大田俊寛 – Wikipedia

大田 俊寛(おおた としひろ、1974年 – )は、日本の宗教学者。現在は埼玉大学非常勤講師[1]。専門は宗教学。博士(文学)。日本の宗教学は、真っ当な「学」と呼ばれ得るに足る理論や体系が根本的に欠如していた、とオウム事件に関連して、中沢新一や島田裕巳を名指しで批判している[2]

一橋大学社会学部を卒業後、東京大学大学院人文社会系研究科基礎文化研究専攻宗教学宗教史学専門分野博士課程を修了。鶴岡賀雄に師事。
宗教分野の中でも、グノーシス主義やオウム真理教を主な批判対象としているが、ひかりの輪の代表・上祐代表などと対面し、オウムとは何だったのかという問いに真摯に向き合っている、という印象を持っている[3]。2007年に論文「グノーシス模倣の神話学」により、東京大学博士(文学)の学位を取得[4]

著書において、大田は、ロマン主義的な精神論や人格変容論は、20世紀後半、アメリカを中心とするニューエイジの思潮によって継承され、大衆的な人気を博した、とする。そしてその際には、ブラヴァツキー夫人の神智学において提唱された修行論や輪廻転生論もまた、積極的に導入・混淆されていった[5]、と続ける。

さらには、すなわち人は、ヨーガや瞑想の修行を実践することにより、輪廻転生の法則を知ると同時に、永遠の真我を覚醒させることができるのである、とする。「ヒッピー」と呼ばれる多くの欧米人が、インドに渡て修行生活を送る一方、ヨーガの「導師(グル)」たちはアメリカに渡り、数々の新宗教を興した、と述べ、その代表例はマハリシ・マヘーシュ・ヨーギーやOsho(バグワン・シュリ・ラジニーシ)である[6]、と決めつけている。

  • 『グノーシス主義の思想 : 〈父〉というフィクション』(春秋社、2009年)
  • 『オウム真理教の精神史 : ロマン主義・全体主義・原理主義』(春秋社、2011年)
  • 『現代オカルトの根源 : 霊性進化論の光と闇』(筑摩書房(ちくま新書))、2013年)
  • 『宗教学 : ブックガイドシリーズ 基本の30冊』(人文書院、2015年)
  • 『ひとびとの精神史』共著 第4巻 東京オリンピック 岩波書店 2015.10
  • 『1990年代論』収容 宗教 ニューエイジ思想の幻惑と幻滅 私の精神遍歴 河出ブックス 1 河出書房新社 2017.8
  • Cinii
  • 『グノーシス模倣の神話学』博士論文 東京大学 2007/06
  • 『死刑囚監房から』 (年報・死刑廃止2015) インパクト出版会 2015/10

関連文献[編集]

  • 『東京大学宗教学年報(23)/同別冊 2005年 東京大学文学部宗教学研究室/編 (著), 大田俊寛他 (寄稿) 2006/1
  • 『atプラス13』上祐 史浩, 大田 俊寛他 太田出版 2012/8

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関連項目[編集]

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