イオアン – Wikipedia

イオアン(教会スラヴ語:Иоанн, ルーマニア語: Ioan)は男性の人名。特に日本正教会で頻繁に用いられる表記。女性形のイオアンナはブルガリア人女性・ギリシャ人女性にみられる人名。

ヘブライ語の「主は恵み深い」を意味するヨーハーナーン יוחנן Yôḥānān が元の形とされる。教会スラヴ語のイオアン(Иоанн)は、中世以降のギリシア語のイオアンニスΙωάννης)の活用語尾を落とした形に由来する(ただし古典ギリシャ語再建音はイオーアンネース)。

日本聖書協会の日本語訳聖書ではヨハネと表記される。

相当する各国語・各種表記[編集]

  • Ιωάννης(イオアンニス) – 現代ギリシア語
  • Ιωάννης(イオーアンネース) – 古典ギリシア語
  • Ian(イアン) – スコットランド・ゲール語
  • ИванIvan, イヴァン) – ロシア語
  • Eoin(オーイン)またはSeán(ショーン) – アイルランド・ゲール語
  • Jean(ジャン) – フランス語
  • João(ジョアン) – ポルトガル語
  • Giovanni (ジョヴァンニ) – イタリア語
  • John(ジョン) – 英語
  • Juan(フアン) – スペイン語
  • Հովհաննես(ホヴハンネス) – アルメニア語
  • János(ヤーノシュ) – ハンガリー語
  • Jan(ヤン) – ポーランド語・チェコ語・オランダ語・デンマーク語
  • Juhani(ユハニ) – フィンランド語
  • ヨハネ – 日本聖書協会訳聖書(口語訳聖書、新共同訳聖書)、新改訳聖書、バルバロ訳聖書、フランシスコ会訳聖書等で使われる表記
  • Johannes(ヨハネス、省略形でハンスまたはヨハン) – ドイツ語
  • Yuhanna(ユーハンナー) – アラブ・ペルシャ語圏のキリスト教徒がよく使う表記。ムスリムは下記の通りヤフヤーを使う。

いずれも各国のキリスト教徒によって非常に好まれる男子の名である。クルアーンにも預言者のひとりとして言及されており、アラビア語でヤフヤー يحيى Yaḥyā’ と呼ばれる。

  • 前駆授洗イオアン – 洗礼者ヨハネの日本正教会での呼称
  • 聖福音者イオアン – 使徒ヨハネの日本正教会での呼称
  • 金口イオアン(ヨハネス・クリュソストモス) – 聖人・三成聖者の一人
    • 聖金口イオアン聖体礼儀
  • ダマスコのイオアン – 聖人・ギリシャ教父の一人
  • 階梯者イオアン – ヨアンネス・クリマコスの日本正教会での呼称
  • クリミヤの克肖者聖神父イオアン – 8世紀頃のゴート人の主教
  • リラの克肖者イオアン – リラ修道院を設立したブルガリア正教会の聖人
  • イオアン2世 (キエフと全ルーシの府主教)
  • イオアン3世 (キエフと全ルーシの府主教)
  • イオアン・ヤコブ・ハラクリデス(en:Ioan Iacob Heraclid) – ルーマニアで活躍したギリシャ人傭兵
  • クロンシュタットのイオアン – ロシア正教会の聖人
  • イオアン・ミハイル・ラコヴィツァ – ルーマニアの軍人
  • イオアン・プリサカル – ルーマニア人の声楽家。1956年のジュネーヴ国際音楽コンクール声楽部門で第2位。
  • イオアン・グリゴラス – ルーマニアのレスリング選手。バルセロナオリンピックで銅メダル。
  • イオアン・ガネア – ルーマニアのサッカー選手
  • ユーハンナー10世 – 東方正教会のアンティオキア総主教庁総主教。

日本人[編集]

  • 酒井篤礼 – 日本人正教徒で司祭。日本正教会最初期の信徒。聖名がイオアン。
  • 高橋伊望 – 日本人正教徒で軍人。聖名がイオアン。
  • 高橋保行 – 日本人正教徒で長司祭・神学者。聖名がイオアン。
  • 長屋房夫 – 日本人正教徒で長司祭・神学者・ロシア語講師。聖名がイオアン。

聖堂・修道院[編集]

  • 神学者イオアン修道院 – パトモス島にある修道院
  • 石巻ハリストス正教会 – 聖使徒イオアン聖堂を有する教会。旧会堂である聖使徒イオアン会堂は石巻市の文化財。
  • イオアン・ズラトウースト (戦艦)
  • イオアン・クレスチーテリ (戦列艦)