ネイティヴ・アメリカン (アルバム) – Wikipedia

ネイティヴ・アメリカン』(原題:Music for the Native Americans)は、カナダのロック・ミュージシャン、ロビー・ロバートソンが1994年にロビー・ロバートソン&ザ・レッド・ロード・アンサンブル名義で発表したアルバム。アメリカのTBSが1994年10月10日より放映を開始したドキュメンタリー番組のシリーズ「The Native Americans」のサウンドトラックで[5]、ロバートソンのキャピトル・レコード移籍第1弾アルバムに当たる。

ロバートソンはモホーク族の血を引いており、以前からアメリカ先住民の音楽を探求するプロジェクトを望み、キャピトルの社長ゲイリー・ガーシュに提案したところ、ガーシュも「今がその時だ」と答えて本作の制作に至った[5]。ロバートソンは『フィラデルフィア・インクワイアラー』紙によるインタビューにおいて、本作の音楽性を「私の仕事は、アメリカ先住民の音楽を研究家の観点で収集することではない。50年や100年前の音楽の真似なんかできないよ。現在生み出されている伝統音楽をやってほしかったのさ」と説明している[6]

チェロキー族の血を引くリタ・クーリッジや、ファースト・ネーションのデュオKashtin等がフィーチャリング・アーティストとして起用された。また、「バニシング・ブリード」にはダグラス・スポッテッド・イーグル英語版が参加しており[1]、ロバートソンは彼について「彼のフルートの音には本当に感動するよ。まるでマイルス・デイヴィスだ。でも、彼は熟達した技術者でもあり、現代的な装備をもたらしてくれた。シンセサイザーとかシーケンサーとか」と語っている[6]

反響・評価[編集]

スウェーデンでは1994年10月7日付のアルバム・チャートで初登場24位となり、翌週には23位を記録して、合計6週トップ50入りした[2]。ニュージーランドでは1994年12月18日付のアルバム・チャートで50位を記録[3]。アメリカのBillboard 200では149位に達し、ロバートソンのソロ転向後のアルバムとしては初めてトップ100入りを逃す結果となった[4]

カナダのジュノー賞では、本作によってロバートソンが年間最優秀プロデューサー賞を受賞した[7]

Stephen Thomas Erlewineはオールミュージックにおいて5点満点中3点を付け「サウンドトラックとはいえ、ロバートソンの最も挑戦的かつ複雑な音楽も幾分内包している」と評している[8]

  1. コヨーテ・ダンス “Coyote Dance” (Dave Pickell, Jim Wilson) – 4:07
  2. 静なる鼓動 “Mahk Jchi (Heartbeat Drum Song)” (Pura Fé) – 4:17
  3. ゴースト・ダンス “Ghost Dance” (Robbie Robertson, J. Wilson) – 5:12
  4. バニシング・ブリード “The Vanishing Breed” (R. Robertson, Douglas Spotted Eagle) – 4:39
  5. 神に召される日 “It Is a Good Day to Die” (R. Robertson) – 5:46
  6. ゴールデン・フェザー “Golden Feather” (R. Robertson) – 5:22
  7. アクァ・トゥタ “Akua Tuta” (Florent Vollant, Claude McKenzie) – 4:51
  8. ワーズ・オブ・ファイア、ディーズ・オブ・ブラッド “Words of Fire, Deeds of Blood” (R. Robertson)– 4:52
  9. チェロキー族の朝 “Cherokee Morning Song” (Arranged by Rita Coolidge, R. Robertson) – 2:58
  10. スキンウォーカー “Skinwalker” (R. Robertson, Patrick Leonard) – 5:56
  11. アンセスター・ソング “Ancestor Song” (Traditional) – 2:54
    • 歌唱:Ulali, The Silvercloud Singers
  12. ツイステッド・ヘアー “Twisted Hair” (J. Wilson) – 3:23

参加ミュージシャン[編集]

  • ロビー・ロバートソン – ギター(on #1, #4, #5, #6, #7, #10)、キーボード(on #2, #3, #5, #6, #8, #9)、ボーカル(on #3, #5, #6, #8, #10)、ヴォイス(on #12)
  • Ulali – ボーカル(on #2, #11)
  • Kashtin – ボーカル(on #7)
  • リタ・クーリッジ – ボーカル(#9)、バックグラウンド・ボーカル(on #3, #4, #5, #6, #8, #10)
  • プリシラ・クーリッジ – ボーカル(#9)、バックグラウンド・ボーカル(on #3, #4, #5, #6, #8, #10)
  • ローラ・サッターフィールド – ボーカル(#9)、バックグラウンド・ボーカル(on #3, #4, #5, #6, #8, #10)
  • ザ・シルヴァークラウド・シンガーズ – ボーカル(on #11)
  • ビル・ディロン – ギター(on #1, #2, #3, #4, #5, #6, #8, #9, #10)、チェンバレン(on #1)、Guitorgan (on#2, #9)、ベース(on #2, #4, #5, #6, #8)、6弦ベース(on #4)、オムニコード(#9)
  • レジーン・ブーチャード – ギター(on #7)
  • ジェフ・スモールウッド – アコースティック・ギター(on #7)
  • ジム・ウィルソン – プログラミング(on #1, #3, #12)
  • デイヴ・ピッケル – プログラミング(on #1)
  • Elodie Lauten – キーボード(on #3)
  • ダグラス・スポッテッド・イーグル英語版 – キーボード(on #4)、プログラミング(on #4)、フルート(on #4)
  • パトリック・レナード – キーボード(on #10)、オルガン(on #10)、プログラミング(on #10)
  • トニー・グリーン – ベース(on #3, #10)
  • ピエール・デュシェーヌ – ベース(on #7)
  • Sal Fararas – ドラムス(on #1)
  • Benito Concha – ドラムス(on #2)
  • セバスチャン・ロバートソン – ドラムス(on #5, #6, #8, #10)
  • デニス・トーピン – ドラムス(on #7)、イントロ・ボーカル(on #3)
  • アレックス・アクーニャ – パーカッション(on #1, #2, #4, #5, #6, #8, #9, #10, #11)
  • ジョン・バートリット – パーカッション(on #3)
  • ダニエル・ジーン – アルト・ヴァイオリン(on #7)
  • ボニー・ジョー・ハント – ボーカル(on #12)
  • デルフィーヌ・ロバートソン – バックグラウンド・ボーカル(on #1)
  • クロード・ペレッター – バックグラウンド・ボーカル(on #7)