ユア・マザー・シュッド・ノウ – Wikipedia
「ユア・マザー・シュッド・ノウ」(Your Mother Should Know)は、ビートルズの楽曲である。1967年に放送されたテレビ映画『マジカル・ミステリー・ツアー』の挿入歌で、同名のEP盤とキャピトル編集盤にも収録された。レノン=マッカートニー名義となっているが、ポール・マッカートニーによって書かれた楽曲。タイトルは1961年に公開された映画『蜜の味』のセリフに由来しており、歌詞はジェネレーションギャップの問題や、母親の気持ちを理解できない娘について歌われている。テレビ映画ではビートルズが襟にバラを挿した白いテイルコートを身に纏い、ツアー客と一緒に歌い踊るシーンで使用された。 「ユア・マザー・シュッド・ノウ」は、同じくマッカートニー作の「ホエン・アイム・シックスティ・フォー」を彷彿させるミュージックホール調の楽曲で、衛星中継特別番組『OUR WORLD 〜われらの世界〜』のために提供された楽曲の1つであった。1967年8月末にロンドンのチャペル・レコーディング・スタジオで本作の最初のセッションが行なわれ、このセッションがマネージャーのブライアン・エプスタインが生前に参加した最後のセッションとなった。 マッカートニーは、ロンドンのセント・ジョンズ・ウッドにある自宅で、ハーモニウムを弾きながら「ユア・マザー・シュッド・ノウ」を書き始めた。この時に叔父のハリーと叔母のジンが自宅を訪ねてきており、この日の家族間での会話が本作の主題に影響を与えたとされている[7]。曲のタイトルは、1961年に公開された映画『蜜の味』に由来している。 マッカートニーは、本作について「僕はジェネレーションギャップというものがキライだ。親と子がわかりあえないというのはとても残念なことだとずっと思ってる。母親が子供にわかってもらえないというのはとても悲しいことだ。母親は子供が抱いている苦痛とかそれらすべてを経験してきたうえで、子供を大きな愛情で包んでいるというのに。人間以外の動物も同じさ。でもちょっとしたもめごとが原因で仲違いするとそれが生涯続いたりする。だから僕は世代間の争いなんてするべきじゃないとずっと言い続けているんだ。『ユア・マザー・シュッド・ノウ』では、『お母さんは君の想像以上にたくさんのことを知ってる。大切にしよう』ということを言おうとしたんだ」と語っている。 マッカートニーは、テレビ映画『マジカル・ミステリー・ツアー』の構想を練っている際、本作を「プロダクションナンバー」とすることを考えていた。同年5月に映画のタイトル曲のレコーディングを終えた段階で、ジョン・レノンとジョージ・ハリスンがこの計画に無関心であったため、映画のプロジェクトは一度中断することとなった。同年に放送された衛星中継特別番組『OUR WORLD 〜われらの世界〜』に出演するにあたり、同番組のためにマッカートニーは本作を提出したが、放送にはレノン作の「愛こそはすべて」が選ばれた。 曲の構成[編集] 「ユア・マザー・シュッド・ノウ」のキーはAマイナーで、4分の4拍子で演奏される。ヴァース‐コーラスとそれに対比する楽器のみのブリッジで構成されている[13]。最後のヴァース‐コーラスでは歌詞の代わりに「da da da」というフレーズが含まれているが、これはミュージックホールの伝統を取り入れたもの[7]。 同じくマッカートニー作の「ホエン・アイム・シックスティ・フォー」を彷彿させるミュージックホール調の楽曲で、歌詞では「シーズ・リーヴィング・ホーム」でも見られる母親への同情的な描写が繰り返されている。作家のドイル・グリーンは、「『シーズ・リーヴィング・ホーム』は10代の家出少女とその両親への同情が歌われているが、『ユア・マザー・シュッド・ノウ』で歌われる世代の理解はより一方的なもので、“母親の権威と若者の法令厳守”を示唆している」という見解を述べている。 レコーディング[編集] 「ユア・マザー・シュッド・ノウ」のレコーディングは、1967年8月22日に開始された。ビートルズにとっては2か月ぶりのセッションとなった。しかしながら、EMIスタジオがすぐに使用できる状態ではなかったため、レコーディングはロンドン中心部にあるチャペル・レコーディング・スタジオで行なわれた。チャペル・レコーディング・スタジオでのセッションは翌日まで続き、同日にレノン、マッカートニー、ハリスンのボーカル(バッキング・ボーカルを含む)がオーバー・ダビングされた。なお、このセッションがマネージャーのブライアン・エプスタインが生前に参加した最後のセッションとなった。 マッカートニーがチャペル・レコーディング・スタジオでのテイクに不満を持ったことから、9月16日にEMIスタジオでリメイクが行なわれたが、このテイクは破棄されることとなった。9月29日にチャペル・レコーディング・スタジオでのテイクに対して、マッカートニーのベースとレノンのハモンドオルガンがオーバー・ダビングした。後者はボーカルが入っていないブリッジ部分に加えられた。ミキシングは11月7日に行なわれ、ステレオ・ミックスのボーカルにはパンニング処理が施された。
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