原秀六 – Wikipedia

原 秀六(はら ひでろく、1956年 – )は、日本の法学者(商事法・会社法・金融法)。博士(法学)(早稲田大学・論文博士・2002年)。Dマル合教授(2002年文部科学省認定)。国立大学法人滋賀大学名誉教授。

(出典[1][2][3]

クルビ・アトレチコ・パウリスターノ・附属幼稚園[4][5]

神戸市立御影北小学校、神戸市立御影中学校、兵庫県立神戸高等学校、一橋大学商学部(商学士)、一橋大学大学院法学研究科修士課程(法学修士)、一橋大学大学院法学研究科博士課程、名古屋商科大学助教授等を経て、1995年滋賀大学助教授、2001年滋賀大学教授に就任する[1]

2002年、学位論文『合併シナジー分配の法理』で、早稲田大学より「論文博士〈乙博士〉」として博士(法学)の学位を授与される(学位授与番号:乙第1679号)[1]。2002年に早稲田大学より「論文博士〈乙博士〉」として博士(法学)の学位を授与された者の中に、他に、元大蔵事務次官・尾崎護(学位授与番号:乙第1669号)がいる。

滋賀大学大学院経済学研究科における博士後期課程の設置申請を受けて、2002年、文部科学省は、文部科学大臣諮問機関大学設置・学校法人審議会による教員組織審査の結果に基づいて、同人をDマル合教授〈大学院博士後期課程在籍の大学院生が博士号を取得するためには必ず書き上げなければならない博士論文の指導が担当でき且つ大学院博士後期課程の講義が担当できると文部科学省が正式に認定した教授[注釈 1][9][10]と認定する[1](同博士後期課程設置は認可され、2003年よりスタート)。

2015年、国立大学法人法施行により国立大学法人に移行した滋賀大学より、永年勤続者表彰を受ける[1]。2020年、名誉教授(滋賀大学)の称号を授与される[11]

この間、公正取引委員会委託調査に従事し、

1988年から1990年までアメリカ合衆国に留学、当該留学中は、在ケンブリッジ (マサチューセッツ州)、ハーバード大学法科大学院において客員研究員として学術研究に従事し、

その後、2000年にスイスに留学、当該留学中は、在エンゲルベルク、チューリッヒ大学法科大学院において客員研究員として学術研究に従事する[1]

本務校以外では、中央鉄道学園(国鉄民営化に伴う職員の大蔵省等への転籍に関連して)のほか、

愛知大学法科大学院(設置計画履行状況等調査期間[1]・甲南大学会計大学院[1]・島根大学・名城大学・中京大学・愛知淑徳大学等において非常勤講師を務める[3]

滋賀大学大学院経済学研究科における博士後期課程の設置申請を受けて、2002年、文部科学省は、文部科学大臣諮問機関大学設置・学校法人審議会による教員組織審査の結果に基づいて、同人をDマル合教授〈大学院博士後期課程在籍の大学院生が博士号を取得するためには必ず書き上げなければならない博士論文の指導が担当でき且つ大学院博士後期課程の講義が担当できると文部科学省が正式に認定した教授[9][10]と認定する(担当科目:企業法務論特殊講義・フィールドワーク・プロジェクト研究・特別演習I・特別演出II・特別演習III)[1]

研究対象[編集]

対象[編集]

(出典[1]

比較対象[編集]

(出典[3]

著書・論文(抜粋)[編集]

著書[編集]

(出典[13][14]

論文[編集]

(出典[1]

  • 原秀六「配当制限規定における倒産予防機能–資本に関する3原則の再検討 (学問への招待)」『一橋論叢』第97巻第4号、日本評論社、1987年4月、 557-576頁、 doi:10.15057/12710

    ISSN 00182818NAID 110000316907


    【注記4】: 当該論文に対する1987年学界回顧の講評は、以下のとおりである。「資本維持の原則を根拠とする配当制限規定が有効な倒産防止機能を有していないとし、カルフォルニア法の支払能力維持の基準(資産対負債比率)の導入を提案するもので、着眼点に優れ、論旨も鋭い。」[15]
  • 原秀六「企業集団内における不当な取引の規制 : 連結配当制度による規制」『一橋研究』第12巻第2号、一橋研究編集委員会、1987年7月、 27-46頁、 doi:10.15057/6086ISSN 0286-861XNAID 110007620633
    【注記5】:当該論文に対する1988年学界回顧の講評は、以下のとおりである。「「企業集団内における不当な取引の規制」(一研一ニ・ニ)は、親会社が不当な取引を通じて子会社を利用することを防止するためには、現行法の解釈では無理であるとし、アメリカの連結配当制度を紹介、検討し、同制度の導入を提案する。配当規制の面からの接近は評価に値する。」[16]
  • 原秀六「合併における「共働的効果」の分配」『私法』 1994巻 56号 1994年 p. 221-227, doi:10.11324/shiho1949.1994.221
  • 原秀六「短期売買差益返還制度」(今中利昭先生還暦記念論文集刊行委員会編『現代倒産法・会社法をめぐる諸問題』697-716頁、民事法研究会、1995年)
  • 原秀六「営業譲渡・譲受と成果の分配」(『滋賀大学経済学部研究年報』3巻167-187頁、1996年)
  • 原秀六「米国における大量資産譲渡規制と債権者保護(一)」(『彦根論叢』302号125-140頁、1996年)
  • 原秀六「米国における大量資産譲渡規制と債権者保護(二)」(『彦根論叢』303号51-72頁、1996年)
  • 原秀六「破産管財人の権限と動産担保」(『彦根論叢』306号141-161頁、1997年)
  • 原秀六「合併シナジーの分配と公正な合併比率」(『彦根論叢』307号183-202頁、1997年)
  • 原秀六「合併比率の公正確保と計算上の問題」(『彦根論叢』308号159-174頁、1997年)
  • 原秀六「減資規制・配当規制と合併シナジーの分配」『滋賀大学経済学部研究年報』第4号、滋賀大学経済学部、1997年、 107-122頁、 ISSN 1341-1608NAID 110000483995
  • 原秀六「商人間の留置権」(浜田道代・小林量・坂上真実・中東正文と共編著『現代企業取引法』36-49頁、税務経理協会、1998年)
  • 原秀六「未履行契約の処理に関する破産管財人の権利および義務」(『彦根論叢』324号 99-110頁、2000年)
  • 原秀六「計算関係の改正」(田邊光政・藤田勝利・吉本健一・家近正直・今中利昭編『最新会社法をめぐる理論と実務』393-414頁、新日本法規出版、2003年)
  • 原秀六「企業結合と配当財源」(『最新倒産法・会社法をめぐる実務上の諸問題』 995-1016頁、民事法研究会、2005年)
  • 原秀六「担保付取引における担保目的物及び取引の範囲」(『彦根論叢』366号81-95頁、2007年)[1][17][18][19]

著書・日米の状況の推移[編集]

前掲書『合併シナジー分配の法理』の主題の一つである、「合併により生じうる合併シナジーの分配(受取額)の偏り・独占(技術的かつ複雑であるためその発見は困難)という問題に対する制度設計のあり方」に関して、アメリカでは、一方の合併当事会社の株主による当該会社への出資につき合併に起因する資産価値の低下がなければ他方の合併当事会社の株主は合併シナジーを独占できるとするフランク・イースターブルック[20]Daniel Fischel[21]「シカゴ学派」(「シカゴ学派 (経済学)」参照)と、公平公正の観点から看過し難い偏り・独占を問題視するRobert Clark[22]・ビクター・ブラッドニー[23]「ハーバード学派」 との間で、議論が積み重ねられてきた。

日本においては、もともと、条文上「承認ノ決議ナカリセバ其ノ有スベカリシ公正ナル価格」(平成17年改正前商法408条ノ3)という表現がとられていたため、合併阻止のための法制度には限界がある状況下、例えば、合併等がなされること自体は賛成であるが、その対価の定め方に不満があるという理由での反対を意図する株主は、株式買取の請求をしてもシナジーの適切な分配にあずかれないなどの問題があった。平成17年の会社法成立の際、株式買取請求権制度の買取価格につき改正がなされ、「公正な価格」(会社法785条)と表現が改められ、「企業再編がなされなかった場合の経済状態の保証機能」に「企業再編によるシナジーの再分配機能」が追加された。合併・吸収分割・株式移転等組織再編により企業価値の増加がある場合には、シナジー反映価格を含めると解するのが通説となり、最高裁も、反対株主に「公正な価格」での株式の買取りを請求する権利が付与された趣旨は、反対株主に会社からの退出の機会を与えるとともに、退出を選択した株主には、組織再編がされなかったとした場合と経済的に同等の状態を確保し、さらに、組織再編によるシナジー効果その他の企業価値の増加が生じる場合には、これを適切に分配し得るものとすることにより、反対株主の利益を一定の範囲で保障することにあるとした(楽天対TBS事件・平成23年最高裁決定、テクモ事件・平成24年最高裁決定等)[24]

アメリカでは、かつては、信認義務違反に基づく訴訟の提起などと比較して、株式買取請求権はあまり行使されることがなく、その重要性は必ずしも高いものではなく、2010年頃は年間で1億ドルを大きく下回る程度だったが、株式買取請求権が行使される事例・金額が年々大幅に増加し、2015年・2016年には年間で20 億ドル程度にまで達したという[25]。株式買取請求権を行使されるとそれだけ現金が流出し、場合によっては損害賠償請求されるかもしれないので、一定限度を超える株式買取請求権の行使があった場合には組織再編は行わない旨の条項を合併契約書などに入れたりして、対策がとられる必要がでてきたという。

在外研究[編集]

(出典[1]

社会的活動[編集]

(出典[3]

再販売価格維持行為の価格形成・販売サービスの提供等に与える影響についての実態調査報告に関わる委員会・委員(公正取引委員会中部事務所後援、主査:成生達彦、委員:公正取引協会矢野誠一・本人他四名。内容:再販売価格維持行為が社会的厚生に対し与える影響、再販売価格維持規制の再検討、公正取引委員会の事実認定及び審決後の市場の変化。)

関連地名[編集]

ブラジル[編集]

アメリカ[編集]

スイス[編集]

(出典[26][27][28][29][30][31][32]

【母方(抄)】

【父方(抄)】

矢橋家家系図」によれば、矢橋家(惣本家・本家・南矢橋・北矢橋)は、嵯峨天皇・源融(紫式部『源氏物語』の主人公光源氏の実在モデルの有力候補)まで遡る。

【父方・遠縁[34]
所郁太郎(実父・矢橋亦一、養父・所伊織)(大垣藩の生まれ、適塾塾頭、暗殺者に襲われた元勲・井上馨を治療した医師、幕末の志士、高杉晋作の参謀、長州藩遊撃隊軍監、従四位追叙)

【祖母方(抄)】

参考文献[編集]

  1. ^ 一方、「Dマル合相当教授」は、文部科学省の資格審査無しに、各大学が独自基準(通常、緩い)により認定するため、正式のDマル合教授ではない[9]

外部リンク[編集]