未知やすえ – Wikipedia

未知 やすえ(みち やすえ、1963年8月7日 – )は、日本のお笑いタレント、喜劇女優である。吉本新喜劇の座員。吉本興業所属。本名は内場 泰恵(うちば やすえ、旧姓:城嶺)。夫は同じ吉本新喜劇の内場勝則。大阪府東大阪市出身、血液型はO型。

来歴・人物[編集]

東大阪市立楠根中学校、大阪府立布施北高等学校卒業。実家は蕎麦屋。

1979年、高校在学中に花月・ポケットミュージカルスにダンサーとして出演し、その後吉本興業入りする。

1982年4月1日、漫才コンビ「やすえ・やすよ」を結成。デビュー間もないころに若手漫才コンクールで新人賞を受賞するなどして、将来を期待されていたが、1984年12月30日にコンビを解散。その翌日から吉本新喜劇に入団する。新喜劇デビュー作は、1985年のうめだ花月上席『吉本新喜劇 牛に曳かれた宝船』だった。「未知(みち)」という屋号は、コンビ解散後「マンスリーよしもと」での公募により決まったもの。

夫は、新喜劇座長の内場勝則である。公の場では自分が芸歴が上ということもあり、夫を「内場くん」と呼ぶ。

2007年8月7日から1週間、新喜劇では初の女性座長を務めた[2][3]。2008年以降も毎年お盆の時期に1週間、「未知やすえ 女座長特別公演」が継続されている[4]

2020年3月31日、間質性肺炎治療のため一時休養することを発表した[5]。4月28日、退院を報告[6]

百貨店が好きで特にデパ地下が好きである。

吉本新喜劇[編集]

共演者から罵倒されたり、言うことを聞いてもらえなかった時に、温厚な性格を一転させて怒り出す芸が有名。もともとは山田スミ子の持ちネタであり、新喜劇においても後継者的なポジションに居る。

  • 初期にはかなり太っており、お腹が出ている(他に三段腹、妊娠している)ことなどを散々ネタにされていた。これを逆手に取り「白ブタ!」と言われると「おい、誰が白ブタや! ゴルァ!」とキレる(また、夫である内場勝則に「家で怒られている気分になった」とかぶせさせたこともあった、痩せてからはこの後に「最近痩せましたね言われるけどな」という台詞で繋ぐ事が時折見られる)。内場を相手にキレる際は「明るいのは舞台の中だけで家に帰ったら部屋に篭ってる」などと私生活に関して言及することもある。他の座員に関しても、場合によってはキレられる座員に対して実話に基づいたダメ出しを交えてこのネタを披露することもある。(藤井隆の場合、失恋して立ち直れずいつまでも引きずっていたことをダメ出しされた)その後はあまり使われないギャグとなり、白ブタと言われても「白ブタってうちのこと? …ありがとう♪」と流すようになっているが、2021年1月3日の放送にて、少し丸くなったからか酒井藍に白ブタと言われ、「お前飛び級のブタやないか!」とキレた。
  • 出演者たちが揉めて、収拾がつかなくなると「じゃかましいわ!」と一喝。出演者を横一列に並べて正座させ、一人ずつを巻きざっぱ(ツッコミ用の柔らかい棒)で殴りながら毒づいていく。口応えをしようものならさらに殴る。あまりにも見事な悪態ぶりに桑原和男から「なんて言葉のテクニシャン」と言って落とされたこともある。これもあまり見られないギャグの一つとなっているが、たまに辻本茂雄がそのギャグをアレンジして披露することがある。
  • ヤクザに人質にされ、救助が難航したり突き飛ばされたりした際に「お前ら待たんかい!」や「待て待て待て!!」と言った後、ヤクザよりも恐ろしい河内弁で「お前の頭スコーンと割ってストローで脳みそちゅーちゅー吸うたろか!!!」「鼻の穴から割り箸突っ込んで下からカッコンしたろかワレ!!!」、「コンクリート詰めにして南港に沈めんどォ〜!!!」などと恫喝する。ヤクザが怯えて解放すると「怖かった〜」と可愛く振る舞い舞台上の役者が皆こける。または、ふと他の出演者を見て「あの人怖い」「誰か助けて」「怖かった〜」と可愛く振舞ったりする場合もある。その後、「あんたが一番怖いわ!」と突っ込まれることも多い。このネタは、腹から出すよく通ったドスのきいた声と巻き舌で放たれる河内弁により、ヤクザも一蹴されてしまうというネタである。見ている人たちもスッキリした気分になるネタのため、観客からも支持されている。
  • 昔は怒り肩で肩幅が広いことを桑原和男によくいじられていた。例:「アーラ恥ずかしい肩」「ほんまに女?」「逞しい体」など。
  • 生放送番組(『せやねん!』、『ちちんぷいぷい』)出演により休演が必ず週2回あるため、台詞や出演時間が以前に比べて少なくなり、代演がきく配役となっている。
  • 「綺麗ですね」などと褒められると「そんなキレイやなんて……」とはにかんだ後「フハハハハ……!!」と不気味に笑う。

なにわ人情コメディ 横丁へよ〜こちょ![編集]

  • 突然巻き舌で「ちょっと待ったり〜〜〜な!!」と叫びだし、陣内智則が「やすえさん、今日もエライ舌巻いたなぁ〜〜」というセリフの後、共演者一同が「ラテンの血が騒いだの〜〜〜!」とコーラスしたり、便乗して「ちょっと待ったりぃ〜〜〜な!!」と真似をする。真似をされると「もう! みんなで言わんといて」と返す。後番組『爆笑!ふれあいコメディ こちらかきくけ公園前』でもこのギャグを使うことがある。
  • ぜんざい屋の弟役を演じる岩尾望に平手打ちをしたり、場合によってはトレイで頭部を殴る。最近は、髪の毛を抜く(フリをする)ことも多い。
  • 他の出演者に岩尾のブサイクぶりを貶されると、「やめてぇ〜〜〜!!」と叫び、悲哀感漂うBGMに合わせて岩尾がこれまでにブサイクであるがために受けた辛い仕打ちを長々と語り出す。
  • 共演者同士の恋愛が上手くいっていると、それをおっさん口調で冷やかす。陣内智則に「やすえさん! 『やすさん』になってる!」と指摘されると、「ヤンヤン!」または「ヤンヤン、怖い〜〜〜」などとぶりっこし、共演者のほとんどがコケそうになる。後に、共演者も一緒に「ヤンヤン!」と言うようになっている。

めちゃ²イケてるッ![編集]

2009年10月から不定期で『めちゃ²イケてるッ!』(フジテレビ)にゲスト出演している。共演者たちのあいだで乱闘が起こり、収拾がつかない状況になると、矢部浩之から「やすえ姉さん、助けて!」「やすえ姉さん、(乱闘を)止めて!」と仲裁を求められる。言われた通りに乱闘を止めに入るが、何度か加藤浩次にフレーム外へ放り投げられた後、最終的には持ちネタの「ブチギレ芸」を披露するのがお約束となっている。

エピソード[編集]

  • 若手時代、『笑ってる場合ですよ!』のコーナーである「お笑い君こそスターだ!」にも出演した。また、ハイヒールモモコが素人だったころに「出演したい」との依頼があったため、紹介した(やすえの男子同級生がモモコを偶然ナンパした縁で、関係があった)。その後モモコはNSCに入学したが、やすえとモモコは同学年のため、モモコがやすえに「やすえ〜」と気安く声をかけたところ、やすえは「(芸能界では自分のほうが先輩なのだから)やすえ姉さんと言い!」とモモコを一喝した。
  • ダウンタウン(夫・内場勝則とNSC同期)の2人とは同学年で、互いにため口で話す仲(芸歴はやすえのほうが長い)。ダウンタウンは2人(松本人志・浜田雅功)とも彼女を「えーちゃん」というあだ名で呼ぶ。
  • 内場との結婚式で両親に宛てた手紙を読む、感動的なシーンの写真が毎日放送『せやねん!』でも度々取り上げられるが、その度に会場に爆笑が起こる「鉄板の一枚」となっている。
  • 日曜笑劇場での初出演作品は『あっちこっち丁稚』である。出演当時17歳。
  • 素人時代には漫才で多くの賞をもらう活躍が出来たが、プロになった途端全くウケなくなったと述べている[7]。その後相方が引退を決めたため、コンビを解散することになる。解散後は相方と共に吉本を辞める予定だったが、「お前はアホやから残れ」と会社に言われ、相方にもそう勧められたため残ることにした[8]。最後の漫才舞台の前日に「明日の夜から舞台稽古に出ろ」と突然新喜劇入団を言い渡された[9]

出演番組[編集]

テレビバラエティ[編集]

現在のレギュラー番組
過去のレギュラー番組

テレビドラマ[編集]

ラジオ[編集]

現在
過去
  • シネマワイズ新喜劇(オフィス100%)
    • 大阪好日(1997年4月5日公開、主演:内場勝則) – やすえ 役
    • 父危篤、面会謝絶(1997年4月26日公開、主演:内場勝則) – 内場の妻 役
    • マネージャーの掟(1997年4月26日公開、主演:石田靖) – 赤松千晶 役
  • YOSHIMOTO DIRECTOR’S 100 〜100人が映画撮りました〜(吉本興業)
    • ラブドール(2007年7月7日公開、監督:中田カウス)
    • 夢だけが人生やない(2007年7月14日公開、監督:笑福亭松之助)
    • スキヤキのうどん(2007年7月21日公開、監督:内場勝則) – みちよ 役

日本語版吹替[編集]

  • 「由美とやすえのラッハーンで脳みそチューチューしちゃうぞ♡みたいなディナーショー」(ディナーショー:2013年 – )
  1. ^ 吉本興業 芸人顔検索プロフィール | 未知やすえ
  2. ^ 過去にも女性座長は存在したが、短期だったり体制が整っておらず、本格的な女性座長はこれが初めてであった
  3. ^ よしもと新喜劇 座員紹介 第15回 未知やすえ」で、1999年ごろに座長就任の話があったことを明かしている
  4. ^ 2008年は8月5日から1週間、2009年は8月18日から1週間、それぞれ座長を務めた。
  5. ^ “未知やすえ、間質性肺炎で一時休養 4月から2カ月入院”. SANSPO.COM (産経デジタル). (2020年3月31日). https://www.sanspo.com/article/20200331-XP47GBZACNPAXEXTF7JBIID5HA/ 2020年4月29日閲覧。 
  6. ^ “未知やすえ退院報告 間質性肺炎のため休養から”. 日刊スポーツ (日刊スポーツ新聞社). (2020年4月28日). https://www.nikkansports.com/entertainment/news/202004280000253.html 2020年4月29日閲覧。 
  7. ^ よしもと新喜劇 座員紹介 第15回 未知やすえ(4/12)”. 毎日放送. 2017年1月22日閲覧。
  8. ^ よしもと新喜劇 座員紹介 第15回 未知やすえ(5/12)”. 毎日放送. 2017年1月22日閲覧。
  9. ^ よしもと新喜劇 座員紹介 第15回 未知やすえ(6/12)”. 毎日放送. 2017年1月22日閲覧。
  10. ^ 未知やすえ – オリコンTV出演情報
  11. ^ “未知やすえ 吹き替え声優初挑戦「ドキドキ、ハラハラでした」”. スポニチアネックス. (2016年7月22日). http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2016/07/22/kiji/K20160722013010680.html 2016年7月22日閲覧。 

外部リンク[編集]