京都京阪バス – Wikipedia

旧・京阪宇治交通低床色

京都京阪バス株式会社(きょうとけいはんバス)は、京阪電気鉄道系列のバス会社であり、京阪バスの関連会社である。2002年の発足から2014年3月までの社名は京阪宇治バスであった。同じ京阪バス系列の京阪シティバスを吸収合併の上、2014年4月に現社名に改称した

京阪宇治バス当時の本社は京都府京田辺市にあったが、京阪シティバスを合併した際の京都京阪バスへの改称と同時に現在の八幡市に移転した。

会社略称は「KKB」。これは略称を「京都京阪」にした場合は同じ京阪グループの京阪京都交通の略称である「京阪京都」と混同を避けることと、吸収合併した京阪シティバスの公式会社略称が1998年の発足当時より合併による解散まで「KCB」となっていたことにより、それを踏襲したことによるものである。

設立当初の親会社は京阪宇治交通であったが、同社が2006年4月1日に京阪バスに合併されたため、現在の親会社は京阪バスである。なお、登記上の本店所在地は、旧・京阪宇治交通同様綴喜郡宇治田原町(詳細な住所も同一)であり、実質的な旧・京阪宇治交通の後継会社であった(会社の経営、社章なども同社の方針をほぼ継承していた。ただし社章は京阪宇治交通と同デザインであるが、白抜き型となっていた)。

全路線でスルッとKANSAI、京阪グループ共通バスカードが使用できる(立命館大学(BKC)線を除く)。既に京阪バスや京阪京都交通に導入されているIC乗車カード、PiTaPa・ICOCAについては、2015年3月1日に導入されており(参考リンク 12)、2016年4月1日よりSuicaなど交通系ICカード全国相互利用サービスにも対応した。

京阪宇治バス時代の輸送人員は、2005年度と2006年度が430万人/年、2007年度が480万人/年であり、1日あたり1万数千人前後である[2]

発足後初(実質的には京阪宇治交通時代の1997年以来約12年ぶり)となる運賃値上げを伴う改定を、2009年3月7日に実施[2][3]。その後2011年3月18日にも2度目の値上げを実施した[4]。その後、消費税増税に伴い一部運賃区間で運賃の引き上げが行われ現在の一般的な運行系統の初乗り運賃は210円となっている。

本社・営業所所在地[編集]

括弧内は営業所の略称及び、京阪グループ共通バスカードに於ける印字略称。

  • 本社 京都府八幡市上奈良宮ノ東2-5
  • 松井山手営業所(観光課) 京都府京田辺市山手中央2-1
  • 八幡営業所 京都府八幡市上奈良宮ノ東2-5
    • 松井山手営業所はバス営業所ではなく旅行業の営業所である。

京阪宇治バス時代の営業所[編集]

  • 宇治営業所(ウジ) 京都府宇治市莵道荒槙1-48
    • 1922年10月1日開設。2014年3月限りで閉鎖。跡地は2015年より平和堂フレンドマートとなった。
  • 京田辺営業所(ウタ) 京都府京田辺市田辺茂ヶ谷20
    • 2007年11月10日開設。京阪バス京田辺営業所と共用しており、2014年3月限りで当社のみ撤退。なお「ウタ」の印字は旧・京阪宇治交通田辺が、かつて使用していたものでもある。

なお、前身会社以来2020年まで請け負っていた京阪バス寝屋川営業所と京田辺営業所の運行管理受託であるが、ウェブサイトの求人案内には(京阪バスと表記せずに)「寝屋川営業所」「京田辺営業所」と記載されていた[7]

車両の運転席側窓下の裾部および後部入口ガラス窓に「KEIHAN」のCIロゴが入っている。すべての塗装車両が対象である。

路線バス・コミュニティバス[編集]

路線バス車両(京阪宇治バス時代)。左は低床車、右は従来からの車両。

2003年度より導入された低床バスでは、上の画像の様に淡いグリーンに3本の緑のラインが入った塗装が施されている。また京阪宇治バス時代には側面に「KEIHAN UJI BUS」と書かれていたが、合併と相前後して消されている。

2019年、塗装は一般車と同様ではあるが、方向幕に京阪バスグループでは京都バスに次いで2社目となるフルカラーLEDを採用し、側面に「KYOTO KEIHAN BUS」の表記を復活させ、後方の座席を茶室風に再現した貸切車兼用の一般路線バスの特別仕様車「宇治茶バス」が導入され、同年3月27日より暫定的に運用を開始した後、同年4月6日の全線ダイヤ改正で土曜ダイヤ及び休日ダイヤ時に運用を限定して運行開始した[8]。なお、自社の都合や整備により一般車両で運行する場合がある[9]。尚、平日ダイヤ実施日でも一般路線で運用される場合があるが、土曜ダイヤ及び休日ダイヤ実施時とは異なり、運用は限定されておらず、また貸切車として運用されることもある[10]

貸切・観光バス[編集]

十二単をモチーフにした塗装で「うらら」の愛称で親しまれている。この塗装は旧・京阪宇治交通が公募し、京都府立莵道高等学校3年生の女子生徒(当時)が考案したものを採用し、1994年にリムジンバス用車両に制定したものであり、1996年頃より貸切バス車両にも制定された(ただし小型車はベースカラーを大型車の白色に対して銀色を使用していたが、現在小型貸切車は消滅した)。

貸切車両の一部は、2005年日本国際博覧会(愛知万博)の際に会場と宇治の間の路線バスとして運行した事例もある。また、行楽シーズンには京阪バスに貸し出され、京都定期観光バスの続行便として使用される場合もある。

乗車券類[編集]

バスツアー[編集]

旧・京阪宇治交通時代末期の1990年代中期よりバスツアーを積極的に開催し、旧・京阪宇治交サービス時代より「旅うらら」と言うツアー名で、主に宇治市より概ね200km以内の場所を中心に催行している。時折東京ディズニーリゾートや鉄道博物館への遠距離(中には宿泊を伴うものもある)ツアーも開催される。

なお過去には、宇治より山形県(月山)や群馬県(尾瀬)までのハイキングツアーや、長崎県のハウステンボスへのツアーも開催されていた(尾瀬は複数回実施している)。2008年にはスルッとKANSAIバスまつりへのツアーも実施した。

ハイキングツアーは一部ツアーを除き、「遊々ハイキング」と称し、このツアーは旧・京阪宇治交サービスおよび旧・京阪宇治交通の山岳部が共同で企画していた(分社化前は旧・京阪宇治交通山岳部の単独企画)。旧・京阪宇治交通時代の1998年より、旧・京阪宇治交サービス時代の2002年までは頻繁に行っていたが、翌2003年に実施する分社化準備の関係や貸切車両の減少、当時の親会社であった京阪宇治交通と同社との事情もあり中止された。ただし「遊々ハイキング」と称さないハイキングツアーは、現在でもごく稀に開催されていることもある。

「遊々ハイキング」は旧・京阪宇治交サービス時代に終了したが、本項では京阪宇治バス記事内に包括して記述する。また一部公式配布物に於いて「遊遊ハイキング」との誤字もある。

その他の定番コースには「西国三十三箇所巡り」などがある。

特記事項[編集]

  • 宇治田原町営バスの運行などは宇治田原町より委託されている。
  • 「城陽さんさんバス」の愛称は公募により、京都府立京都すばる高等学校の女子生徒による発案のものが採用された。この愛称は運行開始翌年の2007年11月10日より使用を開始した(それ以前は「城陽市コミュニティバス」であった)。
  • 旧・京阪宇治バス時代はバスの系統番号を一般的な「XX系統」と称していたが、旧・京阪シティバスとの合併で京都京阪バスに移行後は旧・京阪シティバスに合わせて「XX号経路」と称するようになった。

参考文献[編集]

  • 京阪宇治交通「地域とともに六十年」 1983年発行
  • 京阪宇治交サービス/京阪宇治バス バスツアー「旅うらら」パンフレット各号

関連項目[編集]

外部リンク[編集]