ジー・イ・ジー – Wikipedia

ジー・イ・ジー』(Zii e Zie)は、ブラジル人ミュージシャン、カエターノ・ヴェローゾが2009年に発表したスタジオ・アルバム。

前スタジオ・アルバム『セー』に引き続き、若手ミュージシャンによるトリオ「バンダ・セー」と共に録音された[2][5]。プロデュースも前作と同様、ヴェローゾの息子モレーノ・ヴェローゾポルトガル語版とペドロ・サーによる[2]。ヴェローゾ自身は本作のコンセプトに関して「トランサンバ」という言葉を使い、サンバと現代的なロックの融合を試みた[6]

「インコンパチビリダーヂ・ヂ・ジェーニオス(天才たちの不調和)」は、ジョアン・ボスコとアルヂール・ブランキが共作した曲のカヴァーで、ボスコのヴァージョンは1976年のアルバム『Galos de Briga』に収録されている[7]。「ヂフェレンチメンチ(彼らとは違って)」は、アルバム『異国の香り〜アメリカン・ソングス』(2004年)リリース後のツアーでも歌われていた曲である[2]

反響・評価[編集]

ポルトガルでは2009年第18週のアルバム・チャートで22位を記録[4]。アメリカのラテン・グラミー賞では、2009年度の最優秀シンガーソングライター・アルバム賞を受賞した[8]

収録曲「インコンパチビリダーヂ・ヂ・ジェーニオス(天才たちの不調和)」は、『ローリング・ストーン・ブラジル』誌が選出した「2009年の最も優れた25曲(国内部門)」で13位にランク・インした[9]

マリアーノ・プルーンズはオールミュージックにおいて5点満点中3点を付け「ヴェローゾの新しい音楽に関する論争は、もっぱらエレクトロニック・サウンドの再発見に関する話が中心となってきたが、根本的な問題をぼやけさせるべきではない。今回はサウンドではなく曲が弱いのだ」「ここには、ヴェローゾの標準(もっとも、恐ろしいほど高いのだが)に見合った曲は僅かしかない」と評している[10]。一方、Robin Denselowは『ガーディアン』紙のレビューにおいて5点満点中4点を付け「彼の実験はなおも続いている」「突然エレクトリック・ギターが爆発して穏やかな雰囲気を一変させる”Falso Leblon”、手拍子とファンク・ギターがまったりしたボーカルに対抗する”A Cor Amarela”など、曲は親しみやすい一方で意外性もある」と評している[3]

特記なき楽曲はカエターノ・ヴェローゾ作。

  1. ペルデウ(無くした) – “Perdeu” – 6:49
  2. セン・カイス(桟橋のない海) – “Sem Cais” (Caetano Veloso, Pedro Sá) – 2:36
  3. ポル・ケン?(誰のために?) – “Por Quem?” – 5:43
  4. ロバォン・テン・ハザォン(ロバォンは正しい) – “Lobão Tem Razão” – 4:05
  5. ア・コール・アマレーラ(黄色) – “A Cor Amarela” – 2:16
  6. バージ・ヂ・グアンターナモ(グアンタナモ基地) – “A Base de Guantánamo” – 4:25
  7. ファウソ・レブロン(偽のレブロン) – “Falso Leblon” – 2:42
  8. インコンパチビリダーヂ・ヂ・ジェーニオス(天才たちの不調和) – “Incompatibilidade de Gênios” (João Bosco, Aldir Blanc) – 5:26
  9. タラード・ニ・ヴォセ(おまえに夢中) – “Tarado ni Você” – 4:31
  10. ミニーナ・ダ・ヒア(リアの少女) – “Menina da Ria” – 2:19
  11. インジェヌイダーヂ(無邪気) – “Ingenuidade” (Serafim Adriano Da Silva) – 3:54
  12. ラパ – “Lapa” – 4:39
  13. ヂフェレンチメンチ(彼らとは違って) – “Diferentemente” 2:43

参加ミュージシャン[編集]

脚注・出典[編集]