愛欲の罠 – Wikipedia

愛欲の罠』(あいよくのわな)は、1973年の日本の映画。別題『朝日のようにさわやかに』(あさひのようにさわやかに)[1]。監督は大和屋竺、脚本は田中陽造、主演・製作は荒戸源次郎[2]

あらすじ[編集]

殺し屋の星(荒戸源次郎)には、眉子(絵沢萠子)という恋人がいる。高川(大和屋竺)は星に眉子を殺すよう命じる。高川とも交際していた眉子は、高川が組織の金を不正に使ったと知ってしまったのである。組織が雇った西郷(小水一男)とマリオ(秋山ミチヲ)という2人組の殺し屋によって、高川と眉子は命を落とす。

売春宿に身を潜めた星は、娼婦の夢子(安田のぞみ)と結ばれるが、夢子も殺される。

組織のアジトに乗り込んだ星は、西郷とマリオを倒したのち、ボス(山谷初男)を撃つ。

キャスト[編集]

題名について[編集]

大和屋竺と知り合った荒戸源次郎の発案により、劇団天象儀館の第1回製作映画『朝日のようにさわやかに』として製作が進められる[3]。その上で、黒澤満と岡田裕の協力により、配給は日活が手がけることになった[3]。ただし、題名はポルノらしくという日活の要請で『桃色の狼 朝日のようにさわやかに』となったが[4]、日活側はこれにも難色を示し、最終的に『愛欲の罠』と改題された。日活が『桃色の狼 朝日のようにさわやかに』という題名に難色を示した理由は明らかではないが、明治天皇の御製「さしのぼる朝日のごとくさわやかにもたまほしきは心なりけり」との類似を憚った可能性もある[5]

  1. ^ 渚ようこ (2007年7月26日). “渚ようこの新宿ゴールデン街通信局”. リアルライブ. 2014年7月26日閲覧。
  2. ^ 青山真治『シネマ21 青山真治映画論集成+α 2001-2010』朝日新聞出版、2010年、488頁。
  3. ^ a b 木全公彦 (2013年6月23日). “触媒としての二人の映画人”. 映画の國. マーメイドフィルム. 2014年7月20日閲覧。
  4. ^ 現在、発売されているDVDには『桃色の狼 朝日のようにさわやかに』と題名表示される予告編も収められている。
  5. ^ 夏文彦は『日本読書新聞』1973年12月17日号に本作を『朝日のようにさわやかに』として紹介する短評を寄稿。その中で題名については「天象儀館の兄さん方はタイトルはソニー・ロリンズからのいただきだと匂わせているが、なに、そうじゃあるめえ」として、本当の由来はこの御製ではないかとしている。当時、既にこういう見立てが披露されていた以上、日活側が神経質になる必然性はあった。

参考文献[編集]

外部リンク[編集]