マッケンジー級駆逐艦 – Wikipedia

マッケンジー級駆逐艦(英語: Mackenzie-class destroyer)は、カナダ海軍の駆逐艦(護衛駆逐艦)の艦級。先行するレスティゴーシュ級の小改正型として、1962年より4隻が就役した[注 1][1][2][3]

カナダ海軍では、1940年代末より初の独自設計大型水上戦闘艦としてサン・ローラン級の計画に着手し、1952年には、後期建造艦はレスティゴーシュ級として設計変更して建造するよう発注された[3]

その後、1957年には、再度レスティゴーシュ級の準同型艦の建造が発注された。これによって建造されたのが本級である[3]

上記の経緯より、本級の基本設計はレスティゴーシュ級と同様である。ただし居住性の改善が図られたほか、露天甲板や艦橋には酷寒に対応した艤装が施された。また海水散布装置も設置された[3]

機関もサン・ローラン級以来の構成が踏襲され、出力30,000馬力のイングリッシュ・エレクトリック製ギアード・タービンが搭載された。ボイラーはバブコック・アンド・ウィルコックス(B&W)社製の水管ボイラー2缶で、蒸気性状は圧力43.3 kgf/cm2 (616 lbf/in2)、温度454 °C (849 °F)であった[2]

C4ISR[編集]

レーダーはサン・ローラン級と同様で、対空捜索用としてAN/SPS-12、対水上捜索用としてAN/SPS-10を搭載していた。ソナーも同様で、探信儀としてSQS-503、海底捜索用としてSQS-501(英海軍162型)、対潜迫撃砲の目標捕捉用としてSQS-502(英海軍170B型)を搭載した[2][3]

その後、1980年代のDELEX改修の際に、AN/SPS-12にアップデートが施され、一般航海用のスペリーMk.2レーダーも新型機に更新されたほか、SQS-503をSQS-505に換装した[3]。またADLIPS(Automatic Data Link Plotting System)戦術情報処理装置を搭載し、リンク 11の運用に対応した[1][2]

武器システム[編集]

艦砲はレスティゴーシュ級と同様で、艦首側の31番砲は70口径76mm連装速射砲ヴィッカースMk.6)、艦尾側の32番砲は50口径76mm連装速射砲(Mk.33 3インチ砲)とされた。ただし「カペル」では、31番砲も50口径76mm連装速射砲を搭載した[1]。砲射撃指揮装置(GFCS)としては、艦首側にはMk.69(AN/SPG-48追尾レーダー)、艦尾側にはMk.63(AN/SPG-34追尾レーダー)が搭載されており[1]、Mk.69は後にデジタル化されたMk.60に更新された[2]

対潜兵器は、サン・ローラン級・レスティゴーシュ級と同様に艦尾甲板に3連装のリンボーMk.10対潜迫撃砲2基を設置したほか、後に324mm3連装短魚雷発射管を搭載した[1][3]。またDELEX改修の際にAN/SLQ-25対魚雷デコイも搭載された[2]

注釈[編集]

出典[編集]

参考文献[編集]

外部リンク[編集]