車内誌 – Wikipedia
車内誌 (しゃないし)は、鉄道やバス、タクシーの乗客のために、それを運行する企業(鉄道会社、バス会社、タクシー会社)が車内に備え付け無料で配布する雑誌である。
鉄道の車内誌[編集]
日本の車内誌[編集]
鉄道会社が特急列車に車内誌(JR東日本の『トランヴェール』やJR西日本の『西Navi』(編集は京阪神エルマガジン社)、JR九州の『Please』(2020年5月号限りで休刊)、JR北海道の『The JR Hokkaido』など)を置くケースがある[1]。また『Wedge』(ウェッジ、JR東海系)のように、市販もしているものの東海道・山陽新幹線のグリーン車での無料配布を主眼に置き、実質的に車内誌の代替品として使われている雑誌もある[2]。
新幹線に搭載されるものは新幹線搭載誌[3]あるいは新幹線車内サービス誌[4]とも呼ばれる。
- 『Wedge』(ウェッジ、JR東海系)
- 1989年創刊の総合情報誌[3]。定価540円(2019年8月現在)の雑誌だが、東海道・山陽新幹線のグリーン車では無料配布。
- 『ひととき』(ウェッジ、JR東海系)
- 東海道・山陽新幹線のグリーン車全席に1カ月間搭載[3]。
- 『トランヴェール』(JR東日本)
- 1988年4月1日創刊[5][6]。JR東日本の東北・山形・秋田・上越・北陸の各新幹線に搭載[4]。これに加え、JR東日本では北海道新幹線にも搭載する方針を明らかにしている[7]。「トランヴェール」はフランス語で「緑の列車」を意味する[4]。
- 『西Navi』(JR西日本)
- JR西日本の山陽新幹線・北陸新幹線などの車内に搭載のフリーペーパー。編集は京阪神エルマガジン社。
- 『Please』(JR九州)
- 九州新幹線やJR九州の特急列車内に搭載されていたが[8]、2020年5月号限りで休刊[9]。
- 『The JR Hokkaido』(JR北海道)
- JR北海道が特急列車などに搭載している車内誌[7]。なお、JR北海道では北海道新幹線には搭載しない方針を明らかにしている[7]。
- 『るるぶFREE ロマンスカー箱根・小田原』『るるぶFREE ロマンスカーMELLODA』(小田急電鉄)
- ロマンスカーに搭載している車内誌[10][11]。原則としてMSE車には『MELLODA』が、それ以外の車種には『箱根・小田原』が搭載される。名称からもわかるように『るるぶ』(JTBパブリッシング)のシリーズの一つでもある。
- 『るるぶFREE スペーシア日光・鬼怒川温泉・浅草』(東武鉄道)
- 特急スペーシアに搭載している車内誌[12]。上記の小田急の事例同様、こちらも『るるぶ』シリーズの一つである。
韓国の車内誌[編集]
- 『KTX MAGAZINE』(韓国鉄道公社)
- 韓国鉄道公社が高速鉄道「KTX」の車内に搭載している車内誌。
台湾の車内誌[編集]
- 『T Life』(台湾高速鉄道)
- 台湾高速鉄道の車内に搭載している車内誌。月刊。ハースト・コーポレーション現地法人の台灣赫斯特媒體が編集[13]。
ヨーロッパの車内誌[編集]
- 『Metropolitan』(ユーロスター)
- ユーロスターの車内誌
- 『TGV magazine』(TGV)
- フランス・TGVの車内誌
- 『DB Mobil』(ドイツ鉄道)
- ドイツ鉄道の月刊の車内誌。駅でも配布。毎号約50万部発行[14]。
- 『via』(スイス連邦鉄道)
- スイス連邦鉄道の隔月刊の車内誌。駅でも配布。毎号14万部(ドイツ語版11万部、フランス語版3万部)発行[15]。
- 『Railaxed』(オーストリア連邦鉄道)
- オーストリア連邦鉄道の長距離列車とÖBB Nightjetの季刊の車内誌。駅でも配布。毎号5万部発行[16]。
アメリカ合衆国の車内誌[編集]
- 『The National』[17](アムトラック)
- 米国本土で中長距離旅客列車を運行するアムトラックの列車に搭載している隔月刊の車内誌[18]。旅行記、米国企業の紹介、詩、芸術写真などのコンテンツを有する[18][19]。座席のシートポケットに用意されている他、オンラインで閲覧できる電子版ウェブサイトも用意されている[18][19]。ロンドンに本拠地を置き、アメリカン航空の機内誌『American Way』を手がけるInk社のニューヨーク支局が発行している[18][19]。2016年10月創刊[19]。これ以前は『Arrive』という車内誌が10年にわたって発行されていたが、2016年夏・秋号をもって終刊となった[19]。
バスの車内誌[編集]
東京空港交通の『Via』[20]のようにバス会社がリムジンバスなどに車内誌を置くケースもある。
- 『Via』(東京空港交通)
- 1980年創刊[21]、1992年に現在の誌名に変更した[21]。羽田空港・成田空港発着のリムジンバス車内に搭載している[20]。
- 『SUKI』(一畑バス)
- 2000年5月創刊の季刊誌[22]。同社の高速バスに搭載している。
- 『天神情報マガジン ep.』(西日本鉄道)
- 隔月刊[23]。西日本鉄道・西鉄高速バスが運行する西鉄天神高速バスターミナル発着の高速バス車内に搭載している。
タクシーの車内誌[編集]
- 『フロントガラスの向こう側。』(阪急タクシー)
- 阪急タクシーの車内広報誌[24]
- ^ 『トランヴェール』 – JR東日本
- ^ WEDGE媒体資料 (PDF) – ジェイアール東海エージェンシー
- ^ a b c “新幹線搭載誌”. ジェイアール東海エージェンシー. 2016年3月15日閲覧。
- ^ a b c “トランヴェール”. JR東日本. 2016年3月15日閲覧。
- ^ “「トランヴェール」4月登場”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 2. (1988年1月20日)
- ^ “きょう創刊号発行”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 1. (1988年4月1日)
- ^ a b c “JR北海道、新幹線に車内誌置かず 増刷経費の負担重く”. 北海道新聞 (2016年3月15日). 2016年3月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年3月15日閲覧。
- ^ “メディア”. JR九州. 2016年3月15日閲覧。
- ^ “旅のライブ情報誌「Please(プリーズ)」休刊のお知らせ”. 九州旅客鉄道. 2020年11月10日閲覧。
- ^ るるぶFREE ロマンスカー箱根・小田原
- ^ るるぶFREE ロマンスカーMELLODA
- ^ るるぶFREE スペーシア日光・鬼怒川温泉・浅草
- ^ “公司介紹”. 台灣赫斯特媒體. 2020年11月18日閲覧。
- ^ “DB MOBIL”. G+J International Media Sales. 2020年11月18日閲覧。
- ^ “Inserat im via.”. スイス連邦鉄道. 2020年11月18日閲覧。
- ^ “Anzeigen im Railaxed Magazin”. ÖBB-Werbung. 2020年11月18日閲覧。
- ^ “The National”. アムトラック. 2020年11月10日閲覧。
- ^ a b c d “Amtrak Launches National On-Board Magazine”. Amtrak Media center (2016年10月3日). 2018年6月9日閲覧。
- ^ a b c d e Becky Peterson (2016年7月25日). “Amtrak to Launch New National Magazine”. Folio:. 2018年6月9日閲覧。
- ^ a b リムジンバス車内誌「Via」 – 東京空港交通
- ^ a b via(ヴィア) – fujisan.co.jp
- ^ 一畑高速バス車内誌「SUKI」 – さんいん旅ねっと
- ^ 天神情報マガジン ep.(フリーペーパー) – 西鉄エージェンシー
- ^ “車内広報誌「フロントガラスの向こう側。」”. 阪急タクシー. 2020年3月3日閲覧。
関連項目[編集]
- 機内誌
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