竜樹諒 – Wikipedia

竜樹 諒(たつき りょう、1954年12月2日 – )は、日本の漫画家。女性。神奈川県横浜市出身。たつき 諒 とも称する[2]

1954年、横浜市で生まれる。

高校生の17歳のときに交通事故に遭ったことで、卒業後の仕事に「家でできて、生きた証を残せ、顔を出さずに済む仕事」として漫画家を目指した[3]。それから出版社への作品持ち込みを始め、他の漫画家のアシスタントとして描き続けていた。その後白泉社の『花とゆめ』で受賞が決まっていたが、秋田書店の編集者からスカウトされ[4]、1975年、『月刊プリンセス』(秋田書店)7月号に掲載された読み切り『郷ひろみ物語』で漫画家としてデビューする。その後『人形物語』などの作品多数発表している[2]

漫画家デビュー後1978年あたりから、睡眠中の夢の内容を記録し始める。その後1985年から一冊のノートに『夢の記録』と題した夢日記を絵と文章で記述してきた[5]

1982年には、公式ファンクラブが発足し、クラブ会報誌『クラッシュ』を創刊する[6]

1990年頃から「たつき諒」名義を多用する。

1998年9月、作品『白い手』の発表を最後に「充電期間」を名目に休業し、1999年に漫画家を引退した[7]

下記の単行本『私が見た未来』の話題が広まる後に、2011年から「たつき諒」を騙る偽物がSNSなどに登場し[8][9][10]、果てには偽物が講談社の雑誌「フライデー」2021年3月にインタビューを乗せるなどの暴挙に出たことから[11][12]、対処として急遽復刻版『私が見た未来 完全版』を編集し発刊することとなった。

マンガ単行本『私が見た未来』[編集]

ペンネーム「たつき諒」名義で1999年7月に朝日ソノラマから発売された漫画[13]。同作は1994年から1998年に雑誌『ほんとにあった怖い話』(朝日ソノラマ刊)と『恐怖体験』(スコラ刊)上に掲載された漫画をまとめて単行本化したものである。表題作は1996年初出。著者は漫画が発売された同年に漫画家を引退したが、この漫画の表紙に「大災害は2011年3月」と描かれていることから注目を集め[2]、東日本大震災を予言したとされ本書が話題となる。現在は入手が困難であり、10万円以上の高値が付く[13][14]。そのため復刻してほしいという意見が高まり、2021年10月2日に飛鳥新社から復刻版の『私が見た未来 完全版』が発売された[15]

著者は1970年代から睡眠時の夢の記憶を記録した「夢日記」を書き続けており、これらをマンガのネタとしていた。本書、復刻版『私が見た未来 完全版』もその記録から、2025年の災害を予言しており、注目を集めていてベストセラーとなっている[15][16][17]

作品数は、99本ある[18]

連載[編集]

読み切り[編集]

  • 郷ひろみ物語(『月刊プリンセス』1975年7月号)
  • ふたりのわたし(『月刊プリンセス』1975年夏休み大増刊号)
  • 冬の花(『月刊プリンセス』1976年お正月大増刊号)
  • ザ・タカラヅカ とおい灯(『別冊ビバプリンセス』1976年4月25日 SPRING創刊号)[19]
  • 哀愁(『別冊ビバプリンセス』1976年8月25日 SUMMER号)
  • そよ風のバラード(『別冊ビバプリンセス』1976年10月25日 AUTUMN号)
  • ハローレディー(『月刊プリンセス』1977年2月号)
  • フランクリン・カウンティの誇り(『別冊ビバプリンセス』1977年4月25日 SPRING号)
  • 水中天国(サンリオ『リリカ』1977年6月号No.8)[20]
  • まわる花時計(『月刊プリンセス』1977年7月号)
  • ミッドナイト・ストーリー(『別冊ビバプリンセス』1977年8月25日 SUMMER号)
  • しんでぇれらぁ(『ボニータ(プリンセス増刊号)』1978年夏の増刊号)
  • カンバーランドの館(『別冊ビバプリンセス』1978年8月25日 SUMMER号)
  • コンサート(『別冊ビバプリンセス』1978年10月25日 AUTUMN号)
  • グッド・ラック・ツー・ユー(『別冊ビバプリンセス』1979年1月25日 WINTER号)
  • 愛情物語(サン出版『JUNE』1979年5月号)
  • 夏休みが来るまえに(『プリンセスGOLD(プリンセス増刊号)』1979年5月初夏の増刊号)
  • 少女の花(『別冊ビバプリンセス』1979年8月25日 SUMMER号)
  • アメリカン・キックオフ(『月刊プリンセス』1979年10月号)
  • 時計物語(『別冊ビバプリンセス』1979年10月25日 AUTUMN号)
  • 人形物語(『月刊プリンセス』1979年12月号)
  • ラジカル・ジョーク(『月刊プリンセス』1980年1月号)
  • 星のメルヘン(『月刊プリンセス』1980年3月号)
  • クリスタルギャザー(『別冊ビバプリンセス』1980年4月25日 SPRING号)
  • 時の中の少女(『月刊プリンセス』1980年5-7月号)
  • 雪のジョー王(『別冊ビバプリンセス』1980年8月25日 SUMMER号)[21]
  • 倒錯の森(『月刊プリンセス』1980年9月号)
  • ラブラブ ラプソディー(『別冊ビバプリンセス』1980年10月25日 AUTUMN号)[22]
  • 宝石物語(『別冊ビバプリンセス』1981年1月25日 WINTER号)
  • レインボーカラー(『月刊ボニータ』1981年4月号 創刊号)
  • セレナ(『別冊ビバプリンセス』1981年4月25日 SPRING号)
  • 春風シンフォニー(『月刊ボニータ』1981年6月号)
  • ピットフォール(『月刊プリンセス』1981年8月号)
  • こわれたタイムマシン(『別冊ビバプリンセス』1981年8月25日 SUMMER号)[23]
  • ふざけたヤツら(『月刊ボニータ』1981年9月号)
  • ロザリアナの肖像(『別冊ビバプリンセス』1981年10月25日 AUTUMN号)[24]
  • 輪廻転生(『月刊プリンセス』1982年2月号)
  • たった3分31秒(『月刊ボニータ』1982年3月号)
  • なめんなよ!(『月刊プリンセス』1982年4月号)
  • シルエット(『月刊プリンセス』1982年6月号)
  • すぷりんぐ さんば(『プリンセスGOLD』1982年7月25日増刊号)
  • 虹色のノクターン(『別冊ビバプリンセス』1982年10月25日 AUTUMN号)
  • ちいさなカラの中(東京三世社『SFマンガ競作大全集 PART 17』1983年1月)[25]
  • デビュー(『別冊ビバプリンセス』1983年1月25日 WINTER号)
  • 水色の航空書簡(『月刊プリンセス』1983年3月号)
  • はじめから緒割まで(『別冊ビバプリンセス』1983年4月25日 SPRING号)
  • 記憶の鍵(新書館『WINGS (ウィングス)』1983年第5号)
  • だんだん馬鹿になってゆく(『Pino(プリンセス増刊号)』1983年6月25日プリンセス初夏の増刊号)
  • オールナイトでぶっとばせ!(『月刊プリンセス』1983年6月号)
  • アトランダム1(『別冊ビバプリンセス』1983年8月25日 SUMMER号)
  • ロスからシスコへ(『別冊ビバプリンセス』1983年10月25日 AUTUMN号)
  • なよ竹のかぐや姫(『別冊ビバプリンセス』1984年1月25日 WINTER号)[26]
  • アガルタ(集英社『ぶ〜け』1984年5月号[27]) – 集英社『ぶ〜け』初登場作品[27]
  • 華物語(集英社『ぶ〜け』1984年8月号[28])※たつき諒名義
  • 時計幻想物語(集英社『ぶ〜け』1984年12月号[29]
  • BLOODY GRASS―血ぬられた草(集英社『ぶ〜け』1985年12月号[30]
  • ERE Junction(集英社『ぶ〜けデラックス』1986年4月増刊号)
  • 誓い(集英社『ぶ〜け』1987年10月号)※たつき諒名義
  • そんな馬鹿な(マガジンボックス『月刊パンドラ』1989年7月号)
  • 雨月物語(マガジンボックス『月刊パンドラ』1989年8月号)
  • ガラス窓(講談社『BE・LOVEミステリー(BE・LOVE増刊号)』1990年3月号)※以下、たつき諒 名義
  • さくらのした(講談社『BE・LOVEペア』1990年9月号)
  • 奇妙な現実(講談社『月刊少女フレンド サスペンス&ホラー特集号』1991年9月号増刊号)
  • 妹殺し(講談社『月刊少女フレンド サスペンス&ホラー特集号』1992年1月号増刊号)
  • 地下街(講談社『月刊少女フレンド サスペンス&ホラー特集号』1992年9月号増刊号)
  • 怪電話(講談社『月刊少女フレンド サスペンス&ホラー特集号』1993年1月号増刊号)
  • 彷徨う霊達の話(スコラ社『恐怖体験』1994年 VOL.4)
  • 闇の中へ(スコラ社『恐怖体験』1994年 VOL.5)
  • 霊がいっぱい(スコラ社『恐怖体験』1994年 VOL.7)
  • 夢のメッセージ(スコラ社『恐怖体験』1995年 VOL.9)
  • 浮遊霊(スコラ社『恐怖体験』1995年 VOL.12)
  • もうひとりの自分(スコラ社『恐怖体験』1995年 VOL.14)
  • 冥界の壁(スコラ社『恐怖体験』1995年 VOL.19)
  • 私が見た未来(朝日ソノラマ『ほんとにあった怖い話』1996年9月号)
  • 縁の先(朝日ソノラマ『ほんとにあった怖い話』1996年11月号)
  • 伝えられたメッセージ先(朝日ソノラマ『ほんとにあった怖い話』1997年3月号)
  • 夢の跡(朝日ソノラマ『ほんとにあった怖い話』1997年7月号)
  • 白い手(朝日ソノラマ『ほんとにあった怖い話』1998年11月号)

単行本リスト[編集]

秋田書店[編集]

その他[編集]

  • 時計物語(タイムストーリー)―幻像世界(ファントム・ワールド)(1984年11月1日、笠倉出版社、ISBN 978-477300105-1)
  • ロック・セレクション (1985年3月1日、笠倉出版社、ISBN 978-477300108-2)
  • だんだん馬鹿になってゆく―マザーグースミステリー(1985年9月1日、笠倉出版社、ISBN 978-477300126-6)
  • 私が見た未来(1999年7月、朝日ソノラマ、ISBN 978-4-257-98699-7)※たつき諒名義
  • 私が見た未来 完全版(2021年10月1日、飛鳥新社、ISBN 978-4-86410851-5)※たつき諒名義

関連項目[編集]

外部リンク[編集]