スパイラックス・サーコ – Wikipedia

スパイラックス・サーコSpirax Sarco)は、蒸気システム関連製品を開発する多国籍エンジニアリング企業。イギリス・グロスタシャー・チェルトナムに本社を置く持株会社Spirax-Sarco Engineering plcが運営し、世界60カ国以上に拠点を持つ。ロンドン証券取引所上場企業(LSE: SPX)。

1888年にHerman Sandersがロンドンに海外製品の輸入販売会社を設立したのち、1890年にRehdersが経営に加わり2人の名前から会社はSanders, Rehders &CO,(1906年以降略称のSarcoを使用)となり、スチームトラップの輸入事業に着手した[1]。1907年にアメリカ合衆国・ニューヨークに現地法人を設立、第一次世界大戦の勃発でスチームトラップの輸入が困難になると、ペンシルバニア州に自社工場を開設し自社製スチームトラップの輸出販売を開始、この時イギリスではSarcoの名前でスチームトラップが既に商標登録されていたため、Spiraxの名称で販売を行った[1]。1937年にサーモスタットを製造するグループ会社が設立され、またチェルトナムに本社を移転、1952年6月に事業統合が行われ、スパイラックス・サーコリミテッド(Spirax Sarco Ltd)となり、1959年にスパイラックス・サーコ・エンジニアリング(Spirax-Sarco Engineering plc)として株式を公開した[1]

1970年代から日本をはじめアジア太平洋地域にも支店が設けられ、1990年にマサチューセッツ州に拠点を持ち医療用チューブポンプに強みを持つワトソンマーロー(Watson-Marlow)を買収し子会社化、2008年にデンマークのチューブポンプメーカーのFlexicon A/S[2]、2009年にドイツのMasoSineを、2015年にカリフォルニア州の医療用チューブポンプメーカーのAsepco Corporationを買収[3]、2019年にはフランスの熱エネルギー関連製品メーカーのThermocoaxを買収し子会社に加えた[4]

今日スパイラックス・サーコ・エンジニアリングは、スパイラックス・サーコリミテッドをはじめとする子会社群を傘下に持つが、蒸気システム事業が売上の約6割、業務用ヒーターなどの温度調節ソリューションが15%前後、ワトソンマーローの売上が4分の1前後となっている[5]。顧客企業の分野は多岐にわたるが、世界的には医療・バイオ関係や食品、機械工業などが多くの割合を持つ[5]

日本におけるスパイラックス・サーコ[編集]

日本では1973年にスパイラックス・サーコリミテッド(Spirax-Sarco Limited)の拠点が設立された。千葉市美浜区にオフィスを持ち、スチームトラップ、流量計、減圧弁などの、蒸気に関連する熱エネルギー関連製品を販売している。

ワトソンマーローの日本法人であるワトソンマーロー株式会社は、2015年にスパイラックス・サーコ・エンジニアリングの傘下に加わり[6]、チューブポンプをはじめとする産業用ポンプ関連製品を販売している。東京(北区)にオフィスを持つ。

外部リンク[編集]