政府四演説 – Wikipedia

政府四演説(せいふよんえんぜつ)とは、日本の国会において毎年1月(かつては12月)に召集される通常国会(または通常国会に代わる特別国会)において、内閣総理大臣と国務大臣が行う4つの演説のこと。

政府四演説は以下の4つの大臣による演説である。

演説は衆議院と参議院の両院本会議で行われ、それに対して各会派代表から代表質問が行われる。通例では、通常国会の召集日が決まった時点で議院運営委員会理事会による大まかな調整、召集日に理事会での調整内容を確定する作業を経て、演説実施の前日に内閣総理大臣から議長宛てに発言の通告が行われる。議運は発言の通告を受け取った時点で、国会中継を行う担当者(NHK局員・ドワンゴのニコ生配信担当社員ら)を議場に入れる許可を出す。

演説が終わると遅くとも翌平日中、演説が金曜日に行われた場合衆議院では週明けの月曜日に代表質問を始めるため当日中[1]に議院規則に基づき各会派から質疑通告が提出される。質疑通告には質疑を行う案件、質疑者、質疑時間及び答弁要求閣僚が記されている[2]

演説の開催について[編集]

内閣閣僚による国会演説自体は大日本帝国憲法時代に存在した帝国議会から行われることが慣例化しており、1890年(明治23年)に召集された第1回帝国議会に於いて、同年12月6日の衆議院本会議の席上、当時の山縣有朋(第3代内閣総理大臣)が施政方針演説、松方正義(大蔵大臣)が財政演説をそれぞれ実施したのが最初の政府演説である[3]

政府四演説は理論上は国会が開会中であればいつでも行うことができるが、1991年(平成3年)以前は通常国会の召集が12月だったため、召集直後の自然休会を経て、翌年1月に改めて演説を行うケースが多かった。1992年(平成4年)以降は1月の通常国会召集直後に、年1回行うのが慣例となった。ただし、臨時国会の冒頭に総理が所信表明演説を行った後、補正予算の趣旨説明を兼ねた財政演説も行ったケースなど、同一年に複数回の四演説、ないしは所信表明と他の3つのうちの1つないしは2つという形の政府演説を行うこともあり得る。

財政法第27条により翌年度の一般会計予算は1月中に国会に提出するのを常例と規定されており、なおかつ財政演説は予算案の趣旨説明を兼ねることから、通常国会が開会しても翌年度当初予算案が国会に上がる前に政府四演説を行うのは異例中の異例となる。第2次安倍内閣以降は、通常国会の冒頭に補正予算案を提出してその趣旨説明たる財政演説のみを行い、補正予算の成立後に翌年度当初予算を提出した上で改めて四演説を行う形態も採られていた。しかし、2017年(平成29年)の第189通常国会以降は、冒頭で当年度補正と翌年度当初の2つの一般会計予算案が同時に提出され、会期初日の開会式直後に四演説を行う形に変更されている。

過去の政府四演説[編集]