笛木靖宏 – Wikipedia

笛木 靖宏(ふえき やすひろ、1985年12月20日 – )は、千葉県千葉市稲毛区出身の陸上競技選手。専門は400mハードルで、自己ベストは49秒31。同種目の2013年モスクワ世界選手権日本代表、2013年プネーアジア選手権の金メダリストである。4×400mリレーの日本高校記録保持者でもある。

B型。千葉市立山王小学校、山王中学校、成田高等学校、日本大学卒業。大学卒業後は、第一総合警備保障、日本大学豊山高等学校の陸上競技部コーチ、千葉市立幕張本郷中学校の教員を経て[1]、現在は千葉市立養護学校の教員を務める。チームアイマ[注 1]を経て、現在はTeam Accel所属。

小・中学校時代[編集]

小学生の時は野球を少しやっていた程度。小学3年時の時に校内のマラソン大会で優勝したことがきっかけとなり、4年生の頃には中学に進学したら陸上部に入ることを決意。中学時代は3年時に全日本中学校選手権とジュニアオリンピック(Bクラス)の400mに出場し、ジュニアオリンピックでは4位入賞を果たしている。

高校時代 (2001年 – 2004年)[編集]

成田高等学校に進学。

顧問から「ハードルをやれ」と言われたのがきっかけとなり、高校2年時に順天堂大学の競技会で初めて400mハードルのレースに出場すると、55秒6くらいでゴールして手応えをつかんだ。インターハイでは4×400mリレーの3走を務めて2位に貢献した。

3年時には日本ジュニア選手権の200mで5位入賞。インターハイには200m・400mハードル・4×100mリレー・4×400mリレーの4種目に出場すると、200mこそ予選敗退に終わったが、400mハードルは4位、アンカーを務めた4×100mリレーは5位、3走を務めた4×400mリレーでは優勝に貢献し、3種目で入賞を果たした。日本選手権リレーの4×400mリレーではアンカーを務め、準決勝で3分08秒32の日本高校記録樹立に貢献した。

大学時代 (2004年 – 2008年)[編集]

日本大学に進学。大学時代の前半は怪我のために思ったような活躍はできなかった。

3年生となった2006年、関東インカレが400mハードルとしては大学生になって2戦目のレースとなった(結果は予選敗退)。3戦目となった日本インカレでは8位入賞、日本選手権にも初出場を果たしたが予選敗退に終わった。

最終学年の2007年、関東インカレと日本インカレの400mハードルで初優勝を果たすと、ユニバーシアードの日本代表にも選出され、初めての海外遠征と日本代表を経験した(結果は準決勝敗退)。大学時代の自己ベストは50秒07で、49秒台をマークすることはできなかった。

社会人時代 (2008年 – )[編集]

2008年、第一総合警備保障に入社。陸上と仕事を両立させるつもりだったが、大学4年時から腰に故障を抱えていたこともあり満足に走れない日々が続いた。速く走れない自分が気持ち悪く、人前で走るのが嫌になり、会社に迷惑をかけないように1年で退職した。

2009年、日本大学豊山高等学校の陸上競技部コーチを務めながら、教員免許を取得するため日本大学文理学部に通い始めた(3年かけて単位を取得)。

2011年、全日本実業団選手権の400mハードルで優勝し、日本インカレ以来4年ぶりとなる全国タイトルを獲得した。

2012年、競技に専念する1年と決めてロンドンオリンピック出場を目指した。日本選手権の400mハードルで初めて予選を突破し、準決勝では自身初の49秒台となる49秒94をマークするも決勝には進めず、オリンピック出場の夢はかなわなかった。

2013年、千葉市立幕張本郷中学校の教員に採用される。練習時間は極端に減ったが、結果を出さなければならないというプレッシャーから開放され、静岡国際の400mハードルで自己ベスト(当時)・モスクワ世界選手権B標準(49秒60)突破の49秒48をマークすると、東日本実業団選手権では岸本鷹幸を破り49秒75で優勝した。日本選手権では初めて決勝に進出すると、モスクワ世界選手権A標準(49秒40)突破の49秒38をマークし、岸本鷹幸に次ぐ2位に入った。この結果、アジア選手権とモスクワ世界選手権の日本代表に選出され、アジア選手権では金メダルを獲得したが、モスクワ世界選手権は予選敗退に終わった。

2015年、全日本実業団選手権の400mハードルで49秒92をマークして4位に入り、2年ぶりの49秒台と全国大会決勝を経験すると、400mは中学以来の全国大会入賞となる6位に入った。

2017年3月25日、Team Accel所属となった[2]

自己ベスト[編集]

  • 記録欄の( )内の数字は風速(m/s)で、+は追い風を意味する。

主な成績[編集]

  • 備考欄の記録は当時のもの

国際大会[編集]

日本選手権[編集]

その他[編集]

各種スポーツで活躍する先輩トップアスリートがジュニア世代に応援メッセージを送るコーナー「VOICE」に出演。

参考文献[編集]

  • モスクワ世界選手権代表Close-up 世界に挑む”教員ハードラー”(1)]、『月刊陸上競技』第47巻第9号、講談社、2013年8月号、108-109頁。

注釈[編集]

  1. ^ 釣具のルアーなどを企画・販売する会社「アイマ」が母体の陸上クラブ
  2. ^ 予選のみ出場。決勝のチームアイマは3分12秒14で3位

出典[編集]

外部リンク[編集]