国鉄タキ2500形貨車 (2代) – Wikipedia

国鉄タキ2500形貨車(こくてつタキ2500がたかしゃ)は、鉄道省及び1949年(昭和24年)6月1日以降は日本国有鉄道(国鉄)に在籍した私有貨車(タンク車)である。
ここではタキ2500形の改造によって誕生したタサ1300形タラ600形についても記述する。

タキ2500形[編集]

タキ2500形は、濃硫酸専用の25 t 積タンク車として1935年(昭和10年)10月19日から1937年(昭和12年)1月11日にかけて、3ロット7両(タキ2500 – タキ2506)が大阪鉄工所、新潟鉄工所、汽車製造にて製作された。

各年の製造会社と両数、所有者、常備駅は次のとおりである。(所有者は落成時の社名)

  • 1935年(昭和10年)10月 – 3両
  • 1936年(昭和11年)3月 – 2両
  • 1937年(昭和12年)1月 – 2両

タンク体は普通鋼(一般構造用圧延鋼材)製で初期の3両(タキ2500 – タキ2502)はリベット組立構造、それ以降は全溶接構造であり、荷役方式はタンク上部の液入管からの上入れ、液出管と空気管使用による上出し方式である。

車体色は黒色、寸法関係は全長は9,100 mm、全幅は2,474 mm、全高は3,480 mm、軸距は2,650 mm + 2,650 mm、自重は12.8 t – 13.3 t、実容積は13.6 m3 – 16.0 m3、換算両数は積車4.0、空車1.4であり、走り装置は一段リンク式の三軸車である。

1942年(昭和17年)3月11日と5月28日に2両(タキ2505、タキ2506)が専用種別変更により「カセイソーダ液」専用となり、形式は新形式であるタサ1300形(タサ1300、タサ1301)となった。続いて1943年(昭和18年)6月4日に3両(タキ2500 – タキ2502)がタサ1300形(タサ1302 – タサ1304)へ変更された。残った2両は1968年(昭和43年)9月に廃車となり同時に本形式は形式消滅となった。

他形式への改造[編集]

タサ1300形[編集]

20 t 積カセイソーダ液専用車で、1942年(昭和17年)3月11日から5月28日にかけて2両(タキ2505、タキ2506)が、1943年(昭和18年)6月4日に3両(タキ2500 – タキ2502)が改造され(タサ1300 – タサ1304)となった。1961年(昭和36年)7月3日に(タサ1300、タサ1301)がタラ600形(タラ600、タラ601)に改造された。タサ1303は1965年(昭和40年)3月15日に、タサ1302、タサ1304は1968年(昭和43年)9月30日にそれぞれ廃車となり形式消滅した。

タラ600形[編集]

18 t 積サラシ液専用車で、1961年(昭和36年)7月3日に協三工業にて2両(タサ1300、タサ1301)が改造され、タラ600形(タラ600、タラ601)となった。
積荷の保冷のため、タンク体の周囲にキセ(外板)を取り付けている。1968年(昭和43年)9月30日に廃車となり形式消滅した。

参考文献[編集]

  • 吉岡心平 『3軸貨車の誕生と終焉(戦後編)』RMライブラリー9 2000年、ネコ・パブリッシング刊 ISBN 4-87366-198-6
  • 『日本の貨車-技術発達史-』(貨車技術発達史編纂委員会編著、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊、2008年)

関連項目[編集]