年 3,239
2003年 3,155
2004年 3,101
2005年 3,023
2006年 3,053
2007年 3,047
2008年 3,042
2009年 2,938
2010年 2,894
2011年 2,938
2012年 3,042
2013年 3,113
2014年 2,956
2015年 3,014
2016年 2,991
2017年 2,965
2018年 2,895
2019年 2,802

海南市中心部のやや東側にある。出入口は東西にあり、中心部に近い西口側には駅前広場やバスターミナルが整備されるなど発展している。これは地上駅時代にはこちら側にのみ駅舎が有ったことによる。一方、東口は宅地や小規模農地などが雑然と入り混じり駅前の整備が遅れていたが、近年整備事業が開始され、2012年3月からは駅前広場及び同広場内の市営駐車場の供用が開始されている。また、駅の高架下南側にはJR系列の有料駐輪場が、同高架下北側には月極駐車場が営業中。

東口[編集]

  • 海南市役所
  • 日本郵便 海南大野郵便局
  • 海南市立第三中学校

西口[編集]

バス路線[編集]

和歌山バス・大十バス・有田鉄道バス・明光バス・西武観光バス・海南市コミュニティバスが運行

一般路線バス[編集]

  • 和歌山バス
  • 大十バス
  • 有田鉄道バス(平日運行)

夜行高速バス[編集]

  • 明光バス・西武観光バス(共同運行)
  • 海南市コミュニティバス

駅改札外に展示される雛人形と大雛壇
  • 紀三井寺の観桜など行楽期を中心に紀州路快速が「ぶらり海南」や「紀三井寺桜まいり号」として当駅まで延長運転されることがあった。
  • 第1回近畿の駅百選に選定されている。
  • 毎年、2月中旬から3月にかけて、雛人形の大雛壇が展示されていた。
  • 1992年より毎年8月のお盆に西側駅前周辺道路を用い「ふるさと海南まつり」を開催する。
  • 紀州漆器の職人により製作された漆塗りの駅名板が、駅出入口付近に設置されている。
西日本旅客鉄道
W きのくに線(紀勢本線)

快速

加茂郷駅 – 海南駅 – 黒江駅
普通(阪和線内で快速または直通快速となる列車を含む)

冷水浦駅 – 海南駅 – 黒江駅

かつて存在した路線[編集]

南海電気鉄道
和歌山軌道線

野上電車前駅 – 海南駅前駅

かつて接続した路線バス・その他[編集]

  • 和歌山バス
    • 和歌山駅東口行(亀川・向陽高校前経由)
    • 藤白浜行(日限下経由)(2017年4月1日路線廃止)
  • 有田鉄道バス
    旧花園村行和歌山線(旧花園村へは金屋口での乗り継ぎとなる)
  • 定期観光周遊バス(2007年以降運行されず2013年8月3日現在運行再開の予定は発表されていない。)
  • 大十バス
    和歌山市駅行(2018年4月1日の登山口から和歌山市内への平日直通運行廃止に伴う)

関連項目[編集]

外部リンク[編集]