スーパー2000 – Wikipedia
スーパー2000(Super 2000、S2000)は、国際自動車連盟 (FIA) が定めた競技車両規定の1つ。グループAの発展で、ラリーとツーリングカーレースに用いられた。 1990年代のラリー・ツーリングカーレースのメイン規定であったグループAは改造範囲が狭く、ベースとして高価かつ高性能な市販車が要求されるため、参戦可能な自動車メーカーが限られていた。その後継となった『スーパーツーリング』規定は自由度の高い規定であったが、開発競争の先鋭化によるコスト高騰が原因で瓦解した。 そこで2000年にFIAが施行したスーパー2000では、量産車をベースに2.0リッターまでの自然吸気エンジンへの換装・駆動形式の変更・軽量化・エアロキットの追加などの競技用改造を認める一方、セミATやアクティブデフなどの電子制御デバイスを禁止し、FIA公認コンポーネントを使用して車両コストを一定水準に抑えることを念頭に作成された。これにより低コストでベース車両からの大規模な改造が可能になり、メーカーの参入障壁が大幅に下がった。 なお姉妹的存在となる規格にディーゼル車の『ディーゼル2000』、最大1640ccの自然吸気エンジン+前輪駆動の『スーパー1600』も存在し、前者はWTCC、後者はJWRCで主に使用されていた。 世界ラリー選手権(WRC)では2007年からプロダクションカー世界ラリー選手権(PWRC)への参戦が認められると多くのメーカーが参入し、既存のグループNを凌ぐ戦闘力を見せた。また2011年以降のワールドラリーカー(WRカー)規定の更新を巡り、コストや性能を抑制するためスーパー2000をベースにする案(スーパー2000+)が推進され、最終的に1,600cc直噴ターボを搭載する新WRカー規定(S2000 WRC)が誕生した。2010年には純粋なスーパー2000のみで争われるS2000世界ラリー選手権 (SWRC) も誕生するなどして一時代を築いた。しかし2013年を持ってラリーにおけるスーパー2000は1.6リッターターボのグループR5へに置き換わることになり、同年にSWRCはWRC2へと発展解消した。WRカーも2017年以降は改造範囲を広げ、スーパー2000からかけ離れたものとなった。以降もスーパー2000のWRC/WRC2への参戦自体は可能であったが、実際に用いているエントラントはほぼ存在せず、2019年の規則からスーパー2000は削除された。一方で、南アフリカなどの地域選手権では依然としてメインに使用されているところもある。 ツーリングカーレースではイギリスツーリングカー選手権(BTCC)やヨーロッパツーリングカー選手権(ETCC)で用いられ、ETCCが発展した世界ツーリングカー選手権(WTCC)でも2005年の誕生時からスーパー2000はメイン規定として扱われた。2014年以降に施行された、改造範囲の広いTC1規定もスーパー2000の特例という扱いであったが、2017年末を持ってWTCC自体が消滅し、TCR規定に取って代わられた。 主なレギュレーション[編集] ラリーカーとツーリングカーとでそれぞれ個別のレギュレーションが存在し[1]、規則上ラリー版は「S2000ラリー」と呼んで区別する。 さらに2011年より世界ツーリングカー選手権(WTCC)および世界ラリー選手権(WRC)の最高クラスで使用する1.6L 直噴 ターボ(1.6L DI T/C)エンジン車両に対するレギュレーションが追加された[2]。 ベース車両
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